不動産投資は「長期的に安定した賃貸収入を得る」ことが目的です。不動産には1つとして同じ物件はないので、投資する際には収益やリスクについて、しっかり分析することが欠かせません。そのための重要な作業が収支シミュレーションです。
収支シミュレーションの基本は、不動産賃貸における毎月の収支を試算することで、それをベースに、投資期間中に得られるキャッシュフローの総額や資産価値の変動、売却する場合のタイミングなどの予測も可能です。
この記事では、不動産投資に不可欠な収支シミュレーションの方法やそのために必要な情報、正確な予測をするためのポイントなどを解説します。
もくじ
シミュレーションの前に│計算に必要となる基礎知識
不動産投資の収支シミュレーションには、さまざまな専門用語が出てきます。用語の意味を理解ことは、シミュレーションを効率的に行うためだけでなく、結果を分析するためにも必要です。ここでは、シミュレーションの前提として、不動産投資物件の種類と知っておくべき用語について説明します。
不動産投資の物件の種類
不動産は通常、築年数を基準とした「新築・中古」、権利関係を基準とした「区分・一棟」によって分類されます。新築・中古については違いを説明するまでもないと思います。「区分」とは、分譲マンションのように1つの土地・建物の権利を複数で所有するものです。逆に、1つの土地・建物の権利を1人で所有するのが「一棟」です。
2つの基準軸を組み合わせた、「新築・区分」「新築・一棟」「中古・区分」「中古・一棟」の4つが基本的な不動産の種類で、それぞれに不動産投資物件としての特徴があります。
例えば、新築・一棟物件は収入を大きくできるものの、価格が高くなるため利回りは低くなりがちです。逆に、中古・一棟物件は高利回りを期待できる一方で、維持管理費が高くなります。種類ごとの特徴を理解していれば、効率的に物件選びができるでしょう。
シミュレーションに必要な資金関連の用語
不動産投資の収支シミュレーションには、さまざまな資金関連の用語が出てきます。主な用語は以下のようなものです。
- 諸経費率:家賃収入に対する管理費、修繕費、修繕積立金、固定資産税など諸経費の割合です。通常、建物の経年劣化などによって諸経費率は上昇します。
- 頭金:物件購入時に自己資金で支払う費用です。頭金はローンの審査に影響します。
- 借入金額:物件購入時に借入をしたローンの総額、いわゆる「元金」です。
- 借入金利:ローンの金利です。固定金利と変動金利があります。変動金利では景気や物価の影響により金利が上下します。
- 借入期間(ローン年数):借入金の返済が終了するまでの年数です。物件の条件や耐用年数、個人の信用力などによって、同じ金額でも借入できる期間が異なります。
- 毎月返済額:毎月のローン返済額です。同じ借入金額でも借入金利・借入期間により金額が変わります。
- 年間返済額:1年間のローン返済額です。
- 返済総額:借入金額に利息分を含めたローンの支払総額です。
シミュレーションに必要な家賃収入関連の用語
収支シミュレーションを行うには、家賃収入関連の用語についても知っておく必要があります。用語は、以下のようなものです。
- 想定平均月額家賃:マンション・アパートを建物単位で購入する場合は、空室率を加味した平均家賃収入額を用います。区分所有マンションの場合も、転居などにより入居者がいない期間を加味して計算します。
- 年間家賃収入:1年間で得られる家賃収入の総額です。
- 年間諸経費:1年間で発生する諸経費の総額です。諸経費に含まれるのは管理費、修繕費、修繕積立金、固定資産税などです。
- 年間支出:年間のローン返済額と諸経費を合計したものです。一棟マンションの場合は10~15年で発生する大規模修繕費も考慮する必要があります。
- 年間手取金額(キャッシュフロー):年間収入から年間支出を差し引いた金額です。
- 利回り:満室想定で得られる年間家賃収入の物件価格に対する割合です。表面利回りとも言います。
- 実質利回り:諸経費と空室率を考慮した現実的な利回りです。年間家賃収入から年間諸経費を引いたものを、物件価格で割って求めます。
- 返済後利回り:諸経費に加えローン返済額も考慮した利回りです。年間家賃収入から年間支出を引いたものを、物件価格で割って求めます。
不動産投資のシミュレーションをする際に必要なこと
チラシやWebサイトなどに掲載されている物件情報だけでは、精度の高いシミュレーションを行えません。価格相場や物件の詳細データなど、収支に関係するさまざまな情報を収集することで、現実的なシミュレーションを行えるようになります。
物件情報の詳細を把握する
購入金額や建物の広さ、間取り、周辺環境など、投資物件に関する詳細な情報を集めます。以下に挙げるような情報をできるだけ集めるようにしましょう。
- 購入金額:物件本体の価格以外に、諸費用がかかります。詳しくは次の項目で説明します。
- 土地の特徴:土地の特徴は、売却時に得られるキャピタルゲインに関係します。特に、土地面積が広い一棟建てのマンション・アパートでは、資産価値に占める土地の割合が高いため、土地の特徴を把握しておくことが重要です。
- 建物の広さ・構造:構造の違い(鉄骨造なのかRC造なのか)で、家賃や大規模修繕費などが変わります。
- 間取り:家賃に影響するほか、需要予測にも役立ちます。
- 賃貸履歴:中古の場合、過去の賃貸履歴がわかれば、家賃の空室率の精度を高められます。
- 周辺情報:エリアの賃貸需要や家賃相場を把握します。
- 修繕履歴:中古の場合、過去の修繕履歴から大規模修繕のタイミングや修繕費の見通しが立てやすくなります。
物件の購入にかかる費用を把握する
物件本体の価格以外に、購入時に発生するさまざまな費用を、まとめて「諸費用」と言います。諸費用に該当するのは以下のものです。
- 印紙税:不動産売買契約書やローンを組む際の金銭消費貸借契約書は課税文書となるため、収入印紙を貼付して印紙税を納付する義務があります。
- 仲介手数料:不動産会社に対する物件購入の仲介手数料です。法律で上限が決まっており、簡易計算により「物件価格×3% + 6万円」を用いるのが一般的です。
- 不動産取得税:不動産購入するときに生じる税金です。固定資産税評価額の4%が課税されます(2023年3月31日までは軽減特例により土地については3%)。納税のタイミングが物件購入から半年~1年後になることに注意しましょう。
- 固定資産税/都市計画税の清算金:購入物件の固定資産税と都市計画税については、日割計算をして売り主に支払います。
固定資産税額を把握する
固定資産税は所有する不動産にかかるもので、精度の高いシミュレーションを行うためには、正確に固定資産税額を把握しておくことが必要です。
固定資産税は、「課税標準額×固定資産税税率(通常1.4%)」で計算されます。課税標準額は、土地・建物それぞれの固定資産税評価額から算出されます。
建物については通常、固定資産税評価額と課税標準額は一致するため、固定資産税=建物評価額×固定資産税税率(通常1.4%)で計算されます。建物評価額の計算式はかなり複雑なため、購入価格の70%として計算する方法が一般的に使われています。
土地の固定資産税評価額は、固定資産税路線価に土地面積をかけて算出します。路線価とは、路線ごとに設定されている1㎡当たりの評価額のことで、その路線に面する宅地の評価などに用いられます。固定資産税評価額に、住宅用地に対する特例措置や負担調整措置などを行い課税標準額が決まります。
なお、土地の固定資産税評価額は地価公示価格の7割を目安に、3年ごとに評価替えが行われます。周辺環境の変化などによって固定資産税評価額(固定資産税額も)が変動することに注意しましょう。
類似条件の物件売買価格を把握する
物件を購入する前に、周辺エリアにある類似条件の物件について、売買価格や家賃、空室率などを徹底的に調査します。周辺エリア賃貸需要や家賃相場も調べましょう。賃貸需要が少ないために安かったり、人気が高いため高値になっていたりするケースがあるからです。
家賃や空室率など、類似物件の賃貸情報を正確に把握することで、精度の高い収支シミュレーションが行えます。
精度が高い計算には知識やツールが必要となる
物件に関する正確な情報を集めることは大切ですが、それだけで精度の高い収支シミュレーションが行えるわけではありません。せっかく用意した情報を正しく扱うためには、会計や税務の専門知識が必要です。また、計算も複雑になります。
専門家でない人が精度の高い収支シミュレーションを行うには、シミュレーション専用のツールを使うことをおすすめします。
不動産投資の収支シミュレーションの方法と例
ここでは、大まかな収支を把握するのに役立つ簡易的なシミュレーションの方法を紹介してから、具体的なシミュレーションの事例について解説します。「どのような結果が出るのか。その結果が持つ意味をどう判断したらいいのか」を考えてみましょう。
シミュレーションの事例では、結果として示す項目を一般的によく使われる指標に絞りましたが、実際にはもっとさまざまな項目が算出されます。
簡易的な収支シミュレーションは「収益-支出」で計算
本格的なシミュレーションのために必要な情報を集めるのは、手間暇がかかります。大まかな収支を把握することが目的であれば、簡易的な収支シミュレーションを使うのもひとつの方法です。
例えば、「利益=収益-支出」で計算する方法です。この計算で使う収益は家賃収入で、支出はローン返済額(元本と利息の支払い)と物件管理にかかる諸経費などですから、「利益」は企業会計での「粗利」にあたると考えればいいでしょう。
毎月の家賃収入100万円、ローン返済額40万円、物件管理の諸経費50万円とした場合について、簡易的な収支シミュレーションを行ってみます。
=100万円-(40万円+50万円)=10万円
この投資の1か月の収支(利益)は10万円となります。
中古一棟マンションを購入する場合の計算例
中古一棟マンションを購入する場合について、以下の条件でシミュレーションをしてみましょう。
自己資金:3,000万円
借入金額:1億7,000万円
借入期間:25年
金利:3.2%
年間収入:1,500万円(空室率0%)
諸経費:300万円
結果は以下のようになります。
年間支出(ローン返済+諸経費):1,289万円
年間手取収入(年間収入-年間支出):211万円
表面利回り(年間家賃収入÷総投資額):7.5%
実質利回り((年間家賃収入-年間諸経費)÷総投資額):6.0%
返済後利回り(年間手取収入÷総投資額):1.1%
ローンの返済分も支払った手取収入(キャッシュフロー)が年間200万円以上になるので、悪くない投資のように思えます。ただし、満室想定は現実的ではないので、空室率を15%としてもう一度シミュレーションをすると、以下の項目が変わります。
実質利回り((年間家賃収入-年間諸経費)÷総投資額):4.9%
返済後利回り(年間手取収入÷総投資額):-0.1%
年間のキャッシュフローが赤字になってしまいました。この結果から、空室率を10%以内に抑えないと、安定した収益は得られないことがわかります。仮にこのマンションの戸数が10戸だとすると、1戸が1年間か合計12か月分の空室までは耐え得るということです。
新築区分マンションを購入する場合の計算例
次に、新築区分マンションを購入する場合について、以下の条件でシミュレーションをしてみます。
自己資金:300万円
借入金額:2,200万円
借入期間:25年
金利:3.2%
年間収入:168万円(満室想定)
諸経費:33万6,000円
結果は以下のようになります。
年間支出:161万5,560円
年間手取収入:6万4,440円
表面利回り:6.8%
実質利回り:5.4%
返済後利回り:0.3%
満室想定で年間手取収入がわずか6万4,440円です。再計算するまでもなく、この条件で投資するのは難しいと言えます。ちなみに、条件を変えて複数のシミュレーションを行ってみると、「自己資金(借入額)と金利」「収入と金利」など、複数の項目を改善しないと安定的な収益は上がらないことがわかりました。
不動産投資の収支シミュレーションのコツ
シミュレーションは、入力した数値に対する計算結果であるため、前の項目で見たように、1回行っただけで、投資判断に必要なすべての分析ができるわけではありません。ここでは、より正確なシミュレーションを行い、投資判断に利用するポイントを説明します。
確実な要素と不確実な要素を明確にする
シミュレーションは、入力する数値をどう設定するかによって結果が大きく変わります。確実な要素と不確実な要素が明確になっていれば、シミュレーションの結果を的確にマネジメントでき、リスクを最小限に抑えることができます。
例えば、中古一棟売りマンションの場合、現在の家賃や空室率がわかれば確度の高い数値として利用できます。逆に、新築では家賃や空室率を想定するしかないので、近隣の相場調査などから確度の高い数値を導けるかがポイントです。
複数のパターンを想定する
シミュレーションは、いい結果が出たとしても、条件設定を変えてさまざまなパターンを確認しましょう。複数のパターンを確認することで、リスクが明確になったり、投資の見え方が広がったりするからです。
例えば、前に示した中古一棟売りマンションのケースでは、2回のシミュレーションを行うことで、「空室率が10%以上になると危うい」というリスクが明らかになりました。あるいは、資金的に難しいようなケースでは、頭金や金利を変えた複数のパターンを計算することによって、投資をできる条件が明確になることがあります。
シミュレーション結果として表示されない項目も確認する
シミュレーションの計算結果として出力される項目は、ツールによって異なります。ツールを選ぶ際には、設定できる条件や出力項目について、よく確認することをおすすめします。
また、項目はあっても思ったような設定ができないということもあります。例えば、「変動金利を利用した場合について計算したいが、固定金利しか設定できない」「繰上返済をした場合のキャッシュフローを確認したいが、均等返済の計算しかできない」といったことです。
こうした場合、対応したツールに変えてシミュレーションをし直すか、その部分だけ自分で計算して確認することになります。
突発的な出費があっても対応できるかを確認する
不動産投資では、災害による破損や設備機器の故障、環境変化による空室率の上昇など、突発的に大きな出費が必要となることが起こり得ます。発生する可能性のある出費を確認して、対応できるだけのキャッシュフローを生み出せるか、あるいはどれくらいの自己資金を要しておけばいいのかをシミュレーションで確認しておきましょう。
また、発生した事態がその後の事業計画に影響を及ぼす可能性もあります。新たな要素を織り込んだシミュレーションを行うことで、的確な軌道修正が可能になります。
売却タイミングが予測できるかを確認する
投資用不動産は、売却することによっても、リターンを手にすることができます。このため、家賃収入をベースとするインカム型の不動産投資でも、最終的な売却を視野に入れた「出口戦略」を立てておくことは大切です。
不動産は経年劣化により、長期的には資産価値・家賃ともに下落していきます。家賃下落を想定したシミュレーションを行い、家賃収入と売却益を合わせた総収入を最大化できるタイミングを予測しておきましょう。
不動産投資の収支シミュレーションに役立つツールやアプリ
収支シミュレーションを一から自分で行うのは大変です。オンラインやダウンロードして使えるシミュレーション用のソフト・アプリを利用するのが効率的です。また、インターネット上にはソフト・アプリ以外にも、収支シミュレーションに役立つサイト・ツールがあります。
以下では、不動産投資の収支シミュレーションに役立つツールやアプリを紹介しますので、参考にしてください。
路線価や公示地を把握できる「全国地価マップ」
「全国地価マップ」は、一般社団法人資産評価システム研究センターが運営するWebサイトで、次の4つの公的土地評価情報を地図上で確認できるのが特徴です。
- 固定資産税路線価:市街地の道路に接する土地に付けられた1㎡当たりの価格です。土地の面積をかけて固定資産税が算出できます。
- 相続税路線価:相続税にかかわる路線価です。
- 地価公示価格:国土交通省が毎年1月1日に公示する地価の標準値です。
- 都道府県地価調査価格:都道府県調べによる毎年7月1日の地価です。
知りたい情報のマップ地図検索をクリックすると、検索トップページに移ります。「郵便番号・住所(その一部)」を入力するか、「住所一覧からの検索」「地図から探す」から位置を選択します。位置選択をすると地図が表示されるので、スクロールして目的地に移動すれば、必要な情報が確認できます。
どの情報マップも画面を、切り替えて過去3年間(合計4年分)のデータを確認できるほか、他の情報マップへもワンクリックで移動できます。また、2画面表示を使えば、固定資産税路線価と相続税路線価を同時に確認するといったことも可能です。
複数の物件を所有している方は、画像保存や印刷をして、それぞれの物件のマップを手元に残しておくといいでしょう。
計算に特化した「keisan」
「keisan」は生活や実務に役立つ計算サイトで、毎月のローン返済額とその内訳(元金・利息)、借入残高の一覧表を作成できます。借入金額や返済方式、金利、返済期間を自由に設定できるので、さまざまな借入パターンについてシミュレーションできます。繰上返済の計算もできるため、返済期間短縮の可能性を検討するのに便利です。
不動産投資の収支シミュレーションを行うことはできませんが、どのようなパターンでローンを組んだらいいのかを検討したり、返済状況などを詳しく確認したりするのに役立つでしょう。
数々の導入実績がある「Gate.」
「Gate. Investment Planner」個人版は、不動産のプロが利用する不動産投資シミュレーションツールの機能を利用して、データに基づく現実的な投資プランを自由に作成できるサービスです。ブラウザー上で動作するので、パソコンがあれば誰でも利用できます。
2億件超の不動産データを学習したAIを搭載しているのが特徴で、空室率や将来的な賃料下落率を自動的に算出し、物件の将来収益や安全性、税金などについてのシミュレーションが行えます。
「プロの知識を利用したいが、営業はされたくない」「豊富なデータにも続いて判断したい」という方におすすめのツールです。
Excelを使う「IRRによる不動産投資収益計算Excelシート(Lite版)」
不動産投資に必要な要素を網羅しているので、Excelを使ってさまざまな収益計算を行えるのが特徴です。大手仲介業者、ファンド関係者が利用していることからも、信頼性の高さがうかがえます。
以下のような収益指標の計算ができます。
- IRR(内部収益率)
- マルチプル(買ってから売るまでの税引後キャッシュフロー総額)
- 表面利回り
- NOI利回り(ネット利回り)
- 経費率
- 税引後キャッシュフロー
- 月額ローン返済額
- 税務上の利益計算(建物減価償却を考慮)
- 納税額計算
- ローン返済シミュレーション
マルチプル(買ってから売るまでの税引後キャッシュフロー総額)を計算できるので、投資期間中にトータルでどれだけのキャッシュフローを得られるのかがわかります。また、「金利がどこまで上がると税引後キャッシュフローがゼロになるか」「いくらで出口を迎えれば損益通算ゼロとなるか」といった逆引計算ができるのも、個人投資家には便利なポイントでしょう。
手軽に収支計算ができる「アパート一棟買いLite」
「アパート一棟買いLite」は、不動産投資における収支分析を行うアプリです。最低限、物件価格、想定家賃(または利回り)、融資額、融資期間、借入金利を入力するだけで、長期にわたるキャッシュフローや返済計画など、さまざまな角度から収支に関する分析をできるのが特徴です。
グラフ表示機能が充実しており、キャッシュフロー推移などを視覚的に確認できるので、数字が苦手な方にもおすすめです。
利用するには、iPhone(iOS 8.0以降)かMac(macOS 11以降でApple M1チップを搭載)が必要です。
手軽に見込み収支を計算できる「検証効率UP!不動産収支計算機」
「検証効率UP!不動産収支計算機」は、不動産投資における手取額や利回り、ローン返済額の試算ができるアプリです。シンプルで搭載している機能も多くはありませんが、その分動作は軽快なことが特徴です。計算結果は保存できるので、思い立ったときに気になる点を素早く計算し、メモ代わりに保存しておくといった使い方に向いています。
利用するには、iPhone(OS 9.0以降)かiPad(iPadOS 9.0以降)が必要です。
エクスポート機能がある「不動産投資 利回りシミュレーションで収支を計算」
「不動産投資 利回りシミュレーションで収支を計算」の特徴は、入力情報や計算結果をテキストデータとしてエクスポートできることです。パソコンでもデータを共有して活用したい人には便利な機能でしょう。
また、不動産投資の収支シミュレーションを行うだけでなく、画面上から不動産投資の最新ニュースや基礎知識など役立つコンテンツにアクセスできるのもポイントです。空いた時間を使って、不動産投資の勉強をしたい方などにはおすすめです。
利用するにはスマートフォン(Android OS 5.0 以上)が必要ですが、同様の機能を持つiPhone(OS 9.0以降)/ iPad(iPadOS 9.0以降)用アプリ(不動産投資 利回り計算アプリ)もあります。
計算結果を保存できる「不動産投資 収益電卓」
「不動産投資 収益電卓」の特徴(計算結果を保存できるなど)や利用方法(入力が必要な項目など)について解説してください。
「不動産投資 収益電卓」は、電卓という名前が入っていますが、収益シミュレーションができるアプリです。購入から売却までのトータルの収益計算ができ、保有期間における各年のキャッシュフロー(税引前・税引後)も確認できます。
このほか、お役立ちコラム、セミナー情報にアクセスできるのも特徴と言えます。利用するにはスマートフォン(Android OS 4.4 以上)が必要です。
不動産投資の収支シミュレーションに役立つおすすめの本
収支シミュレーションの勉強をしながら、不動産投資に必要なさまざまな知識も身に付けたいという方には書籍がおすすめです。著者のノウハウに基づく独自の収支シミュレーションツールが利用できるものもあるので、活用してみてください。
不動産投資専門税理士が太鼓判!不動産投資の「収益計算」シミュレーション 実践編
本書の目的は、Excelを使って「不動産投資の実践的なシミュレーション能力」を身に着けることです。不動産投資のシミュレーションに必要なさまざまな知識・スキルについて、平易に説明しているので、初心者でもスムーズに読み進めることができるでしょう。
無料特典として、「雛形書式(基本形でさまざまなパラメータを自由に設定可能)」「簡易版書式(初心者向けに雛形書式の入力項目を大幅に簡略化)」「法人税版書式(雛形書式をベースに法人税の計算に対応)」という3つの「収益計算シミュレーション書式」(Excel形式)が付いているのも魅力です。
稲垣 浩之 (監修) ・中川 理 (著)
出版社 : ソシム
不動産投資専門税理士が教える 不動産投資の「収益計算」本格入門
最新の税制や実務のトレンドを織り込みながら、不動産投資の収益計算やシミュレーションに必要な知識を網羅的・客観的に解説しているのが特徴です。実際の投資家が作成した「収益計算シミュレーション」(Excel形式)が、無料特典として付いているのも魅力でしょう。この「収益計算シミュレーション」は、購入、賃貸、売却という不動産投資のすべてのステージに対応しており、自分専用にカスタマイズすることも可能です。
稲垣 浩之 (監修) ・中川 理 (著)
出版社 : ソシム
経営者のための初めての不動産投資戦略
借入のために個人保証をするなど、法人と個人の関係が切っても切れない事業の規模が小さい会社の経営者(個人事業主を含む)に向け、不動産投資の効用や活用方法を説明しています。「店頭価格」「金利」「返済年数」「借入率」「利回り」を入力するだけで、物件価値を簡単に試算できる、著者考案のExcelシート「Wゲインシート」が利用できることもポイントです。
曽我ゆみこ(著) 化粧品会社経営。投資家
出版社 : プレジデント社
Excelでできる不動産投資「収益計算」のすべて
購入から融資、売却まで、不動産投資の全行程における収益構造を理解して、収益計算を自分でできるようになることを目的としています。キャッシュフローのシミュレーションに必要なスキルを身に付けたい方におすすめです。ダウンロードして使えるシミュレーション用Excelシートは、キャッシュフローだけではなく、将来の資産価値まで計算できます。
玉川 陽介 (著)
出版社 : 技術評論社
税理士大家さんがコッソリ教える 不動産投資のお金の残し方 裏教科書
税理士で不動産投資家でもある著者が、不動産投資に不可欠な税金の知識をわかりやすく解説しているのが特徴です。専門的な内容も、実務家の視点で具体的に説明しているので、初心者でもスムーズに読み進めることができるでしょう。
不動産投資に関する基本的な知識は理解しているので、不動産投資に関する税務について詳しく知りたいという方などにおすすめの一冊です。
石井彰男 (著)
出版社 : ぱる出版
不動産の価格がわかる本 改訂版
「不動産の価格がわかる本 改訂版」の特徴(不動産の評価方法といった価格に関する知識をまとめているなど)について解説してください。
年間5,000件以上もの資産評価の実績を持つ不動産鑑定士を中心とする専門家集団が、市場のサイクルや評価方法など「不動産の価格」に関するさまざまな内容について詳しく解説しています。住宅やオフィスビルだけでなく、商業施設・ホテル・物流施設・ゴルフ場など多様な案件の特徴や評価方法を解説しているので、一般的な不動産投資家は自分の興味ある部分について、より専門的な視点での知識を習得するために使うといいでしょう。
また、各章末にあるコラムでは「固定資産税はわかりにくい?」「新耐震と旧耐震で何が違う?」など、専門家ではない不動産投資家が疑問に持ちそうなテーマを、短くわかりやすく解説しています。
大和不動産鑑定 (著・編集)、室津 欣哉 (監修)
出版社 : 日経BP
利益と節税効果を最大化するための収益物件活用Q&A50
売買取引約600棟、管理戸数約8000戸、入居率96%以上の実績を持つ著者が、取引や運用の現場でしか得られない実務的なノウハウや起こり得るトラブル、判断に迷う場合の対処のポイントなどをQ&A形式でわかりやすく解説しています。手元に置いておき、疑問が出たら確認して知識を身に付けるといった使い方もできるでしょう。
大谷 義武(著)武蔵コーポレーション
出版社 : 幻冬舎
まとめ
不動産投資の収支シミュレーションは、収益の安定性やリスクを確認するために欠かせないものです。シミュレーションは、無料で使えるソフトやアプリを利用すれば、誰でもできます。
しかし、精度の高いシミュレーションを行うためには、家賃や空室率、賃貸のためにかかる費用、固定資産税などの正確な情報が必要です。また、結果を投資判断に活かすには、不動産や投資に関するある程度の知識も欠かせません。
自分でシミュレーションを行うことに不安のある方は、信頼できる不動産会社に相談してみるといいでしょう。情報収集を手助けしてくれるだけでなく、さまざまなパターンのシミュレーションを行い、投資判断に役立つアドバイスをしてくれます。