不動産投資の大規模修繕とは? 必要性や修繕内容

不動産投資の大規模修繕とは? 必要性や修繕内容|株式会社イー・トラスト

不動産を取得し、入居者が入れば、それだけで安定的な収益を得られるわけではありません。経年劣化による修繕や法律で定められた点検、機器の交換等のメンテナンスが必要です。

これらを怠ると、資産価値が下がったり、居住環境が悪化したりして、収益にも影響を及ぼすでしょう。そこで今回は、不動産投資における大規模修繕についてご紹介します。

不動産投資における大規模修繕とは?

不動産投資における大規模修繕とは?

不動産に限らず、モノは経年劣化するものです。しかし、しっかりしたメンテナンスを行うことで、経年劣化を軽減できます。

不動産投資における大規模修繕は、定期的かつ計画的行うことが大切です。突発的な支出を軽減でき、入居者が快適に住めるとともに、資産価値の維持にもつながります。結果、安定的なキャッシュフローを期待できるでしょう。

入居者が住み続けられる環境を作る修繕計画

2000年以降に建築されたマンションには法令等が整備されたため、しっかりした大規模修繕計画が組まれるようになりました。

さらに2008年には国が共通の維持・管理のためのガイドラインを作成し、安全かつ計画的に維持管理できるようになりました。設備の点検や修繕の必要性の有無を定期的に確認することになったので、安全かつ快適な住環境が確保できるようになりました。

入大規模修繕工事は10~15年に一度程度実施

大規模修繕は、設備の耐用年数に合わせて10~15年単位で行われるのが一般的です。しかし、耐用年数が到来したから直ちに不具合が発生するわけではありません。

全て修繕を実施するか、小規模な修繕に留めるか、または修繕そのものを先延ばしするかなどの判断は、所有者で構成されるマンション管理組合の方針に委ねることになります。

大規模修繕では不動産オーナーが費用を負担

マンションの修繕費は、大規模修繕計画に則って、修繕積立金として準備します。その負担は入居者でなく所有者が行います。

費用負担の割合は、マンション管理組合であらかじめ決められています。しかし、持分(床面積)に合わせたものや、持分に関係なく一律にするものなど、マンション組合によって異なります。

国が公表している修繕積立金のガイドラインでは、修繕積立金の1か月当たりの目安は、1平方メートル当たり178~218円とされています。

大規模修繕は不動産投資でも必要不可欠

マンションを長持ちさせ、入居者に快適に住んでいただくためには、大規模修繕を計画的、定期的に行うことは必要不可欠です。

時おり「大規模修繕は不要」という考え方を耳にしたことがあるかもしれませんが、それは古い物件やアパート等を一棟まるごと所有する場合や、大規模修繕が必要となる前に売却をする場合に限られます。

大規模修繕を定期的、計画的に行っているかどうかは、入居者の確保だけでなく、物件の資産価値にも影響を与えることになります。

大規模修繕で修繕する内容とかかる費用

大規模修繕で修繕する内容とかかる費用

マンションには、さまざまな設備があるので、その修繕の内容やかかる費用の相場、修繕する時期が異なります。そのため、それぞれの設備の状況を考慮した、長期修繕計画を立てることが重要です。

ここでは、設備ごとに工事の内容、修繕や改修のサイクル、目安となる費用の相場などを紹介します。

外壁関連の工事

工事費用が工事全体の3割を占めると言われている外壁関連の工事には、塗装、吹き付け、タイルの張替え、鉄部の防錆、シーリング(コーキング)があります。

改修工事のサイクルは12年(鉄部の防錆は30年、修繕サイクルは6年)です。劣化状況にもよりますが、1平方メートル当たりの工事費用は1万円前後が相場とされています。

なお、外壁工事の流れを塗装工事の例にすると、

  • 1.足場組み
  • 2.清掃・養生
  • 3.下塗り、中塗り、上塗り
  • 4.仕上げ

になります。規模にもよりますが、工事期間は12日程度です。

給排水設備の工事

給排水設備には次のものがあります。

  • 1.受水槽
  • 2.揚水ポンプ
  • 3.揚水管
  • 4.高架水槽
  • 5.給水立管・給水横引管
  • 6.排水立管・横引管
  • 7.排水桝
  • 8.住戸内給水管・給湯管
  • 9.住戸内排水枝管

給水管が劣化すると、「水の出が悪い」「水漏れがする」「赤水が出る」などのトラブルが発生します。また、排水管は劣化すると、「水の流れが悪い」「水漏れがする」「悪臭がする」などのトラブルが発生します。

給排水設備の工事には、給水管・排水管の補修・交換や、給水ポンプの交換などがあります。給水管の交換サイクルは30年、修復サイクルは10年、排水管の交換サイクルは20~30年です。

工事費用の目安は、給水管の補修工事に120万円、排水管の補修工事に140万円、給水ポンプに80-200万円ほどかかります(マンションの規模によって異なります)。

給湯設備の工事

給湯設備には、給湯器や給湯管があります。給湯器が劣化すると、お湯の温度が一定でなくなったり、異音がしたりするなどがあり、やがてお湯が出なくなります。

給湯設備の改修サイクルは10年です。工事費用は給湯器の交換が12~45万円、設置費用3~5万円です(機能や号数によって異なります)。

工事日数は、給湯器の交換だけであれば半日から1日です。ただし、給湯器の燃料を変更する場合、配管工事が必要なため、さらに日数を必要とします。その間はお湯を使用することができません。

なお、給湯器の号数は、25度のお湯を1分間に何リットル供給できるかの給湯能力を表します。例えば20号の場合、春秋には20リットル、冬は14リットル供給できる能力があります。

ベランダやバルコニーの工事

ベランダやバルコニーは住宅の屋外にあり、雨風にさらされるので、防水性や防錆などの耐久性をしっかり維持しておくことが大切です。

ベランダやバルコニーの工事は、手すりの防錆塗装、床面防水工事があります。なお、防水にはウレタン塗装を塗るウレタン防水、ガラス繊維にポリエステル樹脂を含ませたマットを貼り付けるFRP防水、ゴムや塩ビなどの素材で作られたシートを上から貼り付けるシート防水があります。

1平方メートル当たりの工事費用は、ウレタン防水は3,000~7,500円、FRP防水は4,000~8,000円、2,500~7,500円が相場です。改修サイクルは10~14年、修繕サイクルは5年です。

ちなみに、「ベランダ」は屋根のある、「バルコニー」は屋根のない、住宅の外に張り出した屋外スペースを言います。

屋上防水の工事

一軒家の屋根のような傾斜がない屋上の場合、水が溜まりやすいので、溜まった水が沁み込まないよう、屋上に防水工事を行ないます。

屋上の防水には、ベランダ・バルコニーでも行われるウレタン防水、FRP防水があります。他に、合成繊維不綿布にアスファルトを染み込ませ、周りにもコーティングしたシート状のルーフィングを用いたアスファルト防水と、シート状の材料を用いて防水層を作るシート防水もあります。

シート防水の材料には、オゾンや紫外線に強い塩化ビニール樹脂と、伸縮性に優れているゴムシートを使用します。改修サイクルの目安は10~14年ですが、アスファルト防水は15~20年です。

1平方メートル当たりの工事費用は、シート防水の場合は4,000~7,000円程度、アスファルト防水の場合は5,500~8,500円程度で、耐用年数が長い分、アスファルト防水は高めになります。

玄関ドアのリフォーム工事

玄関ドアのリフォーム工事には、鉄部塗装、表面塗装、ドア交換、ドア付属部補修などがあります。それぞれのリフォームサイクルは、大規模修繕を12年ごとにする場合、下記が目安です。

1回目:玄関ドア枠の錆や損傷個所の塗装の塗替えや補修
2回目:蝶番、ドアクローザー、戸当たりゴム、ドアノブなどの付属金属の補修・塗装
3回目:玄関ドア本体の交換

費用の目安は、一個につき補修の場合は5~10万円、玄関ドア本体の交換の場合は20~30万円です。

なお、玄関ドアは、内側は専有部分ですが、外側は共用部分になるため、個人が勝手にリフォームすることはできず、規約に従うことになります。

電気系統設備の工事

電気設備には、照明器具(共用灯など)、電・変電設備(受電盤・配電盤、引込開閉器などコンセント・配線など)、共同視聴装置(テレビアンテナ、分電盤など)があります。

受電・変電設備は、中規模以上のマンション(契約電力が50キロワット以上)の場合、キュービクル(高圧受電設備)に引き込こんで、変圧してから引込開閉器盤を通じて、各家庭に電気が送られます。

キュービクルの交換サイクルは20~30年、引込開閉器盤は20~25年です。共用灯はLED化することで、消費電力の減少、寿命が増加することで費用をおさえられます。しかし、LED電球の価格の高いところがデメリットです。なお、共用灯などの照明器具は、法定耐用年数が15年です。

工事費用の相場は工事規模や機器によって異なります。コンセントの場合は、配線を含めて8,000~1万6,000円(新設配線は2万6,000円)、照明器具(LED化含む)は8,000円程度でしょう。

空調設備の工事

空調設備は、温度や湿度の調整や室内の空気をクリーンにする機能を持ち、冷凍機・ファン・熱交換器・加湿器・エアフィルタで構成されています。家庭内ではエアコン、マンションや商業施設などでは空調機と呼ばれています。

換気設備は、室内の汚れた空気を排出し、屋外から正常な空気を取り入れる設備で、換気扇ダクト、ルーフファン、排気ダクト、給気ダクトなどで構成されています。また排気設備は、建築基準法により全ての建物に設置が義務付けられています。

エアコンの工事費用の相場は、修繕の場合は1~15万円(故障の度合いによる)、交換の場合は5~15万円でしょう。修繕サイクルは5年、改修サイクルは15年です。

排気設備の工事費用の相場は、換気扇ダクトが3~5万円、ルーフファンが7~10万円、排気・給気ダクトは50~60万円ほどかかります。換気設備の修繕サイクルは10年、改修サイクルは30年です。

消防用設備の工事

消防法では、マンションの規模ごとに必要な消防設備の設置が、また、耐用年数に応じて消防設備の交換や定期点検が義務付けられています。

マンションで必要となる主な消火設備は、スプリンクラー(11階以上)、消火器、屋内・屋外消火栓設備、自動火災報知器、避難はしごなどがあります。

消火栓の交換は10年ごと、屋内消火栓の耐用年数は20~25年ごとです。消火ポンプの点検補修は10年ごと、消火栓ホースは3年ごとに耐圧点検が必要になります。火災警報器の交換は10~20年、避難はしごは25~30年ですが、定期点検で不具合が発生した場合は、即時交換が必要です。

また、スプリンクラーの法律上の耐用年数は8年です。これに付随する消火ポンプは10年で補修が必要になります。補修工事にかかる費用の目安は、規模等によりますが、概ね50~150万円でしょう。

昇降機設備の工事

昇降機設備(エレベーター)は、建築基準法では高さ31メートル(マンションだと7階建てに相当)以上に建物に設置義務があります。

昇降機は、年1回の定期点検と月1回の保守点検が建築基準法で義務づけられています。昇降機は法律上の耐用年数を17年としていますが、メーカー側では、メンテナンスをしっかり行っていれば25~30年は使用できるとしています。

昇降機設備の工事には、全てを交換する方法と、使えるものはそのままで一部を交換する方法があります。

費用の目安は、全てを交換する場合は1,200~1,500万円、一部を交換する場合、制御盤・電動機を交換する場合は500~700万円です。巻き上げ機やドアなどを交換する場合は700~1,000万円になります。

工事期間は全交換で25~40日、一部交換で3~25日程度でしょう。その期間中、昇降機は利用できません。

共用内部の補修工事

共用内部の補修工事には、エントランスのオートロック化や自動ドア化、照明LED化、階段の手すり取り付け工事などがあります。それぞれの費用の目安は下記の通りです。

  • エントランスのオートロック化:80万円
  • 自動ドアの設置は120万円
  • 照明のLED取り換えは:1か所につき5,000円
  • 手すりの取り付け:30万円(規模による)

なお、これらの補修工事は、マンションの利便性や資産価値の向上を目的として行う修繕なので、必ず行わなければならないものではありません。そのため修繕計画に組み込まれてないことが多く、当初予定していた修繕費を上回る可能性があります。

その他にかかる費用

その他にかかる費用には、修繕がどの程度必要かを事前に調査する劣化診断費用、大規模修繕を行う場合の足場設置費用、修繕工事で出た産業廃棄物処分処理費用などです。修繕がしっかり行われているかを監視するため等のコンサルタント費用もあります。

費用の目安は、修繕費用が1,000~3,000万円規模の場合、足場設置用は300万円、産業廃棄物処分必要は50万円ほどでしょう。劣化診断費用は50万円、コンサルタント費用は総額の10%程度です。なお、コンサルタンド費用は必須のものでないため、断ることも可能です。

大規模修繕によるコスト負担の割合は?

大規模修繕によるコスト負担の割合は?

大規模修繕によるコスト負担の割合は、マンション管理組合によって異なります。専有部分の床面積や、広さに関係なく一律にしているところもあります。

平成23年に国土交通省が公表した『マンション修繕積立金のガイドライン』によると、1か月当たりの修繕積立金は20階以上で1平方メートル当たり206円、15階未満で1平方メートル当たり178円~218円です。

積立方法は「均等積立方式」と、徐々に値上がりしていく「段階増額積立方式」があります。また、取得時に修繕積立基金を徴収する方法や、修繕時に一時金の徴収を積立方式と併用する方法があります。大規模修繕にかかる費用の積立方法等は、あらかじめ確認しておくことが重要です。

大規模修繕を視野に入れた不動産投資の物件選びのポイント

大規模修繕を視野に入れた不動産投資の物件選びのポイント

一般的に新築物件の場合、修繕の必要性があまりないので、積立額を低く抑えている場合があります。一方、築年数が古くなるほど、工事が増えて積立残高が減少し、積立額を増額したり、積立とは別に一時金を徴収したりすることがあります。

修繕積立金はキャッシュフローにも関係するので、積立額が適正か、将来増額が予定されているかの確認が重要になります。

修繕積立金の価格が適正かを確認しておく

修繕積立金は、積立額が高いとキャッシュフローに影響を及ぼします。逆に、積立額が低いとキャッシュフローには良いですが、後に追加の修繕費が請求されたり、積立額が増額したりすることもあり、油断はできません。

そのため、修繕積立金の積立額が適正かどうかを確認することは重要です。適正価格の参考になるデータとして、国土交通省が公表している「マンション修繕積立金のガイドライン」があります。

修繕積立金が将来的に引き上げられる可能性がないかを確認しておく

修繕積立金の積立方法には、積立額が変わらない「均等積立方式」、段階的に積立額が増額する「段階増額積立方式」があります。また、積立とは別に修繕時に一時金を徴収する場合もあります。

国土交通省の『平成30年度 マンション総合調査』によると、長期修繕計画の見直しを定期的に行っている管理組合は約56%、一方修繕工事の直前が約12%、修繕工事直後が10%です。長期修繕計画の見直しすることで必要となる修繕費も見直され、修繕積立金の積立額にも影響があります。

そのため、修繕積立金の積立方式や積立額の見直しするタイミングなどを確認することが重要です。

不動産投資で大規模修繕をする際のポイント

不動産投資で大規模修繕をする際のポイント

大規模修繕には多くの費用や時間を必要とします。そのために長期修繕計画を立て、修繕積立金で準備をすることが大切です。

また、修繕工事は専門の業者に依頼することが一般的ですが、その場合の業者選びを間違うと思わぬ追加費用が発生する場合があります。

修繕計画やその準備、業者選びをしっかりやることが大規模修繕にとって重要なポイントになります。

修繕対象は専有部分と共用部分に分かれる

マンションに適用される法律『建物の区分所有等に関する法律』(区分所有法)では、マンションは専有部分と共有部分に分類されます。

共用部分は、専有部分以外のエントランスや廊下、階段、共用灯や給排水設備、電気設備など、居住者が共同で使用する部分です。

共用部分の将来に必要となる修繕費は、修繕積立金で賄います。修繕積立金は長期修繕計画に組み込まれ、マンション所有者で構成される管理組合が管理しています。

大規模修繕は2か月~3か月程度かかる

大規模修繕は、作業する足場を組むところから始めるため、小規模のマンションであっても2~3か月程度の工事期間が必要です。

また、工事関係者や資材が往来するので、居住者や近隣住居者への配慮が必要です。そのため準備期間に1年以上を要することもあります。

工事業者の選定や工事計画の立案などで時間がかかる場合があるため、準備期間を含めた全体の工事計画を早めに立てることが大切です。

信頼できる業者に修繕を依頼する

大規模修繕は業者に依頼することになりますが、業者によって費用や品質(工事の出来栄え)が異なるので、費用が安くて信頼できる業者選びがポイントです。

まずは、複数社に連絡して見積もりを取るとともに、工事内容やその費用が適正かを確認するために、専門家に建設診断を依頼しましょう。

業者の過去の工事実績や評判などもホームページなどで確認するとよいでしょう。工事費が安いだけで依頼するのでなく、品質がしっかりしていることを確かめる作業は重要です。

進捗状況をしっかり確認する

業者に工事依頼をすれば、それで仕事は終わりではありません。もし工事が長引いてしまうと、入居者や近隣居住者にも迷惑をかけることになります。

したがって、定期的に工事の進捗状況を確認する必要があります。工事に遅延が発生している場合はその理由を確認し、遅れが出ないようにしましょう。業者によっては、定期的に進捗状況を報告するところもあります。

不動産投資の修繕費用を安く抑える方法

不動産投資の修繕費用を安く抑える方法

大規模修繕に限らず修繕費は高額になるので、できるだけ安く抑えたいものです。しかし、やみくもに安くするのでは、工事の品質を落としかねず、追加の費用が必要になることもあります。

品質を落とさず賢く費用を抑えることが、不動産投資の収益性の向上や、不動産の資産価値の低減の抑制につながります。

中間マージンを抑える

修繕の規模に関わらず、修繕費の費用を抑えるには、まず中間マージンを抑えることが大切です。

修繕工事を業者に発注する方法には「管理会社発注方式」と「責任施工方式」に大別されます。

管理会社発注方式は、マンション管理会社の下請けとなる業者に工事を発注する方式です。工事後の確認まで行ってくれるので、所有者は業者の選定や工事の確認などの負担が軽減されます。しかし、それらの手間が省ける分、中間マージンが発生します。

一方の責任施工方式は、所有者が自ら業者を選定する方式です。業者との選定や調整等、所有者の負担があります。しかし管理会社が間に入らないので、中間マージンがありません。結果、修繕費を低く抑えることができます。

相見積もりをする

業者を選定するときは、複数社から相見積もりを取ることが重要です。相見積もりは業者間で競争することにもなるので、修繕費を抑えるのにも有効です。

見積もりを比較していると、業者間の価格の違いや、工事の内容等、疑問に思う点がいくつか出てくるかもしれません。その場合は遠慮せず、どんどん問い合せてみましょう。不動産投資をする上で勉強になることが多いからです。修繕費の相場の確認にもなり、将来の修繕計画の参考にすることもできます。

最終的に依頼する業者を決定するときの注意点として、価格の安さを重視しすぎるのではなく、工事の品質や評判なども考慮しましょう。

不動産投資の修繕費用は経費として計上できる

不動産投資の修繕費用は経費として計上できる

修繕費は、原則として必要経費や損金(以下経費)に計上することができます。しかし、その工事が修繕でなはなく、「資本的支出」に該当する場合、経費に計上することができません。

資本的支出とは、資産を改良する、使用可能年数が延長する、などによって資産価値を高める支出をいいます。

具体例として、建物に非常階段を取り付けたなどの場合や、機械装置等を性能や品質の高いものに取り換えた場合などがあります。用途変更に伴う改造等を行った場合も該当します(機械装置等の通常の取り換え費用は、経費に計上できます)。

経費なのか、資本的支出なのかの判断に迷う場合は、税理士や税務署等、専門家に確認することをおすすめします。

まとめ

まとめ

設備によって費用や修繕時期、工事期間などが異なりますが、大規模修繕を実施して複数の設備をまとめて修繕することにより、費用や工事期間を短縮することが可能です。不動産投資の収益性にも響いてきます。

ただし、大規模修繕だけをやれば良い訳ではありません。定期的な点検の他、電灯が切れたらすぐに交換するなど、小さな修繕も大切です。

入居者に快適に過ごしていただくためにも、小さなことからコツコツと行い、しっかりした修繕計画を立てましょう。
 
 

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