残念ながら、アパート経営は儲からないというイメージをもつ方は少なくありません。本当にアパート経営はリスクの高い投資方法なのでしょうか。
実は、アパート経営の収入は比較的安定しており、リスクもある程度想定して対策することが可能です。アパート経営の収益性と、失敗しないためのリスク対策について詳しく解説します。また、アパート経営に向かない人の特徴についても紹介しているので、投資判断をする前の参考にしてくださいね。
もくじ
アパート経営はなぜ儲からないイメージなのか
「アパート経営は儲からない」という声をよく耳にします。物件取得時の多額な初期費用やリスクから、「儲からない」イメージが先行しているようです。
アパート経営は本当に儲からないのか、問題となるポイントについて1つずつ解説します。アパート経営という言葉から受け取るイメージだけではなく、実際にどういうものなのか、ぜひ正しく理解してくださいね。
元金の回収に時間がかかる
アパート経営は元金の回収に時間がかかることから、儲からないイメージにつながっていると考えられます。アパート経営は、物件取得にかかる多額の費用を、家賃収入によって時間をかけて回収する投資方法です。株式投資のように取得した資産そのものの売買で収益をあげる投資モデルではないため、即座に元金の回収や利益をあげることはできません。
しかし、家賃は株価のように乱高下しないため、長期間安定した収益が見込めます。また、現物資産が手に入る点もアパート経営のメリットです。地価の上下や経年劣化の影響は受けるものの、現物資産は将来に向けた資産形成になります。
「経営」という言葉から素人には難しそうに感じる
アパート「経営」という言葉から会社経営をイメージして、手を出しにくいと感じる方も少なからずいます。しかし、アパート経営はプロの不動産業者にまかせることもできるため、会社経営のように経営課題を一人で抱え込む必要はありません。
また、住居は人がいる限り必要なものなので、景気の影響を受けにくいこともアパート経営が通常の会社経営とは異なる点です。近隣の家賃相場や物件の経年劣化による影響は受けますが、家賃は大きな変化が起こりにくく比較的安定しています。
空室などのリスクが心配
アパート経営において、空室が大きなリスクであることは事実です。所有しているアパートに空室が発生すると、その分の家賃収入を得られなくなってしまいます。また、家賃滞納や災害による想定外の修繕費用の発生など、アパート経営とリスクは切り離せません。
しかし、信頼のできる不動産業者に運用をまかせれば、空室や家賃滞納といったリスクを減らせる可能性があります。また、修繕費用についても、プロに相談しながら余裕をもった資金計画を立てることで、影響を抑えることが可能です。
実はアパート経営は儲かりやすい
儲からないイメージのアパート経営ですが、実は儲かりやすい投資方法の1つともいわれています。アパート経営が儲かりやすい理由をご紹介します。
「儲からない」というイメージにとらわれず、フラットな状態でアパート経営の収益性についてご覧ください。
家賃収入が比較的安定している
アパート経営のおもな収入は家賃です。家賃は入居している限り発生し、金額も安定しています。また、アパートには複数の部屋があるため、空室が発生しても家賃収入全体への影響は限定的です。
毎月の収入が安定していることで、資金計画も立てやすくなり、よりリスクを抑えて運用できます。
高い節税効果が見込める
節税効果が見込める点も、アパート経営のメリットです。会社員や公務員といった給与所得者の方がアパート経営をおこなうと、所得税や住民税を減らせる場合があります。ます。
不動産の収支を赤字として、本業の給与所得と損益を合算することで、所得税と住民税の節税が可能です。具体的には、アパートの取得費用を減価償却費として経費計上し、不動産の収支を赤字にすると、課税所得を減らせます。
また、アパート経営で所有する物件を相続する場合は、現金で相続するよりも相続税を節税できます。不動産物件の相続時の評価額は、実際に売買されている価格よりも一般的に低く算定されるためです。
次の投資への足がかりになる
アパート経営は比較的安定した収入が見込めるため、次の投資への足がかりとしても最適です。黒字経営であれば、金融機関からの信頼を得られるため融資を受けやすくなります。
経営が順調であれば、2棟目やマンションなど、より大きな資産形成につなげることが可能です。
アパート経営に失敗しないためにはリスクを事前に把握しておく
リスクがまったくない投資方法は存在しません。比較的収入の安定しているアパート経営でも、一定のリスクはあります。アパート経営に失敗しないためには、リスクを把握して事前に対策しておくことが大切です。
ここではアパート経営におけるさまざまなリスクと、その対処法についてご紹介します。
空室や家賃滞納リスク
アパート経営では、家賃収入がなくなることが最大のリスクです。空室や家賃滞納が発生すると、収益性は下がってしまいます。
空室や家賃滞納のリスクをできるだけ回避するには、アパートの管理を専門の管理会社に委託しましょう。別途管理費はかかりますが、専門のノウハウのある管理会社にまかせることで、入居募集をスムーズにおこなえます。また、家賃滞納が発生しにくい入居者を入居時審査で選ぶことも可能です。
災害時の修繕費用
地震や風水害といった災害が発生した際の修繕費用は、アパート経営をするうえで、リスクとして見込んでおくべき費用です。災害はいつ発生するかわからないため、ある程度まとまった費用を確保しておく必要があります。
アパート物件を取得する際は、過去に起こった災害を調査しておきましょう。同じ地域で起こった過去の災害記録から、災害時の支出をある程度予測することが可能です。
修繕費用の積み立てはもちろん、妥当な金額の保険を活用して備えておけば、安心してアパート経営をおこなえます。
物件価値の下落
所有しているアパートの物件価値が下がってしまうおそれもあります。物件価値が下落すると、当初予定していた家賃収入を得られません。とくに立地条件が悪い物件の場合は、リスクがより高まります。
物件価値の下落リスクを減らすためには、立地条件や周辺環境を十分に調査しておくことが重要です。駅や商業施設、病院や学校といった現在の周辺環境だけではなく、将来の都市計画についても可能な限り調べて予測しておきましょう。
ローン金利の上昇
物件取得費用の返済期間中にローンの金利が上がると、利回りが悪化してしまいます。返済期間が長期間にわたるほど、金利が上昇した際の影響が大きくなるため注意が必要です。
アパート購入時の自己資金比率を高めるか、なるべく早い返済計画を立てることでリスクを低減できます。
アパート経営で儲からない人の特徴3選
自分ではあまり考えず、不動産業者に丸投げしてしまう人は、アパート経営で儲からないおそれがあります。成功率をより高めるには、自分自身でも知識をつけておくことが重要です。
アパート経営で儲からない人の特徴についてご紹介します。どれも難しいことではないので、ポイントを押さえてしっかりと対策しましょう。
不動産投資の勉強を十分にしない人
不動産投資にはある程度の知識が必要です。税制や取得後に必要な経費、投資判断をするうえで必要な利回りなど、必要な知識は多岐にわたります。
信頼のできる不動産業者を見つければ、不足している知識や経験を補うことは可能です。しかし、不動産投資の知識がまったくない状態では、具体的な質問すらできません。最終的な投資判断は自己責任になるため、不動産業者まかせにせず、納得のいく結論を出せるだけの知識は身につけておきましょう。
表面利回りのみで投資判断をしてしまう人
表面利回りのみでは、正しい投資判断はできません。アパート経営の利回りには、表面利回りと実質利回りの2種類があります。投資額と家賃収入のみから算出する表面利回りは、収益性の目安にはなりますが、実際の収益と異なることもあるため注意が必要です。
アパート経営では、初期の投資額以外にも、税金や修繕費用などさまざま出費が伴います。最終的な投資判断をする際は、必要な費用を盛り込んだ実質利回りを確認しましょう。
情報収集をおろそかにする人
アパート経営の成否は、情報収集にかかっているといっても過言ではありません。投資判断をする際は、取得する物件の周辺環境はもちろん、将来的な都市計画も含めてできるだけ多くの情報を集めましょう。
周辺環境の過去の変化や、今後の傾向については、不動産事業者に相談することをおすすめします。自分だけではすべての情報を集めきれません。信頼のできる不動産業者を通じてあらゆる情報を手にいれましょう。
【まとめ】マイナス面をしっかりと把握していればアパート経営は儲かる
アパート経営が儲からないイメージなのは、リスクやデメリットばかりが先行してしまっているためです。正しい知識を身につけ、信頼のおける不動産業者を見つければ、アパート経営はそれほど難しくありません。
むしろ、安定した家賃収入を得られるうえ手元に現物資産が残るため、資産形成として有力な方法の1つです。空室やローン金利の上昇といったマイナス面をしっかりと把握し、対策を立てておくことで、リスクを抑えたアパート経営につながります。老後や将来の資産形成に向けて、ぜひアパート経営を検討してみてくださいね。