少子高齢化、人口減少がこのまま進展し続けると、懸念されるのが空き家問題。戸建て住宅にしても、マンションにしても供給過剰がすでに指摘されている昨今、やがては不動産投資やマンション経営が成り立たなくなるのではないか、という懸念の声も聞かれます。ところが、そんななかでも相変わらず、不動産市場が活況を呈しているエリアがあります。それが大阪・京都・神戸を中心とした関西圏。
マンションオーナーにとってなぜ関西圏が魅力的なのか、さまざまな観点から解説していきます。
活気あふれる大阪でも、生産年齢人口の減少傾向?
今後10年間で、日本の人口は700万人減少すると言われ、しかも15~64歳の生産年齢人口に至っては7,000万人まで落ち込むと予想されています。現時点では関西圏でも同様の傾向があるのはたしかで、大阪市の場合、平成27年の国勢調査によれば、65歳以上の老年人口は66万8,698人で、平成22年と比べ総人口に占める割合は22.7%から25.3%に上昇。
一方で、15~64歳の生産年齢人口は168万2,798人で、同じく平成22年の65.7%から63.6%に低下しています。さらに15歳未満人口は29万5,298人で、11.7%から11.2%に減少しているなど、少子高齢化の波は活気あふれる商人の街・大阪にも及んでいるのがわかります。
それでも人口流入が続いているナゾ
たしかに、このデータだけを見るとどうしても悲観的になってしまいますが、大阪市の人口そのものはむしろ増加傾向にあるから不思議です。これは、関西圏の京都府、神戸市なども同様で、とくに大阪市鶴見区、神戸市西区、京都市西京区などでは子育て世代を中心に人口流入が続いているからです。
各自治体の子育て支援政策が功を奏していることも理由として挙げられますが、それだけでは説明がつきません。これは、すでに人口減少が進み地域の経済や行政サービスに陰りが見えている地方を出て、より暮らしやすい都心部に人々が集まってきている証拠と考えて差し支えないでしょう。
西圏の都心部ならマンション経営でも成果が出しやすい
統計データを静的な視点で捉えると現時点では生産年齢人口の減少が見られますが、長期的な視野に立てば、大阪・京都・神戸など関西圏の都心部については、人口増に比例して生産年齢人口も緩やかに上昇カーブを描くと考えられます。
マンション経営で成功しようと思うなら、やはり今後も有望なこのエリアに着目したいところ。不動産市場の流動性も高いので、優良中古物件なら空室が生じてもすぐに次の入居者が見つかるでしょう。しかも、至便な都心部は人気なので、物件価値も下がりにくく、中古マンションでも高い賃料を長く維持できます。
まとめ
日本全体で見れば少子高齢化問題は深刻ですが、マンション経営ではさほど影響はないでしょう。とくに人口増が続き、生産年齢人口の上昇も期待できる関西圏の都心部であれば着実に成果を出すことができるからです。