不動産投資は、会社員の方に向いている資産形成方法の1つです。収入の安定性や税制面、投資にかかる手間など多くの点が理由として挙げられます。資産形成を考えている会社員の方は、ぜひ不動産投資も選択肢にいれてみてください。
この記事では、会社員に不動産投資が向いている理由について詳しく解説します。また、投資を成功させるポイントや注意点もご紹介しているので、最終的な投資判断の参考にしてくださいね。
会社員が不動産投資を始めるべき理由5選
さまざまな資産形成方法があるなかで、不動産投資が会社員の方に向いている理由は大きく5つあります。どれも、会社員の方が投資判断をする際に重要なポイントです。
自身の状況と照らし合わせながら確認してください。
1.収入が安定していて銀行の融資に通りやすい
毎月決まった給与所得を得られる会社員であれば、銀行の融資審査を受ける際に有利となります。不動産投資の資金は、住宅ローンを組んで用意することが一般的です。とくに、大手上場企業の会社員や勤続年数が長い場合は、収入に加えて身分の安定性も審査時に高く評価されます。
また、収入が安定していれば、無理のない資金計画を立てやすくなります。多くの場合、住宅ローンの返済は長期間にわたりますが、会社員であればある程度先を見越した計画を立てられるでしょう。
2.生命保険や老後の年金の代わりになる
不動産投資は生命保険代わりにもなります。ローンの返済中に万が一亡くなった場合に、返済が免除されるためです。
銀行から融資を受ける際には「団体信用生命保険」に加入します。死亡や重度の障害を負った場合、保険によって返済される仕組みです。結果的に、ローンの支払いの終わった不動産物件が家族に残されます。
また、老後にローンを完済した物件を所有していれば、家賃収入がそのまま手元に残るため、年金の代わりにもなります。まとまった資金が必要であれば、売却することも可能です。
3.管理に手間がかからない
不動産投資は手間がかからない点も会社員に向いている理由の1つです。一般的に会社員は就業時間が決まっているため、投資先の管理をこまめにすることは困難でしょう。不動産投資の物件自体の管理は、専門の管理会社に委託できるほか、日常的に資金管理する必要もありません。
価格が常に上下する株式や為替投資は資産管理が大変ですが、不動産投資であれば、おもな収益は毎月の家賃収入なので安定しています。また、売却によるキャピタルゲインを狙う場合でも、不動産価格は一気に大きく動くわけではないので、じっくりと値動きを見定めることが可能です。
4.副業禁止のルールがあっても問題ない
不動産投資は、一定の規模までであれば副業にはなりません。副業が禁止されている職場でも、不動産投資を始めることができます。
不動産投資が副業とならない理由は、資産運用とみなされるためです。また、資産形成目的ではなく、相続などで物件を取得するケースもあるため一概に禁止はできません。ただし、投資物件が5棟以上、管理する部屋数が10室以上、家賃収入が年間500万円以上の規模になる場合は、事業とみなされることもあるため注意しましょう。
5.節税効果が見込める
不動産投資の収益を赤字になるように調整することで、節税効果が見込めます。確定申告時には、不動産投資の収支と会社員としての給与所得を「損益通算」して、税法上の所得を減らせるためです。
不動産投資では、管理や修繕などの経費が発生するうえ、不動産取得時にかかる費用は一定の期間「減価償却費」として経費に計上できます。すべての経費が年間の家賃収入額を上回れば、赤字決算とすることが可能です。
また、不動産物件を相続する際は、現金と比較して相続税の節税効果も見込めます。不動産物件を相続する際の価値の算出には評価額を使用しますが、実際の物件価値よりも安く設定される傾向があるためです。
会社員が不動産投資を成功させるためのポイント
不動産投資の成功率を高めるためには、いくつかのポイントを押さえ、将来の見込みを立てておくことが重要です。
資金計画や投資物件の見極め方など、会社員が不動産投資に成功するためのポイントをご紹介します。
キャッシュフローに無理のない資金計画を立てる
会社員が不動産投資を始める際は、キャッシュフローに無理のない資産計画を立てることが重要です。ローンの返済が生活費を圧迫しないように、収入と出費のバランスを正確に把握しておきましょう。
家賃収入が万が一減った場合も、給与の余裕資金から返済できる計画になっていれば、無理なく投資物件を維持できます。不動産投資は長期的な投資となるため、現在の状況だけではなく、将来の予測もしながら資金計画を立てましょう。
修繕などの物件取得以外にかかる費用を算出しておく
不動産投資では、物件の取得費用以外にもさまざまな費用がかかります。定期的なメンテナンスや災害にあった場合の修繕費や管理費などです。
また、固定資産税や都市計画税などの税金も発生します。いつ、どれくらいの費用が必要になるかも、事前にしっかりと計算しておきましょう。
物件の相場や立地条件と将来性をしっかりと調査する
取得する物件の調査も、不動産投資を成功させるために欠かせないポイントです。物件周辺の相場感や立地条件は、家賃収入に直結します。駅や商業施設、都市部へのアクセスなど立地条件がよければ、今後も需要が見込めるため収益が安定します。また、現在居住している住民の年齢層や、今後の都市計画なども可能な限り調査して、周辺地域が将来どうなっていくかを把握しておきましょう。
信頼のできる不動産業者をみつけて相談すれば、より正確な情報を得ることができます。
不動産投資を始める際の注意点
投資には一定のリスクがともないます。不動産投資も例外ではありません。しかし、注意すべきポイントを事前に把握しておけば、リスクを低減することが可能です。
会社員が不動産投資をおこなううえで、注意すべき点をご紹介します。
基本的な知識を身につける
不動産投資を始める前に、基本的な知識を身につけておくことが必要です。物件情報を自分で探す場合はもちろん、不動産業者から提案を受ける際も、最低限の知識がないと投資判断ができません。
物件情報や投資利回り、税法など必要な知識は多岐にわたります。信頼のできる不動産業者であればアドバイスを受けられますが、納得のいく投資をおこなうためにも、自身である程度勉強しておきましょう。
リスクについて事前に検討しておく
不動産投資における最大のリスクは、空室や家賃滞納です。家賃収入がなくなってしまうと、収益があげられなくなってしまいます。どの程度の空室であれば問題ないか、事前に十分検討してください。
また、災害による修繕も大きなリスクです。定期的なメンテナンスによる修繕は事前に計画できますが、災害はいつおこるかわかりません。周辺地域で過去におこった災害の情報を収集して、万が一の際に必要となる余剰資金も計画に盛り込んでおきましょう。
経営者目線で安定した経営を目指す
「不動産経営」とも呼ばれる不動産投資には、経営者目線も必要です。短期的な収支の浮き沈みに左右されず、長期的な視点で運営することを目指しましょう。
たとえば、物件の修繕や改修の判断です。短期的には支出が増えて収益は悪化しますが、入居者満足度を高めることで長期的には収益が安定します。企業経営と同様、顧客目線で運用することも重要なポイントです。
投資物件の顧客ニーズや将来性を考える必要がある点では、不動産投資は「投資」よりも「経営」の側面が強いといえるでしょう。
【まとめ】安定収入のある会社員だからこそ不動産投資で資産形成
不動産投資は、多くの点で会社員の資産形成に向いている投資方法です。
まず、毎月決まった給与収入のある会社員であれば、融資を受けやすく、リスクも最小限に抑えられます。生命保険代わりにもなるため、万が一のことがあっても家族に資産を残すことが可能です。
さらに、管理に時間をとられないうえ、職場が副業禁止でも始められます。資金計画によっては給与所得に対しての節税効果が見込めることも、会社員の資産形成に向いているポイントです。
ただし、まったくリスクのない投資方法は存在しません。不動産投資で発生する空室や修繕などのリスクを、事前にしっかりと検討して最終的な投資判断をしましょう。