ビットコインをはじめとする電子マネーを、日本で初めて法律内で規定した「改正資金決済法」が施行されたのが2018年4月1日。「仮想通貨」が一般的な貨幣と同等の財産的価値を持つ「通貨」と国が認めたことで、いよいよその存在が一般の人にもよく知られるようになりました。
おそらく、不動産投資を始めようという方にとっても、この仮想通貨は気になる存在でしょう。では、果たして仮想通貨は初心者にとって投資に値するのでしょうか。ここでは、マンション経営など不動産投資との比較によりそこに潜むリスクについて考えてみます。
価格が乱高下する仮想通貨。投機的要素が強く素人が手を出すにはキケン
今、新聞の経済欄を賑わすニュースと言えば、やはり仮想通貨。しかし、話題になるというのはそれだけ日々市場がめまぐるしく変化しているということでもあります。
たとえばビットコインでは2016年7月9日の終値が1ビットコイン66,794円でしたが、2017年3月10 日の終値 では145,790円と、ドルベースで2013年以来の史上最高価格を付けるところまで値上がりしました。「値上がりしたんだからいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、1年にも満たない間に約2.2倍にもなるということは、逆に価値の下落が起きるときも急激な動きを伴うということ。「ギャンブルの要素が刺激的でたまらない」という方はともかく、あまりに投機的要素が強くて素人がおいそれと手を出すのはキケンです。
仮想通貨で儲けが出ても「雑所得」となり、高い税金が課せられる
冒頭で述べた「改正資金決済法」によって、これまで「お金のようなモノ」として扱われてきた仮想通貨はれっきとした「通貨」として認められました。つまり、仮想通貨を運用して利益が出たら、その時点で課税=所得税が発生するということ。しかも、原則として「雑所得」として扱われるので課税率も相応に高くなります。たとえば、195万円までは5%ですが、1,800万円儲けたとすると40%となり、半分近くが税金として持っていかれます。値上がりするときは一気に値上がりする仮想通貨ですが、利益確定と同時に儲けに応じた高額な課税が発生することを考えると、高いリスクの割にうまみはそれほどでもないとも言えます。
安全に資産形成を図るなら不動産投資。節税効果も◎
では、不動産投資はどうでしょうか。まず市場の安定性は仮想通貨とは比較にならないほど良好です。もちろん、景気動向に左右される面はありますが、不景気だからといって、都市部の人気エリアにあるマンションの家賃がガクンと大幅に下がるということは過去にありません。要は、資産価値を維持しやすい物件に投資すれば、この点は問題ないということです。
また、利益確定後すぐに課税額が決まってしまう仮想通貨と違って、不動産投資で得た利益は確定申告によって節税が可能なので、うまく対策すれば20%程度の税金で済みます。もちろん、前述のように仮想通貨ではそうはいきません。そもそも不動産の課税額は実勢価格よりも大幅に低い路線価や固定資産税評価額によって決まるので、時価=額面が丸々課税対象となる現金や有価証券よりも節税対策としてはるかに有利。せっかくの儲けを半分近くゴソっと持っていかれる仮想通貨よりも、不動産で資産運用するほうがより賢い選択だと言えるでしょう。
まとめ
多少のリスクを取ってでも現有の資産を何倍にもしたいと考えるなら、確かに仮想通貨は魅力的かもしれません。ただし、失敗したときの痛手は相当なものだと覚悟しておく必要があるでしょう。一方、将来に向け着実に資産運用したいのなら、やはり安全性が高く、節税対策にもなる不動産投資、マンション経営がおすすめです。