不動産投資の副業をしてもいい? 成功のポイントや注意点まとめ

不動産投資の副業をしてもいい? 成功のポイントや注意点まとめ|株式会社イー・トラスト

不動産投資は、仕事を続けながらでもスタートできる資産運用方法のひとつです。しかし、会社によっては副業を禁止しているケースもあるため「社内規定に反するのではないか」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、副業の観点からみた不動産投資について詳しく解説します。勤め先で問題になりにくい方法を知ることができるので、安心して投資活動を始めるきっかけにもなるでしょう。成功するためのコツや、注意したいポイントもあわせてご紹介します。

副業として不動産投資をしても問題はないのか

副業として不動産投資をしても問題はないのか

働き方改革の影響で副業を解禁するケースも増えていますが、禁止を続ける会社も多くあるのが現状です。ただし、不動産投資のような副業であれば問題としない場合もあります。近年の法改正について理解を深め、「法律に違反しているのか」を把握しておきましょう。規制の緩和と法律の改正について詳しく解説します。

法改正で副業規制は緩和されている

これまでの法律では、勤め先の許可なしに副業を始めることは禁止されていました。2018年1月にこの内容は削除され、新たなモデル就業規制が定められています。原則的には、事前の届け出があれば問題ないとする規定です。ただし、以下の内容に該当する場合は認められません。

・本業に支障をきたす場合
・会社の機密情報が外部に漏れる恐れがある場合
・会社の信頼性を損なう危険性がある場合
・会社との信頼関係を損なう場合
・他会社の利益を向上させたり、勤め先の利益に影響を及ぼしたりする場合

不動産投資はその特性上、本業への影響を与えないケースがほとんどでしょう。投資活動に費やす時間が少ないので、就業時間に及ぼす影響が小さいからです。以前のような厳しい規定ではなくなりつつあるので、不動産投資は会社勤めの人でも比較的始めやすい副業といえるでしょう。

副業禁止の会社でも問題にはなりにくい

副業にもさまざまな種類がありますが、中でも不動産投資は問題視されにくい傾向があります。勤め先がどのような業種でも、悪影響を与える可能性が低いからです。以下のように、本業になんらかの影響を及ぼす場合は注意を受けるかもしれません。

  • 物件探しのために長期間の休暇を申請する
  • 手続きなどで出勤時間に遅れる日が多い
  • 事業目的で不動産投資を行う

どのような状況を問題とするかは、各会社の考え方によって異なります。副業の承認に積極的な会社であれば、不動産投資を禁止にすることはほとんどないでしょう。不安な場合は、会社の上司や責任者に相談できると安心です。

会社員に不動産投資の副業が人気な理由

会社員に不動産投資の副業が人気な理由

不動産投資は運用に多くの時間をかけずにすむので、サラリーマンでも挑戦しやすいといわれています。サラリーマンは個人事業主やフリーランスに比べ、収入の安定性が高い点も不動産投資に向いている理由のひとつです。

現在会社員として勤めている方は、なぜ不動産投資に人気が集まっているのかチェックしておきましょう。3つの項目に分け、人気の理由をご紹介します。

長期的に安定した収入を得られるため

あらかじめ設定した家賃を入居者が支払い、投資家が受け取って利益につなげるのが不動産投資の仕組みです。空室が発生したり家賃を滞納されたりといったリスクはあるものの、順調に運用できれば長期的に家賃収入を得られます。

賃貸物件として運用する間、物件によっては数十年にわたって収入を得られるのは大きなメリットです。本業とは別の区分で収入を得られるため、全体で獲得できる金額も増幅します。将来を充実したものにするためにも魅力的な仕組みといえるでしょう。

働きながらでも運用できるため

不動産投資が持つメリットは、運用にそれほど時間をかけずにすむという点です。ポピュラーな投資に「株式投資」がありますが、リターンが期待できる一方で株価の変動を監視する必要があります。日中多忙なことが多い会社員にとって、株式投資のために常に時間を使うのは困難に感じるでしょう。

不動産投資は、定期的なメンテナンスや修繕に気を配っておくと継続的に運用できます。物件の規模が大きい場合は、管理会社に依頼すれば時間的コストの軽減も可能です。

会社員は不動産投資で有利であるため

不動産を購入するためのローン契約では、返済能力があるか判断するため審査を行います。ローンの審査基準にはさまざまな要素があり、中でも重要とされるのが収入状況です。会社員は年収が安定している方が多いので、融資の面では有利に働きます。

現時点で年収が低い方でも、今後ベースアップや役職手当などで年収が増える予定であれば審査に通るかもしれません。金融機関によって審査の難度は異なるものの、ローン審査の通りやすさは安定性の高い会社員ならではのメリットといえるでしょう。

不動産投資の副業が問題になるケースとは?

不動産投資の副業が問題になるケースとは?

一般的には副業に認められやすい不動産投資ですが、場合によっては問題視されるケースもあります。会社の規定を破ったり、法的なトラブルを引き起こしたりしないよう注意が必要です。社会人としての道徳的な要素ともいえますが、具体的にどのようなケースが問題になるのか把握しておきましょう。3つの観点から詳しく解説します。

秘密保持義務に違反している場合

不動産投資の活動に関わらず、会社に属している方に課せられるのが「秘密保持義務」です。守秘義務といった言葉でも知られており、「会社や業務に関係する情報を守る」という目的を表します。違反とみなされるのは、以下のようなケースです。

  • 取引先や顧客のリストを無断で持ち出した
  • 会社の保有データを仕事以外で利用した
  • 業務に関わる統計情報を外部に漏らした
  • 退職者のデータを仕事以外の目的で利用した

このような行為を不動産投資目的で行った場合、問題があるとして指摘を受ける可能性があります。場合によっては会社の存続に関わるトラブルを招くリスクもあるため、投資活動の有無を問わず、「秘密保持義務」は重要な義務であると認識しましょう。

職務専念義務に違反している場合

機密情報の漏えいに問題がなくとも、「仕事より不動産投資を優先する」といった考え方は賢明といえません。会社員は「職務専念義務」により、業務に集中する義務が課されているためです。休憩時間中は自由な行動が認められますが、業務時間中は不動産投資から離れるよう心がけましょう。以下の場合、違反とみなされる可能性があります。

・業務中に不動産投資の情報を調べる
・不動産会社の担当者と、業務中に長時間電話を交わす
・投資活動が原因で仕事がままならない

あらかじめ業務時間に定められている時間以外は、リサーチしたり連絡を取ったりしても問題ありません。ただし、「朝まで物件を調べて仕事が手につかない」といった状況では、職務専念義務を果たしていないと問題視される可能性もあります。

競業避止義務に違反している場合

同じ業種の会社2つ以上に勤めたり、情報を漏らしたりすることを抑止するのが「競業避止義務」です。業績や業務内容に影響を及ぼさないよう、会社に勤める方全てに義務付けられています。

不動産投資の場合、投資用の物件を紹介する不動産会社に勤めている方が該当すると考えましょう。現在勤めている方だけでなく、不動産関連会社を退職した直後といったタイミングにも注意が必要です。会社側の被害が大きい場合、損害賠償請求などの措置を取られる可能性もあります。

不動産関係以外の業種であれば、ほとんど問題ないといえるでしょう。万が一の事態を避けるためには、あらかじめ会社へ相談しておくことが大切です。

不動産投資の副業で成功するためのポイント

不動産投資の副業で成功するためのポイント

投資活動の経験がない方は、「働きながら利益を出せるか不安……」と感じることもあるでしょう。準備段階で入念な計画を立てておくと、思い通りの結果を実現しやすくなります。不動産会社選びに加え、投資のリスクへの理解も重要なポイントです。ここからは、副業の不動産投資を成功へ導くコツを4つご紹介します。

投資の目的を明確にする

不動産投資への挑戦を検討している方は、まず「なぜ投資したいのか」を明確にしてみましょう。漠然とした投資活動への興味だけでなく、具体的な目標を掲げるのがおすすめです。例えば以下のような内容が挙げられます。

  • 家賃収入で本業の負担を減らしたい
  • 将来のために資産形成をしたい
  • インフレに対応できる環境を整えたい
  • 家族のために相続税対策をしたい
  • 不動産を生命保険として活用したい

ゴールが定まると、投資する物件のタイプや規模も決めやすくなるでしょう。モチベーションを上げるためにも有効な方法です。運用期間の目安を考えておくと、中古・新築の選択肢を見極める材料にもなります。「明確な目標がない」という方は、不動産投資が持つメリットを体感できるような将来をイメージすると良いでしょう。

キャッシュフローの確認を徹底する

長期的な運用を前提とする不動産投資では、キャッシュフローで利益の有無を予測する作業も必要です。以下の金額をピックアップし、どのくらいの利益または損失が出るかシミュレーションしましょう。

  • 月々の家賃収入とローン返済額
  • 管理費用(管理会社への依頼料)
  • 修繕積立金
  • 固定資産税・都市計画税
  • 修繕やリフォームの費用
  • 火災保険・地震保険など

リフォーム費用などは明確化しにくいため、大まかな金額でも問題ありません。結果がマイナスになる場合は、家賃を上げたり物件を見直したりといった対策を実践します。短期的な利益をみるのではなく、長期間運用した結果どのような数字になるか確認しましょう。

物件や不動産会社選びは慎重に行う

多くの投資家は、不動産会社に相談して物件探しをスタートします。不動産の購入は大金を費やす過程であり、長期間の生活に影響する要素です。信頼できる不動産会社を探し、投資活動を安心して実践できる環境を意識しましょう。物件関係で注目したいのは、以下のようなポイントです。

  • 立地条件
  • 周辺に建っている物件と空室率
  • 人口密度

物件自体は魅力的でも、周辺の環境に合わなければ空室リスクが高まります。可能であれば、実際に物件を見て「住みたいと思ってもらえるか」をリサーチしましょう。物件があるエリアへ足を運び、他の住宅や生活環境を調べるのもおすすめです。

優良物件は買い手が見つかるのも早い傾向にありますが、焦って即決するのは避けた方が良いでしょう。自分が挙げた条件に合う不動産が見つかるまで、慎重に物件を探し続ける忍耐力も大切です。

不動産投資リスクの対策を行う

本格的な投資活動を始める前に、「損失が出るリスクもある」という点を理解する必要があります。少しでも損失を抑えられるよう、事前の対策も重要です。代表的なものには以下のようなリスクがあります。

  • 空室リスク(家賃収入が減る)
  • 入居者から家賃が振り込まれない(家賃滞納)
  • 老朽化による家賃低下
  • 震災などによる建物の崩壊・修繕
  • リフォームによる出費
  • ローン返済中の金利上昇

「空室を避けたいから早めにリフォームを行う」といった対策は、リフォーム費用の回収にも意識を向けると安心です。物件や入居者に対して懸念されるリスクだけでなく、ローン返済にも懸念がある点を認識しておきましょう。入念な対策を行うことで、万が一、損失が発生した場合も負担を和らげやすくなります。

不動産投資の副業を始める場合の注意点

不動産投資の副業を始める場合の注意点

会社員が不動産投資を行うとき、予測していなかった事態に直面するかもしれません。税金の申告や、事業規模に関して細かい規定があるためです。知らぬ間に違反行為につながることのないよう、知識を蓄えておきましょう。「確定申告」と「事業規模」、2つの注意点について、規定や仕組みを解説します。

確定申告は自分で行う必要がある

多くの会社員にとって、関わる機会が少ない手続きが「確定申告」です。通常は会社側が年末調整の手続きを行っていますが、不動産投資では投資家自身が確定申告書を提出します。

申告の義務が発生するのは、1年間で20万円以上の利益があった場合です。以下2種類の違いも理解しておきましょう。

・特別徴収:給与所得から税金を差し引く
・普通徴収:発生した税金を自分で納付する

期日までに申告できなかった場合、ペナルティとして無申告加算税が課せられる可能性もあります。1年間の損益を明確にし、適切な方法で手続きをしましょう。

事業的規模に気を付ける

不動産投資用に多額の資金を備えている方は、「事業的規模」の基準に注意が必要です。以下いずれかに該当する場合、事業目的とみなされて副業の規定に違反することになります。

・戸建て住宅:5件以上
・アパート:10室以上
・駐車場:50台以上(5台分でアパート1室に換算)

複数の種別の不動産に投資し、合計が基準を超える場合も「事業的規模」とみなされます。基準以下であっても、極端に利益が大きい場合も事業的規模に該当する可能性があるので注意しましょう。本業の会社から社内規定違反とみなされると、ペナルティを課されることもあるため、基準を超えないよう配慮しながら物件を選ぶ必要があります。

不動産投資の副業で会社設立はできる?

運用が順調に進んで利益が増えたときは、法人化の手続きを行って会社を設立するケースもあります。将来的に家賃収入のみでの生活を目指している方は、法人化も視野に入れて実践に移ると良いでしょう。

ただし、会社に投資の事実を知らせないまま投資活動を拡大させるのは賢明といえません。法人化の手続き自体は会社の承認がなくても可能ですが、前触れのない退職はトラブルの元となる可能性があります。会社と円満な関係のまま法人化するためにも、早い段階で情報を共有しておきましょう。

会社を設立する際には、司法書士に書類作成・手続きなどを依頼します。あらかじめ信頼性の高い担当者を探しておき、法人の種別や物件購入と法人設立のタイミングなどを相談できると安心です。

まとめ

まとめ

会社に勤めている方も、副業として不動産投資を行うことは可能です。基本的には問題視しない会社が多いのですが、きちんと確認せずに独断で始めてしまうと社内規定に抵触する可能性も理解しておきましょう。会社の情報を故意に流出させたり、業務に集中できなかったりといったトラブルの元になることは避ける必要があります。
 
 

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