老後の生活保障に不安が高まる中、富裕層や年配の方に限らず、若者の間でも不動産投資が注目されています。投資物件を活用した資産形成に興味があり、早い段階から不動産投資を始めたい方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、若者が不動産投資を始めるメリットや注意点、成功するためのポイントを紹介します。事前に必要なポイントを押さえておくことで、適切な不動産投資会社や物件を選ぶことが可能です。若者のアドバンテージを生かし、不動産投資で豊かな人生を実現しましょう。
もくじ
若者の不動産投資【始めるメリット】
投資物件は高額なので「不動産投資は富裕層や年配の方がするもの」というイメージがあるかもしれません。しかし、早い段階で始めるほど豊富な実績やリターンを得られるため、若者は複数の面で有利です。若者が不動産投資を始める5つのメリットを解説します。
融資で有利になる場合がある
不動産投資を始めるに当たっては、金融機関で「不動産投資ローン」を組み、投資物件を購入するのが一般的です。不動産投資ローンの審査は物件の収益性を重視しますが、若者は年収や勤続年数といった属性がネックになるケースもあります。
不動産投資ローンは若者に不利という考えもできますが、35歳未満なら日本政策金融公庫が提供する「女性、若者/シニア起業家支援資金」の利用も可能です。最大7,200万円の融資を受けられる上、条件次第では非常に低金利で資金調達ができます。制度の概要は以下の通りです。
利用対象者 | 女性または35歳未満か55歳以上の方であって、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 |
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資金の使途 | 設備資金や運転資金 |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
利率 | 0.3%~2.8% ※条件によって特別利率A・B・Cのいずれかを適用 ※土地取得資金は基準利率を適用 |
返済期間 | 設備資金は20年以内、運転資金は7年以内 |
担保・保証人 | 無担保・無保証人も可能 |
早いうちからマンション経営の経験を積める
不動産投資ローンは購入する物件自体を担保とし、家賃収入を主な返済原資とするローンです。マンション経営という事業に対する融資なので、金融機関は借入人の経営実績も評価します。
1件目の経営実績が良好であれば、2件目の融資審査が通りやすくなるでしょう。早い段階からマンション経営の経験やノウハウを積んでいけば、2件目・3件目と買い足していく際に好条件の融資を受けやすくなります。
融資期間を長くできる
不動産投資ローンの融資期間は、建物の法定耐用年数を最長とすることが一般的です。例えば、鉄筋コンクリート(RC)造の法定耐用年数は47年なので、融資期間は最長で47年と考えます。築30年のRC造物件なら差し引き17年、築20年なら27年といったように上限を設定するのが基本です。
さらに、借入人が給与収入を得られる年齢も加味します。50歳で築20年のRC造物件を購入するなら、27年後は77歳なので、現実的な融資期間ではありません。若者は年齢による融資期間の制限を受けにくいので、長期ローンで月々の返済負担を抑えやすいのもメリットです。
リターンを得られる期間を長くできる
不動産投資で得られる利益は、毎月の家賃収入(インカムゲイン)と、物件の売却時に得られる売却益(キャピタルゲイン)の2種類です。
不動産投資を25歳で始めるとすれば、45歳までに20年分の家賃収入を得られます。不動産投資家は40代や50代が多いといえますが、若ければ若いほど長期間のリターンを得ることが可能です。ローンを完済すれば返済負担もなくなり、物件の売却もスムーズに選択できるので、早い段階で大きな資産を形成できます。
万が一の失敗も挽回できる可能性がある
不動産投資にはさまざまなリスクがあり、何らかの原因で失敗する恐れもあります。例えば、想定よりも入居率が低く、ローンの返済が困難になるケースです。その他、物件の資産価値が下がって想定ほど売却益を得られないケースも考えられます。
こういった事態が40代や50代で発生すると、投資計画を修正するための選択肢は限定されるでしょう。しかし若者なら、失敗の経験を次の投資物件に生かせます。定年退職までの期間も長いので、投資計画を見直すことで資金のカバーも比較的容易です。
若者の不動産投資【始める際の注意点】
不動産投資において、若者にはアドバンテージもありますが、いくつかの注意点もあります。例えば、属性による融資審査の通りにくさや、不動産投資やビジネスの基礎知識が不足していることです。若者が不動産投資を始める際の4つの注意点を解説します。
融資審査に通りにくい
低金利な不動産投資ローンほど審査基準は厳しく、物件の収益性だけでなく、借入人の属性も慎重に審査します。例えば年収や勤続年数といった、給与収入の安定性です。
若者は40代や50代に比べると低年収であることが一般的で、好条件な融資を受けにくい傾向があります。好条件な不動産投資ローンは審査に通らない恐れもあるので、日本政策金融公庫や地方銀行など、若者への融資に力を入れている金融機関の不動産投資ローンを検討しましょう。
ビジネスの知識が不足している
融資を受けて不動産投資を始めた場合、さまざまなリスクに対応しながらマンション経営を続け、ローン完済まで毎月返済していきます。建物管理・賃貸管理といった実務は管理会社に委託できますが、安定経営のためにはオーナーのビジネススキルや的確な意思決定が不可欠です。
しかし、若者はビジネス全般の基礎知識・スキル・ノウハウが発展途上なので、物件選びから安易な判断をしてしまう傾向があります。不動産投資を始める前に周辺知識を深め、始めた後も積極的に勉強を続けることが大切です。
借入の比率の高さでキャッシュフローが圧迫される
不動産投資における融資は高額なので、頭金をいくら用意するかで毎月の返済負担が大きく変わります。融資基準によっては頭金の必要がないフルローンも組めますが、借入金が大きいほど毎月の利益は圧迫されるため、安定経営のために頭金を入れるのが一般的です。
しかし、若者は貯蓄が比較的少ないので、投入できる自己資金は限られます。借入比率が高いとキャッシュフローはマイナスになるケースもあるため、空室リスクや修繕リスクに対応できる収支計画を立てることが大切です。
インターネット上の情報だけで判断しがち
若者はインターネット上だけの情報に頼りがちで、プロに相談することなく不動産投資を始める傾向があります。物件情報はインターネット上で検索でき、膨大な物件を比較すると詳細に検討したように感じるかもしれません。しかし、掲載される物件情報は表面利回りや築年数といった、断片的な情報であることも多いのが実情です。
好条件に見える物件でも、実際は空室リスクや修繕リスクが高く、年間支出を加味すると利益を生まないケースもあります。しっかりと現地調査をした上で、不動産投資のプロに相談することが大切です。
若者の不動産投資【始めるために必要な準備】
若者は40代や50代の不動産投資家より、いくつかの面で不利です。不利な条件を放置したまま不動産投資を始めると、失敗するリスクが高くなるといえます。不動産投資を始める前に、自己資金・社会的信用力・知識といった不利な条件を解消しましょう。
自己資金の準備をする
不動産投資を始めるに当たっては、不動産投資ローンの頭金の他、さまざまな費用がかかります。例えば、金融機関に支払うローン手数料や、不動産登記にかかる登録免許税などです。
初期費用がかかるので、総額を計算して自己資金を準備しましょう。頭金0のフルローンを組んで初期費用を抑えるとしても、キャッシュフローの悪化時に対応できるように貯金しておくことが必要です。
社会的な信用力を高める
若者は不動産投資ローンの審査で不利になりやすいので、審査に向けて社会的な信用力を高めましょう。審査基準の目安は、勤続年数3年以上かつ年収500万円以上であるともいわれています。
大企業に勤めていたり公務員や士業であったりすれば、若者でも好条件の融資が期待できるでしょう。しかし、自営業者は年収が不安定と判断されるので不利な傾向です。安定した職業に就いているなら離職は避け、年収に不安があれば転職やスキルアップなど、早めに対策を講じましょう。
不動産投資やビジネスに関する知識を得る
不動産投資は「始めれば誰でも成功する」というほど単純ではありません。ビジネスの基礎知識や不動産投資の知識・ノウハウが不足していると、適切なリスクヘッジが考えられず、長期的かつ実践的な運用計画も立てられません。
適切な不動産投資会社選びや物件選びをはじめ、リスクに耐えられる収支計画の立案も不可欠です。運用中に計画の軌道修正が必要な状況もあり得るでしょう。関連知識を幅広く吸収し、正しい情報を得ながら理解を深めることが大切です。
若者の不動産投資【適した投資物件の選び方】
投資物件の購入に当たって不動産投資ローンを組むと、売却するにはローンの完済が必要です。購入した物件は簡単に手放せないので、物件選びは慎重に検討しましょう。若者に適した投資物件を選ぶポイントは、投資目的に合う物件のタイプを考えることと、まずは住み慣れたエリアの物件を選ぶことです。
自分に合う投資物件のタイプを考える
不動産投資で購入する物件は、マンションなのかアパートなのか、区分なのか一棟買いなのかといった違いがあります。新築か中古か、また中古でも築年数は何年程度なのかも考えると、物件のタイプは多種多様です。
物件のタイプによってメリット・デメリットが異なり、適した運用方法にも違いがあります。投資目的を明確にして、自身に合った物件のタイプを見極めることがポイントです。
地域事情に詳しいエリアで投資を始める
マンション経営をする上では、物件の立地は非常に重要です。エリアによって賃貸需要や家賃相場は異なり、同エリア内でも駅からの距離で空室リスクは変わります。
しかし、立地の見極めには詳細なリサーチが不可欠です。最初の投資物件であれば、住み慣れたエリアをおすすめします。入居者目線で地域事情を把握しているエリアなら、ニーズやターゲットを考えやすく、物件の良し悪しも判断しやすいでしょう。
若者の不動産投資【成功するためのポイント3つ】
不動産投資ローンを組むと、自己資金の投入を抑えて不動産投資をスタートできます。しかし、返済負担を考慮しなければ、マンション経営が困難になるかもしれません。
不動産投資ローンは慎重に選びましょう。また、勧誘情報を鵜呑みにせず、信頼できるビジネスパートナーに相談することも大切です。若者の不動産投資を成功に導くためのポイントを3つの観点から解説します。
不動産投資ローンは慎重に選ぶ
不動産投資ローンは頭金を要するローンの他に、頭金0のフルローンも選択できます。フルローンは初期費用を抑えられますが、月々の返済額が大きいので、キャッシュフローは悪化しやすいのが懸念点です。
ローン完済まで問題なく返済し続けられるかを考えたとき、毎月の返済負担を小さくするのが無難といえます。できるだけ長期ローンを組む、安易にフルローンを選択するのではなく、突発的な支出も加味するなど、リスクに対応できる返済計画を考えましょう。
勧誘の情報を鵜呑みにしない
インターネット上の物件情報は高利回りや優良物件であることを強調するものが多く、一見すると魅力的に思えるかもしれません。しかし、不動産投資の勧誘情報の中には、物件の一面だけを取り上げたものもあることを認識しておきましょう。
物件価格が安いほど表面利回りは高く見えますが、年間支出を加味した実質利回りで見れば不利な物件もあります。また、設備に不具合や欠陥があり、購入後に高額な修繕費が発生するケースもないとは言えません。勧誘情報を鵜呑みにするのではなく、リスクをリサーチした上で冷静に判断することがポイントです。
信頼できるビジネスパートナーに相談する
不動産投資は物件選びから運用中のリスクヘッジ、売却のタイミングや2件目の購入まで、さまざまな面で意思決定を要します。広範かつ専門的な知識が必要なので、経験の少ない若者が独自の判断だけで不動産投資を成功に導くのは困難でしょう。
実績豊富な不動産投資家との情報交換はもちろん、金融機関との関係構築や、信頼できるビジネスパートナーとの連携も大切です。不動産投資会社とビジネスパートナーになれば、不動産投資のあらゆる面でアドバイスやサポートが受けられます。
初めて不動産投資をするならプロのアドバイスを受けよう!
若者が不動産投資を始める際には、ビジネスや不動産投資の基礎知識が不足しているケースが多く、リスクヘッジは難しいかもしれません。
初めての不動産投資なら、プロから的確な情報とアドバイスを得られるかどうかは大きなポイントです。物件探しや賃貸管理、その先の売却相談までトータルで相談できる会社への相談をおすすめします。プロのサポートやアドバイスを生かしながら、長期的な目線で資産形成を目指しましょう。
まとめ
不動産投資は早い段階で始めるほど豊富なリターンや実績が得られるので、やる気や体力も十分な若者にはアドバンテージがあります。ただし、属性や知識の不足でマンション経営が困難になるケースもあるため、信頼できるプロと連携することが大切です。
若者が不動産投資を始める際は、不動産仲介・賃貸管理・売却相談までワンストップでのサポートが受けられるような会社への相談をおすすめします。疑問や不安を1つずつ解消しながら、マンション経営を進められることがメリットです。サポート体制にも目を向けて、堅実な資産形成を実現させましょう。