不動産投資のメリットを語る上で頻出するのが「安定性」というキーワードです。しかし、政治や経済情勢の変化も少なくない今、本当にこの特徴は信じられるものなのでしょうか? そこで今回は、近畿圏中古マンションの成約平均価格や、土地成約平米単価の動向・推移を基に、その実情を探っていきます。
近畿圏中古マンションの成約平均価格
近畿圏レインズが運営する「Real Time Eyes」のサイト内で発表された、中古マンションレポートの内容を基に解説を進めていきます。
まずは成約平均価格について。平成27年7月から平成29年6月までの平均価格を見ていくと、結果は約1,996万円でした。もっとも低かったのは平成27年の7〜9月で1,913万円。もっとも高かったのは、平成29年1〜3月の2,088万円です。
上記だけを見ても、いかに成約平均価格が安定しているかが分かります。むしろ高騰している傾向にあるとも言えるでしょう。キャピタルゲインによる大きな収益を狙えるほどではありませんが、資産価値が落ちて大きな損をする、ということはなさそうです。
ちなみに、同期間中の成約件数は平均で4,305件。こちらについては、7〜9月に件数が落ち込む傾向があるものの、全体として大きな変動はありません。それだけ多くの取引が行われていることを物語っています。
近畿圏中古マンションの成約平米単価
次に、成約平米単価の推移についても、同じく近畿圏レインズが発表している平成28年6月〜平成29年6月までのデータを基に、確認していきましょう。
まずは全体の成約平米単価について。平均は29.6万円でした。変動はほとんど見られず、もっとも安いのが平成28年8月の28.8万円、高いのが平成29年3月の30.5万円です。振れ幅としては1.7万円ということになります。
次に、平均価格についても見てみましょう。同時期での全体の平均は2,073万円。平成29年3月に2,111万円を記録し、若干高くはなるものの、ほぼ安定した価格で推移しています。なお、全体の平均面積については68.9平米。こちらも、ほぼ横ばいです。
まとめ
不動産物件の場合、成約平均価格や成約平米単価ともに、急激な上昇・下落というものは見られませんでした。トランプ政権の発足や東芝による7,000億円規模の損失が発覚した平成27年1月であっても、大きなインパクトは見られません。こうした背景からも、いかに不動産投資が安心できる投資方法であるかが分かります。