不動産投資で資産運用をするときに最も重要な物件選びですが、「平米単価」と「年収倍率」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。投資する価値のある魅力的な物件について考える時の、「魅力」とは何かを判断する一つの目安にもなります。
今回は「平米単価」と「年収倍率」という視点から、不動産投資について考えていきます。
都道府県別の年収倍率を知ろう
年収倍率とは、購入する物件の価格が年収の何倍にあたるのかを示す数値です。いわゆるマイホームの購入の際には、融資の基準は4~5倍程度と言われています。融資を受ける人の職業や年齢、景気動向などによっても変化しますが、年収が500万円の人であれば、2000万~2500万円までは融資を受けやすいというように考えることができます。
この年収倍率は都道府県によって値にかなりの差があります。2016年のデータで、最も高いのは京都府の12.94倍、ついで神奈川県の11.70倍となっています。年収倍率の高さは、不動産価格が高いという場合の他に、平均年収が低いために高くなるという場合もあります。2016年のデータでも第4位に秋田県、第9位に和歌山県、第10位に青森県が入っています。神奈川県の平均年収が500万円台であるのに対し、この4県はいずれも年収は300万円台となっています。
平米単価とは、いわゆる坪単価と考え方は同じで、平米あたりの価格がいくらになるかという数値です。この値が高いほど物件自体が高級であるとか地価の高い地域であると判断できます。価格帯が同じ物件であっても、間取りや広さが異なりますから、単に販売価格だけで判断することはできません。平米単価を見ることで、物件の価値を知る手がかりを得ることができます。
ねらい目は大阪府
さて、上述したことを踏まえ、狙い目の都道府県はどこなのか考えてみましょう。まず、年収倍率が1位の京都。京都は富裕層向けの高級物件の販売も多いことから、年収倍率が高くなっていると考えることができます。同じ関西圏でも主要都市の大阪では、年収倍率は8.11倍です。平米単価で考えると、京都が約83.5万円であるのに対し、大阪は63.9万円となっています。
不動産投資の専門家ではなく、一般的な会社員などが不動産投資での資産運用を考える場合、京都や首都圏のように年収倍率の高い物件への投資にはリスクが伴いますし、金融機関からの融資も受けにくくなる可能性があります。
一方、大阪は人口、商業規模等から見ても関西地域の最主要都市ですが、京都や首都圏と比べても年収倍率は低く、平米単価も兵庫県と同レベルなので、不動産投資を始めやすい環境にあると考えることができます。
まとめ
年収倍率と平米単価の考え方について、ご理解いただけたでしょうか。資産運用をするにあたっては、できるだけ多くの情報を集め、多角的に分析することが大切です。年収倍率と平米単価についても、不動産投資の参考にしてみてください。