不動産投資は、副収入を得たい会社員や公務員におすすめの方法です。一方で気になるのは、会社の副業禁止規定。とくに公務員は法律で副業が制限されているので、規則に抵触しないか心配な方もいるでしょう。
この記事では、不動産投資は副業禁止でも問題ないのか、勤め先にバレてしまうのか、確定申告はどうなるのかといった、給与所得を得ている方が不動産投資を検討する際に気になるポイントを詳しく解説します。問題となる具体的なケースや注意点もご紹介しますので、これまで不動産投資に踏み切れなかった方もぜひ参考にしてくださいね。
もくじ
副業禁止でも不動産投資は可能
副業禁止の会社に勤めていても不動産投資は可能です。また、会社員だけではなく、公務員も同様に不動産投資は禁止されていません。
副業禁止の会社でも不動産投資が許可される理由について解説します。副収入を得るための手段として、不動産投資を検討している方は参考にしてください。
不動産投資は副業ではなく資産運用
不動産投資は副業ではなく、株式投資や投資信託と同様の資産運用です。副業禁止の会社や公務員でも、基本的には問題になりません。
また、不動産投資は、株式投資のように日々の価格変動を気にする必要がなく、収益も安定しています。面倒な管理も専門業者にまかせられるため、本業に支障の出にくい資産運用方法です。
不動産を相続する場合もあるから禁止できない
企業や政府が不動産投資を副業として禁止できない理由は、不動産を相続したなどのやむを得ないケースもあるためです。不動産物件を相続して人に貸し出した場合、結果的に不動産投資と同じ扱いになります。
不動産投資を副業とみなして会社で禁止してしまうと、相続した不動産の売却を強要することにもなりかねません。また、そもそも不動産投資のなかには「売却」も含まれるため、厳密に禁止すると不動産を相続した人が困ってしまいます。
不動産投資が会社員や公務員に向いている3つの理由
不動産投資は、副収入を得たい会社員や公務員に最適な方法です。副業が禁止されていても始めることができ、本業の支障となるおそれもほとんどありません。
会社員や公務員が副収入を得る手段として、不動産投資がおすすめの理由を3つご紹介します。資産形成を始めたい方は、不動産投資をぜひ検討してみてくださいね。
副業が解禁される風潮とはいえ実際は難しい
近年では、政府も副業を推奨するなど、本業とは別の収入源を確保することが注目されています。実際、副業を認める企業は年々増加しており、副業人材の募集をかける企業やマッチングサービスも増えてきました。
一方で、副業を禁止している企業もまだまだ多く存在するのが実情です。また、公務員の場合は法律で厳しい制限が課されているため、検討すらできない人も少なくありません。さらに、仮に副業が許可されていたとしても、本業をやりながら別の仕事をこなすことは大変です。忙しさからそもそも副業に踏み出せない人もいるでしょう。
不動産投資であれば、副業禁止や制限を気にすることなく始められるほか、手間が少なく本業に支障が出にくいため、忙しくて時間のない方にもおすすめです。
区分(ワンルーム)投資なら初期費用も抑えられる
会社員や公務員が不動産投資を始めるのであれば、区分(ワンルーム)投資をおすすめします。区分投資とは、マンション1棟ではなく、1室のみを購入して運用する方法です。1室のみの投資となるので、初期費用を抑えられるうえ、管理の手間もかかりません。
初期費用としてローンを組む場合でも、収入の範囲内で無理なく利用すれば、空室が出て一時的に収益が下がっても対応できます。
将来的な資産形成になる
不動産投資のメリットは、家賃収入による年間の利回りだけではありません。経済状況に左右されにくい現物資産のため、将来にわたり資産を維持できます。
しかも、ローンを完済すれば収益性がさらに向上するので、老後資金の確保手段としても有効です。老後もそのまま保有しつづけていれば、安定した家賃収入が見込めますし、売却してまとまった資金を得ることもできます。
副業禁止の会社で不動産投資をする際の注意点
副業が禁止されている会社で不動産投資をおこなう際には、さまざまな注意点があります。不動産投資をすることは副業にはあたりません。しかし、本業に支障をきたさないようにするなど、マナーを守らなければ社内での立場が悪くなるおそれもあります。
また、条件によっては不動産投資が事業とみなされ、副業禁止の規則に違反してしまうケースもあるので注意が必要です。副業が禁止されている会社で不動産投資をするうえで、気をつけるべきポイントを5つご紹介します。
事前に就業規則を確認しておく
不動産投資を始める前に、必ず就業規則を確認しておきましょう。不動産投資は副業にはあたりませんが、就業規則で副業が禁止されている会社だと、思わぬトラブルに発展するおそれもあるので注意しなければなりません。
たとえば、会社側から副業とみなされて、クビにはならないまでも昇進や昇給に影響したり、嫌がらせを受けたりすることも考えられます。就業規則をみても判断できない場合は、念のため会社に確認しておきましょう。
投資規模を大きくしすぎない
副業ではない不動産投資でも、一定以上の規模を超えると事業とみなされ、副業に該当してしまうおそれがあります。副業禁止の会社に勤務している場合は気をつけましょう。公務員の場合も、一定規模以上の不動産投資が法律で禁止されているので、十分に注意してください。
事業とみなされないための条件として、「5棟10室基準」があります。具体的には、以下のような条件を満たしていなければなりません。
・取り扱い物件数が5棟10室未満
・管理業務は管理会社に委託していること
・年間賃貸収入が500万円未満
ただし、一定規模以上の不動産投資でも、相続によるものなどやむを得ないケースであれば、許可がおりる可能性もあります。一定規模を超える不動産投資をしたい場合は、勤務先に相談し、必ず申請をおこないましょう。
本業に支障が出ないようにする
不動産投資は副業ではありませんが、たとえ副業が禁止されていない会社であっても、本業がおろそかになれば社内での立場が悪くなってしまいます。最悪の場合、退職を迫られることにもなりかねません。
不動産投資をする際は、区分投資から始めるなど、無理のない範囲でおこないましょう。
不動産投資をするなら会社にバレる前提で考えておく
不動産投資をしても問題ないかどうか、事前に会社の了承を得ておきましょう。不動産投資をおこなうと、多くの場合で会社にバレます。なぜなら、一般的に特別徴収として給与天引きとなっている住民税が変わってくるためです。給与所得以外の所得があると、給与以上に住民税の請求がくるため、住民税の処理をしている会社側には知られてしまいます。
普通徴収に切り替えて自分で支払う方法もありますが、住民税の請求が会社にこなくなるため、会社側が変化に気づくという意味では特別徴収の場合と変わりません。トラブルにならないためにも、事前に確認をとっておくと安心です。
確定申告を必ずおこなう
不動産投資をする場合は、確定申告を必ずおこないましょう。不動産投資に限らず、給与所得以外に年間20万円以上の所得がある場合は、確定申告をして納税する義務があります。
確定申告にはメリットもあります。不動産所得が赤字の場合、本業の給与所得を通算することで、所得税と住民税を軽減することが可能です。また、建物取得時の費用を減価償却費として経費計上すれば、不動産所得を見かけ上の赤字にできる場合もあります。
会社員や公務員が不動産投資を始める5ステップ
不動産投資に興味のある方は、必要な準備や具体的な流れについて一度考えてみることをおすすめします。実際に計画を練ることで、不動産投資のイメージが明確となるほか、新たな知識の習得にもつながるでしょう。
最後に初心者の方にもわかりやすく、不動産投資を始める手順をご紹介します。すでにある程度の知識を身に付けている方も、改めてご覧ください。
ステップ1:不動産投資について情報収集をする
不動産投資を成功させるためには、事前の情報収集が欠かせません。収益をあげる仕組みや税制面といった基本的な知識から、発生する費用、投資判断の材料など、必要な知識や情報は多岐にわたります。
最終的にはプロの不動産業者から購入するため、すべての知識は必要ありません。しかし、ある程度の知識をもっておくことで、信頼のできる不動産業者を見つけやすくなります。
情報収集の方法には、本やインターネットの活用や、セミナーへの参加などがあります。不動産業者に直接相談するのもいいでしょう。会社員でなかなか時間がとれない方も、スキマ時間を活用して最低限の知識を身につけておくことが大切です。
ステップ2:信頼のできる不動産業者を探す
不動産投資をする際は、早い段階で信頼のできる不動産業者を見つけることが大切です。より綿密な投資計画を立てるためには、プロである不動産業者のサポートが欠かせません。
不動産業者は、営業年数や事業規模、取り扱い物件数などの情報から信頼性を判断しましょう。長期間事業が継続している会社は、それだけ顧客の信頼を得ているといえます。また、事業規模が大きいほど物件数も多い可能性が高く、不動産投資のパートナーとして最適です。信頼のできる不動産業者が見つかれば、不動産投資の力強いパートナーになってくれます。
ステップ3:投資の目的や目標を明確に決める
投資の目的や目標を事前に決めておくことも重要です。目的や目標が明確になっていないまま不動産投資を始めると、資金計画もあいまいになってしまい、無駄な投資にもつながりかねません。
準備できる自己資金やローン金額、希望する利回りや投資期間などを明確にしておきましょう。不動産の購入時には大きな金額が動くため、普段は大金に感じている50万円や100万円が誤差に思えてしまうこともあります。無理のない投資計画を立てるためには、予算や目的をしっかりと決めておくことが重要です。
ステップ4:不動産業者と相談しながら資金計画を立てる
資金計画を立てる際は、必ず不動産業者に相談しましょう。ローンと自己資金のバランスは妥当か、初期費用後の費用はいくら必要になるのか、空室リスクはどの程度みておくべきかといった細かい点を、1人で正確に見積もることは困難です。とくに本業のある会社員や公務員にとっては、リサーチすることが多いと大きな負担になってしまいます。
不動産事業者に相談すれば、多くの事例と専門的な知識に基づいてアドバイスをもらえるので、より現実的かつ具体的な計画を立てられます。
ステップ5:物件を購入して運用を始める
ステップの最後は物件の購入です。物件を購入する際は、内覧のスケジュール調整や購入物件の最終的な見積もり取得、ローンの審査や書類の作成などで意外と時間がかかります。気にいった物件を逃さないためにも、早めの行動を意識することが大切です。
ステップ4までを通じて徹底的に情報収集や計画を立てる理由は、物件購入時のスピードをあげるためでもあります。希望のタイミングですぐに投資を始められるよう、不動産業者と相談しながら事前準備を進めておきましょう。
【まとめ】副業が禁止されている場合や何をすべきかわからないときは不動産投資を検討
不動産投資は、会社員や公務員が副収入を得る手段として最適です。収入の向上や将来への備えのために、近年では副業を始める人も増加しています。しかし、副業が禁止されている会社もまだ多く存在します。たとえ許可されていてもなかなか思うような仕事が見つからないなど、副業を始めることは簡単ではありません。
基本的に不動産投資は副業にはあたらないため、副業が禁止されていても安心して始められます。収益も安定しており、将来に向けた資産形成としてもおすすめです。また、ほとんど手間がかからず本業に影響しにくい点も、会社員や公務員が不動産投資を始めるメリットです。さらに、本業の給与所得がある場合は節税効果も見込めます。
副業ができない方や、思うように始められない方は、副収入と資産形成のためにぜひ不動産投資を検討してみてくださいね。