不動産投資の中でも、ワンルームマンションは手軽に始めやすいといわれることがあります。しかし相応の資金も要るため、失敗するのが怖いという方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ワンルームマンション投資でありがちな失敗事例と対策方法をご紹介します。無計画で参入するのは危険ですが、さまざまな事例を参考に対策を組めばリスク回避は可能です。信頼できる不動産投資会社からのサポートも受けられれば、安定した収益を望めるでしょう。
もくじ
ワンルームマンションの不動産投資で失敗した事例とできる対策
成功事例を学ぶことは大切ですが、失敗事例を知っておくことも同じくらい大切です。失敗には一種のパターンがあるため、事前に把握して対策を講じれば避けやすくなります。ここでは、ワンルームマンションの不動産投資における失敗事例をまとめました。
家賃の収益を思うように得られなかったケース
不動産投資の収益源は家賃収入なので、継続的に得られるよう運用しなければなりません。入居期間が短かったり、退去後の空室期間が長かったりすると、収支計画が狂ってしまいます。
ワンルームマンションの主な利用者である単身者は、就職・転勤・結婚などをきっかけに転居する傾向があります。入居・退去のスパンが比較的短めなため、空室期間が空かないよう、人気物件を見極めるリサーチが大切です。
若年層の人口が増えているところ、主要駅付近など利便性が高いところ、オフィス街に近いところなど賃貸需要が高いエリアの物件を探しましょう。
家賃とコストの割合を考慮しなかったケース
ワンルームマンション購入後のコストは、一棟投資に比べると低めです。とはいえ、毎月かかるコストもありますし、ふたを開けてみれば家賃収入がほとんど残らないかもしれません。区分所有マンションなら、管理費や修繕積立金を管理組合に納める必要があります。これらのコストと家賃収入の割合は、事前にきちんと把握しておくことが大切です。
管理組合が発行する「長期修繕計画」も確認しましょう。大規模修繕の予定や負担する費用、修繕積立金の残高などをチェックします。修繕積立金の残高が少ないと、一時金の徴収や修繕積立金の値上がりがあるかもしれません。
将来的な支出を想定しなかったケース
継続的にかかるコストだけでなく、突発的に発生するコストも想定しておきましょう。専有部分の修繕やリフォームの他、退去後にハウスクリーニングが必要になることもあり、内容によっては重い負担になります。
設備の入れ替えや大規模なリフォームも計算に入れておきましょう。ワンルームを長期間保有していれば「いつかはかかるコスト」なので、事前のシミュレーションが大切です。
不動産会社が勧めるままに購入したケース
不動産会社が勧める物件をよく考慮せずに購入した結果、失敗するケースもあります。物件の収益力は高いのか、ターゲットとする入居者のニーズに合っているかなどは、自分で分析しなければなりません。
物件選びで失敗しないためにも、不動産投資の知識を身に付けましょう。勧められた物件のエリアや賃貸需要をはじめ、利便性・住民の属性・物件そのものの魅力など、不動産投資を学べば見えてくるポイントはたくさんあります。さまざまな視点から物件の収益力を判断できる力が大切です。
ワンルームマンション投資で失敗しやすい人の特徴
投資に失敗するかしないかは、多くの場合、知識不足が原因です。ワンルームマンション投資でも同じで、知識不足が元で物件選びに失敗したり、リスクの見積もりが甘かったりします。ここでは、ワンルームマンション投資で失敗しがちな方の共通点をまとめました。
不動産投資の知識が不足している
不動産投資に対する知識が足りていないと、適切な判断ができません。物件の収益力を計算できなかったり、適正価格が分からなかったりと、スタート時点から不利になります。
専門家のように詳しくなる必要はありませんが、最低限の知識は必要です。特に、次のような知識は身に付けておきましょう。
- 不動産投資の仕組み
- エリアごとの相場
- 収支計画書の見方
これらの知識は、不動産投資関連の書籍などで学べます。ある程度の知識を付けた上で信頼できる不動産会社に相談すると、失敗する確率を減らせるでしょう。
不動産投資や物件のリスクをよく確認していない
不動産投資にはさまざまなリスクがあります。リスクは物件によって異なり、そこにかかる損害も違うことは知っておかなければなりません。例えば次のようなものです。
- 空室リスク
- 災害リスク
- 経年劣化や周辺相場の変動による家賃下落リスク
- 突発的な修繕などのコスト負担リスク
これらのリスクは、いずれも収益に大きな影響を及ぼします。また、特に珍しいリスクではありません。不動産投資の際にはきちんと想定しておきましょう。
ブランドに頼ってしまっている
不動産会社のブランドに頼った物件選びも、ワンルームマンション投資で失敗する原因のひとつです。「大手だから安心」「有名ブランドのマンションだから大丈夫」といった考え方には、大きな落とし穴があります。
大手不動産業者が販売する物件だからといって、自分が求めている物件だとは限りません。たとえ良い物件でも、予算オーバーなら収支が合うまでに期間がかかります。販売会社のブランド力は成功の担保にはならないと考えましょう。
ワンルームマンション投資に向いている人の特徴
投資にはさまざまなスタイルがあり、それぞれの向き・不向きは投資者の性格や思考によって異なります。不動産投資も例外ではありません。明らかに向いている方と、そうでない方がいます。そこでこの項目では、ワンルームマンション投資に向いている方の特徴をまとめました。
長期的な資産形成を目的としている
不動産投資は、長期的な資産形成を目指して運用するタイプの投資です。短期的な家賃収入や節税を目的として運用する方もいますが、「資産形成」の観点で考えたほうが成功しやすいと言えます。
購入時に借り入れたローンの返済が完了すれば、保有している物件そのものが大きな資産になるからです。したがって、「将来に残る資産を今から築きたい」と考えている方には向いています。
突発的なコストが発生することもあるので、短期的な収益を重視する方は別の投資対象を変えたほうがよいかもしれません。
リターンの大きさよりもリスクの低さを重視している
ワンルームマンションは1部屋単位で投資するため、1棟マンションに比べると収益力は劣ります。このことから、「ワンルームマンション投資は儲からない」と考える方は多いかもしれません。
しかし裏を返せば、初期費用が少なく、リスクは低いとも考えられます。莫大な収益を狙うのではなく、着実に資産形成を目指す方に向いている投資スタイルと言えるでしょう。
自己資金が1,000万円に満たない
ワンルームマンション投資は、少ない資金でも始められるのが特徴です。自己資金が1,000万円未満のケースなど、不動産投資に費やせる資金が少ない方に向いています。潤沢な元手があれば1棟マンションも視野に入りますが、そうでない場合はワンルームマンションがおすすめです。
初期コストが低い分、リスクも低めで長期的な資産形成を目指せます。堅実な不動産投資を考えている方は、ワンルームマンション投資を検討してみてはいかがでしょうか。
ワンルームマンション投資は始めやすいといわれる7つの理由
「ワンルームマンション投資は始めやすい」という声を聞くこともあります。確かに、1棟マンションやファミリー向け物件に比べると、ワンルームマンション投資のほうが参入障壁は低いでしょう。
そのように言えるのには、いくつかの理由があります。代表的な理由は「初期費用やランニングコストが安いから」ですが、理由はひとつではありません。以下で詳しく解説します。
購入費用が安い不動産投資であるため
ワンルームマンション投資は、自己資金が少ない方でも手を出しやすい投資だと言えます。ファミリー向け物件や1棟マンションに比べると、物件価格がリーズナブルだからです。
足りない資金はローンで調達することになりますが、物件価格が安いため必要な金額も少なく、融資を受けやすいでしょう。万が一赤字経営になったとしても、投資額が少ないということは、赤字額も小さいということです。ローンの支払いで家計が破綻するなどのリスクは低いでしょう。
ランニングコストを安く抑えられるため
ワンルームマンションは、固定資産税や都市計画税の他、管理費、修繕積立金、修繕費用などが安いのがメリットです。固定資産税、都市計画税を決める評価額は専有面積に影響されるので、ワンルームマンションは安い額で済みます。
管理費・修繕積立金も専有面積によって大きな差が出るコストです。これらも、専有面積が狭いワンルームマンションは安くなります。修繕費やハウスクリーニングの費用の負担が軽めなのも同じです。
家賃の下落幅が小さいため
物件が古くなったり、周辺の家賃相場が下がったりすれば家賃が下落します。デフレなどの不況が原因で家賃相場が下がることもあるでしょう。
しかし、ワンルームマンションはもともとの家賃が安めな分、築年数が経過しても下落幅が小さいのが特徴です。結果、収支計画に及ぼす影響も少なくなります。家賃の下落は不動産投資における大きなリスクのひとつであり、これが小さいのはワンルームマンションの強みです。
競合物件が少ないため
単身者をターゲットとしたワンルームマンションは、ファミリー向け物件と比較すると競合が少ないのもメリットです。ファミリー層は物件の購入までを含めて住居を探すため、戸建てなども含めて幅広く検討する傾向があります。
しかし、単身者の多くは賃貸を探しており、戸建ては選択肢に入れていないことがほとんどでしょう。つまり、ワンルームマンションの競合物件は別のワンルームマンションだということです。ライバルが限られている分、戦略が立てやすいと言えます。
単身者向けの需要が高いエリアがあるため
東京・大阪・名古屋などをはじめとする大都市圏は全国各地から若年層が転入しており、単身者向けの物件を探している方は数多くいます。需要が高い地域の目星がある程度付くため、大きな選択ミスをしにくいのがワンルームマンション投資の利点です。
大都市圏のワンルームマンション需要は継続すると予想されています。ファミリー層と違いエリアの選定がしやすく、不動産投資が初めての方でもチャレンジしやすいと言えます。
間取りの良しあしの幅が限られているため
不動産投資の物件選びで迷うことのひとつが、間取りの良しあしです。何が良くて何が悪いのか、初めて不動産投資にチャレンジする方には判断が難しいかもしれません。その点、ワンルームマンションの間取りはシンプルです。
キッチンや玄関の間に扉などの仕切りはなく、廊下やその他のスペースも基本的にはありません。部屋の形や設備の位置などの差はありますが、複数の部屋があるタイプの住居と比べるとバリエーションは限られます。
収納の有無やバス・トイレは別かなどをチェックすれば、他に迷うところが少ないのがワンルームマンション投資の特徴です。
設備面にこだわりがない顧客が多いため
ワンルームマンションを選択する入居者は、設備面にこだわりがない傾向があります。「短期間の住居」として割り切っている方も多いでしょう。そのような入居者の多くは、設備面よりも予算を重視します。
設備面にこだわらない入居者が多いということは、修繕費も抑えられるということです。室内設備には老朽化や突然の故障が付きものですが、ワンルームマンションなら大規模なコストがかかる恐れは低いと言えます。
ワンルームマンション投資で成功するための3つのポイント
ワンルームマンションの投資で成功したいなら、押さえておきたいポイントが3つあります。まずは「物件の立地が良いこと」、次に「セールストークを鵜呑みにしないこと」、そして「収益の再投資を考えること」です。それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。
立地条件が良い物件を購入する
ワンルームマンションに投資をするにあたって、空室リスクは必ず考慮する必要あります。空室リスクを下げるために重要なのが、立地が良い物件を選ぶことです。
主要駅から近い物件、オフィス街や大学に近い物件、人気エリアにある物件など、立地が良い物件なら入居者を集めやすいでしょう。物件を選ぶ際は、実際に現地まで足を運んでチェックすることをおすすめします。入居者目線になって目利きすることが大切です。
営業マンのセールストークを鵜呑みにしない
投資用不動産を扱う会社の営業パーソンには、巧みなセールストークで成績を上げている方もいます。聞いていると素晴らしい物件のように思えるかもしれませんが、自分のニーズに合っているとは限りません。
セールストークは参考程度にとどめ、購入するのは自分で分析してからにしましょう。客観的な資料から相場を把握し、営業パーソンが提示する収支計画書もきちんとチェックします。リスクを想定することも忘れてはいけません。
不動産投資で得た収益を再投資する
少ない資金で大きな収益を狙うテクニックを「レバレッジ効果」といい、不動産投資でも有効です。自己資金が500万円しかなくても、ローンを組めば1,000万円以上のワンルームマンションを購入でき、高い利回りを期待できます。
運用に成功して利益を得たら、それを頭金に新たな物件を購入するのもよいでしょう。ローンの返済には、最初に買ったワンルームマンションの家賃収入を充てれば負担はありません。繰り上げ返済をしてローンを早めに完済すれば、短期間でふたつの物件から収益を得られます。
信頼できる不動産会社選びもワンルームマンション投資成功の秘訣!
不動産投資の成功には、慎重な物件選びと運用計画が欠かせません。都市部ではワンルームマンションの需要が高く、投資対象としておすすめです。区分所有マンションなら自己資金が少なくても投資できるので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
信頼できる不動産会社を見つけることも、投資を成功に導く要因のひとつです。物件の購入から運用、売却までをトータルでサポートしてくれる不動産会社がいると、非常に心強いでしょう。
賃貸の管理や修繕の手配など、不慣れな場合は戸惑う業務も多いかもしれません。そのようなケースでも、信頼できる不動産会社がいれば安心して任せられます。顧客満足度の高さや、初心者からの支持が高い不動産会社をパートナーするとよいでしょう。
まとめ
ワンルームマンションは不動産投資におすすめですが、成功するにはメリット・デメリットを理解して物件を選ばなければなりません。良い物件に出会うには、良心的な不動産会社をパートナーにすることも大切です。
投資用不動産の仲介だけではなく、管理や運用などのアフターフォローが充実しているところを選ぶとよいでしょう。賃貸需要が旺盛な人気エリアに良質な物件を所有すれば、長期的な資産運用が可能です。これから不動産投資にチャレンジするなら、ワンルームマンションからスタートしてみてはいかがでしょうか。