不動産投資で、利益を上げるには二つの方法があります。それがインカムゲインとキャピタルゲインです。
この二つはそれぞれ利益の上げ方と税金が異なるため、マンション経営をするサラリーマンオーナーは、違いをしっかり理解しておきましょう。
「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」とは
まず、投資において大事なインカムゲインとキャピタルゲインの意味と特徴についてみていきましょう。
インカムゲインとは、資産を保有することで得られる利益のことです。インカム(income)は定期的に入ってくる収入、所得という意味があります。
得られる利益は少額ですが、安定して収入を得ることが可能。投資元本が減りづらい、損失を被りづらいという安全性、物件所有中に毎月利益を得る安定性という特徴があります。不動産投資においては、毎月の家賃収入がインカムゲインです。
一方のキャピタルゲインは、保有資産を売買することで得られる売買差益のことです。キャピタル(captital)を直訳すると、資本、資金、元金となります。
不動産投資では、マンション購入時の値段より高く売却することで得られる利益を指します。大きな金額の利益を得られますが、投資元本自体が減ってしまうため損失が出るリスクも相応にあると考えましょう。短期間での売買には高い税金がかかるので、プラスマイナスで利益が残らない可能性もあります。
「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」の税金
インカムゲインとキャピタルゲインは、資産の種類や個人か法人かによって税率が異なります。個人が不動産投資を行う場合、税金はどのようになっているのでしょうか。
家賃収入で得られるインカムゲインの場合、個人の給与や年金収入などにかかる所得税率により異なり、5~45%となります。収益から修繕費用や修繕積立金などの必要経費を差し引いた額が課税対象。年間の不動産所得が20万円以下なら申告は不要です。
対して、キャピタルゲインは短期所有と長期所有で税率が大きく異なります。5年未満の短期所有では税率39.63%(所得税30.63%+住民税9%)、5年以上の長期所有だと税率は20.315%(所得税15.315%+住民税5%)です。
東京都内の不動産価格は上昇していますが、キャピタルゲイン狙いの売却となると利益が出るかどうかは非常に判断が難しいでしょう。東京オリンピック前に売却しても、短期所有となるので税率が高く、利益がマイナスになる可能性もあります。
まとめ
不動産投資におけるキャピタルゲイン狙いは、リスクが高いのでおすすめできません。その要因の一つが高い税率にあります。売却時には仲介手数料もかかるので、少しの売却益が出た程度では、トータルで見て利益がまったく残らないということも十分あり得るのです。
このように見ると、不動産投資においては毎月入ってくる家賃収入のインカムゲインを中心に投資戦略を立てていくのが現実的と言えるでしょう。不動産投資をするオーナーは、物件を所有している限り入ってくるインカムゲインを中心に安定して家賃が得られる物件選びや投資計画を練ることが大切です。