近年、資産を増やす方法として投資が話題となっています。なかでもとくに注目を集めているのがマンション投資です。しかし、「どうしたらマンションオーナーになれるのか」「具体的な仕事内容や収支は?」といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、マンションオーナーになる方法やオーナーとしての収支、仕事内容などについて解説します。マンションオーナーとして成功するための注意点についても触れていますので、マンション投資に興味がある方はぜひ参考にしてください。
1.マンションオーナーになる方法
マンションオーナーになるのは、実はそれほど難しくありません。不動産業者選びさえうまくいけば、そのあとは実際にマンションを購入するのみです。
マンションオーナーになるために最低限必要なことを2つご紹介します。
信頼できる不動産業者を見つける
マンションオーナーになるためには、信頼できる不動産業者を見つけることが大切です。自分で物件を探すこともできますが、多くの場合は不動産業者経由でマンションを購入するため、不動産業者はなるべく早い段階で見つけておきましょう。
不動産業者の信頼性を判断するポイントは、開示されている情報です。資本金額や従業員数といった会社の規模感と、事業年数や実績による経験などから、ある程度は判断が可能です。
マンションを購入する
信頼できる不動産業者が見つかれば、あとはマンションを購入するだけです。
しかし、マンションは決して安い買い物ではありません。資金の準備が難しい場合や、購入に踏み切れない場合は、区分投資がおすすめです。
1部屋単位で不動産を購入する区分投資であれば、1棟投資よりも初期費用を抑えられます。また、ローンを組む際も無理のない返済計画を立てることが可能です。さらに、土地取得や建築許可の取得といった複雑な手続きも必要ありません。
2.マンションオーナーの収支
マンションオーナーを目指すうえでもっとも気になる収支についてご紹介します。マンションオーナーのおもな収入は家賃です。また、支出についてもしっかりと把握しておきましょう。
家賃が収入の中心
マンションオーナーの収入の中心は家賃です。家賃の他にも、敷金や礼金などがオーナーの収入となります。また、マンションの敷地内に自動販売機を設置したり、月極駐車場を用意したりすれば、さらなる収入を確保することが可能です。
入居者がいる限り、マンションオーナーは家賃を毎月得られるため、長期的に安定した収入が期待できます。
支出をしっかりと把握しておく
マンションを運営していく以上、収入だけではなく支出の発生も避けられません。マンションオーナーは支出項目もしっかりと把握しておく必要があります。
もっとも大きな支出はマンションの修繕費用です。不動産物件は必ず経年劣化します。物件価値や家賃をできるだけ低下させないためには、定期的な修繕が欠かせません。また、場合によっては台風などの被害に対する修繕も必要です。
区分投資としてワンルームマンションを購入した場合は、管理費や修繕積立金が発生します。
3.マンションオーナーの仕事内容
マンションオーナーとしての仕事は、入居者の管理や物件の清掃・修繕など多岐にわたります。無理なく取り組めるかを判断するためにも、どういった仕事が必要になるのかを、マンションオーナーになる前に把握しておきましょう。
マンションオーナーの仕事内容を具体的にご紹介します。
入居者募集はもっとも重要な業務
マンションオーナーにとって、入居者募集はもっとも重要な業務です。入居者がいなければ家賃収入は得られません。つまり入居者募集の内容が、マンションの収益に直結するということです。
とくに、周辺にマンションが多い地域であれば、競合よりも魅力的な条件での入居募集が求められます。どの程度の家賃水準であれば許容できるか、共益費や敷金などで競合に差をつけられないかなど、慎重に検討しましょう。
物件価値を維持する共用部分の清掃や点検と修繕
マンションの価値を維持するためには、日頃の清掃や点検、修繕が欠かせません。物件価値や家賃をできるだけ低下させないよう適切に管理することも、マンションオーナーの重要な業務です。
マンションには法律で定められた点検や、機器の交換といったメンテナンスも必要になります。とくに、2000年以降に建築されたマンションは法令等が整備されており、しっかりとした大規模修繕計画が立てられるようになりました。大規模修繕は、設備の耐用年数に合わせて10〜15年単位でおこなわれるのが一般的です。
大規模修繕を定期的かつ計画的におこなうことで、快適な住環境が整い、物件価値の維持につながります。
家賃回収がうまくいかない場合は督促もおこなう
たとえマンションが満室でも、家賃回収がうまくいかなければ収入は得られません。家賃滞納者に対して督促をおこなうことも、オーナーにとって大事な業務です。
万が一、家賃滞納が発生した際には速やかな対応が必要です。滞納期間が長くなるほど、入居者側も支払いが難しくなってしまいます。家賃を滞納したまま強制退去になってしまうと、滞納分の家賃だけではなく、居室の修繕費用もほとんど回収できなくなるおそれがあります。
家賃滞納のリスクを減らすために、日頃から入居者の状況を把握しておくことが大切です。
入居者のクレームやトラブル処理
マンションでは、入居者間のトラブルが発生することも少なくありません。「隣の部屋から毎晩大音量の音楽が流れてくる」「敷地内にゴミが放置されている」など、ほかの入居者からクレームが入ることもあるでしょう。このようなトラブルには、迅速な対応が必要です。
たとえば、入居審査では問題なかった入居者が実は反社会的勢力の一員であったり、日本に留学しているはずの外国籍の方が不法滞在していたりする事例があります。そのうえ、トラブルが起こった場合でも法的には借り主の立場が強いため、簡単にはいきません。
マンションオーナーとして入居者のクレームやトラブルを未然に防ぐためには、日頃から入居者と良好な関係を築いておく必要があるでしょう。
入居者退去時は次の入居に備える
基本的にマンションは物件価値が高いので入居者が集まりやすく、入居者退去のリスクはあまり高くありません。しかし、入居者が退去する際には次の入居に備えて、修繕するための原状回復が必要です。
1998年に国土交通省によって策定されたガイドラインによると「原状回復とは借り主の故意や過失によるもの、通常の使用の範囲を超えた使用によるものについて復旧をすること」と定められています。
ただし、経年変化や通常の使用による損耗や毀損の修繕については賃料に含まれている、つまりオーナーに修繕義務があるというのが国の指針です。
クロスの張り替えやインターホンの補修など、前入居者の使用状況によっては高額な費用がかかるおそれもあります。入居者退去時には一定の管理費がかかることを覚えておきましょう。
管理会社への委託で手間を最小限にできる
マンションオーナーとして、すべての仕事をこなすのは大変です。会社員など本業がある方の場合は、時間的な制約もあります。そこで、マンションの管理業務を管理会社へ委託することも検討しましょう。
マンションの清掃や設備のメンテナンス、入居者募集や家賃の回収など、ほとんどの業務を委託できるため、手間と時間を削減できます。
4.マンションオーナーとして成功するための注意点
マンションを上手に経営するには、情報収集が欠かせません。実際にマンションを購入する前に、オーナーとして成功するための注意点をチェックしておきましょう。
ローンを組む際は金額に注意
マンションを購入する際には、多額の費用が必要となります。ローンを組んで購入資金を用意する場合は、自己資金とローンの金額比率に注意しましょう。借入額や収益性によっては、返済が重荷になってしまうこともあります。
マンションを取得したあとも、物件の修繕などで一定の出費があります。無理のない返済計画を立てるようにしましょう。
立地や築年数など条件の良い物件を選ぶ
マンションオーナーとして成功するためには、条件の良い物件を選ぶことが大切です。とくに立地や築年数といった条件が重要となります。
立地は得られる家賃の高低だけではなく、部屋の稼働率にも大きく影響します。電車やバスなどの交通インフラや商業施設などの生活利便性、既存物件の居住者の家族構成や年齢層など、可能な限り入念に調査しておきましょう。
立地が悪い場合や築年数が古い場合は、家賃が安くなければ借り手がつきません。周辺物件の家賃も確認し、収入のシミュレーションをしっかりとおこなってみてください。
投資計画をしっかりと立てる
実際にマンションを購入する前に、投資計画を念入りに立てておきましょう。投資計画には、修繕費用や不測の事態に対する出費も盛り込んでおくことが大切です。
そして投資計画を立てる際は、多くの経験をもつプロの意見が欠かせません。信頼できる不動産業者のアドバイスを受けながら、余裕のある投資計画を立てることをおすすめします。
なお、区分投資であれば、建物自体の損耗に対する修繕費用は管理費でまかなわれます。資金に余裕がなければ、区分投資も選択肢に入ってくるでしょう。
5.【まとめ】マンションオーナーは誰でもなれる
物件さえ取得すれば、マンションオーナーには誰でもなれます。マンションオーナーの仕事内容は多岐にわたりますが、管理会社に委託して物件の管理を最小限に留めることも可能です。
また、物件の取得・管理には信頼できる不動産業者の存在が欠かせません。不動産業者としっかり信頼関係を築いて、マンションオーナーとしての成功を目指しましょう。