不動産投資を行う際、多くの方は銀行の融資を利用されるでしょう。ここで気になるのが頭金の存在。いったいどの程度の額が必要になるのでしょうか? そこで今回は、頭金に関する基礎知識をまとめてみました。
もくじ
不動産投資を行う対象・種類について
一口に不動産と言っても、その物件の種類や条件によって投資の考え方は異なります。以下では、頭金という観点からそれぞれの特徴を見ていきましょう。
1.新築と中古
多くの場合、中古物件というのは価格が安いので頭金は安くなります。しかし、新築に比べると耐用年数が短く、入居者募集に工夫が必要といったデメリットがあります。
2.アパートとマンション
基本的にアパートはマンションよりも建物・設備のグレードが低いため、物件価格は安価であり頭金も安くなります。しかし、アパートは劣化が早く、メンテナンスの回数も多いので手間やコストがかかります。空室リスクも、アパートの方が高くなりがちです。
3.一棟と一室(区分所有)
マンションを一棟購入するにはかなり大きな金額が必要です。頭金もかなりの額になることを覚悟しましょう。一方、マンションの一室に投資を行うのはもっとも手軽な方法です。頭金が少ない、もしくはゼロというケースも考えられます。
それぞれのローンと考え方
頭金が必要になるケースは、基本的に融資が前提です。しかし、融資にもいくつかの種類があり、それぞれで必要な自己資金が異なります。
1.一般的なローンの場合(物件価格の1〜3割+諸経費)
銀行からの一般的な融資を受ける場合、頭金として用意するのは1〜3割程度が妥当と言われています。もちろん、条件次第で比率は変わりますが、基本的にはこの程度を見込んでおくようにしましょう。なお、頭金とは別に諸経費がかかることを覚えておきましょう。
2.フルローンの場合(諸経費)
物件価格に対して10割の融資を銀行から受けることを、一般的にフルローンと言います。この場合、頭金は確かに必要ありませんが、7〜15%の程度の諸経費が必要となります。たとえば3,000万円の一棟アパートを購入した場合は210万円以上の初期費用が必要ということです。
3.オーバーローンの場合(自己資金ゼロ)
リフォームローンなどを組み合わせ、物件価格以上の額の借入を行うことをオーバーローンと呼びます。この場合、諸経費等も含めて借入で賄えるため、頭金は完全にゼロとなります。もちろん、借入額が大きい分都度の返済の負担が大きくなったり、期間が長くなったりすることは覚えておきましょう。
まとめ
このように、不動産投資で必要な頭金というのは、どのような物件を、どのような融資を使って購入するかで大きく異なります。大切なのは、賃貸経営のイメージをしっかりと固め、そのうえでどのように返済を行うかを計画的に考えることです。物件選びの際には、慎重に考えるようにしましょう。