年金受給額の減少や受給年齢の引き上げ、少子高齢化社会など日本は先行き不透明な状態が続いています。
将来に対する不安を解消する策として、昨今では「不動産投資」が注目を浴び始めました。不動産投資は、節税対策や私的年金としての価値、生命保険の代わりになるなど、さまざまなメリットを持ち合わせています。
しかし、不動産投資を始めてみたいと考えていても、何をしたら良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。その中には、不動産投資は投資初心者には向かないのではと不安に思う方もいるでしょう。そこで今回は、不動産投資初心者の方はまずなにをすべきなのか、初心者の方が失敗を避けて成功する確率を高めるための対策などをご紹介していきます。
もくじ
不動産投資で失敗をする初心者の特徴とは
不動産投資初心者の方のなかには、仲介業者と話し合いを行っただけでついすべてをわかったつもりになってしまう方もいます。
しかし実際には、不動産投資の一部分を知っただけであり、そのまま良い部分だけを見て始めてしまうと失敗するケースが多いです。
信頼できる業者に任せることは不動産投資の成功の鍵ですが、常に不動産投資会社からの情報をアップデートして、知識を身に付け、デメリットやリスクなども把握することが重要です。
不動産投資は中・長期的な投資になるので、まずは投資のポイントを抑えること、そして常に必要な情報を不動産会社からもらうことが重要になります。
不動産投資初心者に向いている知識を勉強方法
初心者の方が不動産投資の知識を得るためには、さまざまな方法があります。知識を得る方法としては「書籍を読む」、「動画を視聴する」、「初心者向けセミナーに参加する」、「業者から詳しく話を聞く」、「投資をしている人同士で情報交換する」などがあります。どれも難しいことではありませんので、ぜひ試してみましょう。
不動産投資に関する本
不動産投資に関する本を読むのは、不動産投資初心者の方におすすめの勉強方法です。ネットの情報とは異なって体系的に順を追って書かれており、何度も好きなように読み返せるため、自分の知識を確かなものにすることが可能です。
さらに、不動産投資に関する本は多く、1つの本だけを見るのではなくいろいろな書籍を見て違った視点からの知識を深めることもできます。本によって考え方やアドバイスが異なることもありますので、1つの物事にとらわれず幅広い知識を得ることができます。
本には初心者向けのものから上級者向けのものまであります。ある程度知識が深まったと思ったら上級者向けの本に手を伸ばし、知識をさらに深めることも可能です。知識の幅と視野を広げるためには複数購入することをおすすめします。
不動産投資初心者向けの動画
不動産投資初心者に向けた動画は大手の無料動画配信サイトで数多く投稿されています。無料で視聴できるものも多いので、それらの活用も有効です。
動画を投稿しているのは、専門家や不動産業に携わる方、実際に不動産投資を行っている方などさまざまです。特に実際に不動産投資を行っている方の動画は役に立ちます。
実際に不動産投資を行っている方の感想、失敗談、成功談などの生の声を聞くことで、自分が投資を行う際に活かすことが可能です。
最初は人脈の少なさゆえに生の声を聞くことが少ない傾向にあるので、動画で不動産投資のノウハウを聞くことは有意義な方法です。
不動産投資初心者向けのセミナー
不動産投資初心者向けのセミナーに参加するのも知識を深めるためには大切です。書籍や動画だけでは解決できない疑問点を直接質問することができる点がメリットです。
無料のセミナーは気軽に参加することが可能です。業者に蓄積されたデータや未公開情報、顧客の実例、ノウハウなどを聞くことができます。
また金銭的に余裕があれば、無料のセミナーよりも有料のセミナーの方がおすすめです。無料のセミナーには気軽に行きやすいというメリットがありますが、有料のセミナーではより深い知識を得ることができる可能性が高くなります。
不動産投資に関する業者からのアドバイス
業者からのアドバイスは、これから不動産投資を行っていく上では必要不可欠です。数多くの案件を手掛けている業者は、資金や要望などが異なるさまざまな顧客に提案を行っているので、データやノウハウを持っており、自分がこれから行うべきことの道しるべとなってくれる存在です。
ただし、業者であればどこでも良いというわけではありません。リスクに関することでも親身に答えてくれるような、信頼できる業者のアドバイスを参考にするようにしましょう。
不動産投資を行っている人同士の情報交換
不動産投資を実際に行っている方と話をすることで生の情報を仕入れることができます。
初めのうちは不動産投資を行っている方と一緒に話をする機会はそうそうないかもしれませんが、セミナーに何度か参加をしていると不動産投資を実際に行っている方と知り合う機会ができます。
実際に不動産投資を行っている方と知り合いになれば、近況を報告し合うことができます。気になったことがあれば直接聞いて解決することも可能です。
不動産投資初心者の方が失敗を避けるための対策
不動産投資では初めに高額な資金を投資します。少しでも失敗を避けるためには対策を講じなければいけません。
対策として、全てを業者任せにしないことが挙げられます。能動的に知識を深めたり情報を集めたりして、自分で資産を動かしていくという意志を持つことが重要です。
物件に対して関心を持つ
自分が投資を行おうと思っている物件には深く関心を持ちましょう。また、自分が投資を行おうと思っている物件以外にも常に興味を持っていることが重要です。
いろいろな物件に関心を持って見ることで、自分の知識や視野を広げることに繋がります。どういった物件があるのか、金額はいくらかなどを頭の中に入れておくことで、投資の際により深い知識の中から投資する物件を精査することが可能です。
自分から興味を持って物件を見ていくことで、自身の知識やデータが蓄積されます。実際に物件を見に行く方法以外でも、物件ポータルサイトで最新の情報を頻繁にチェックすることもできます。
勉強の時間をつくる
不動産投資を行うのであれば、事前に基礎的なポイントは把握できる時間をつくりましょう。不動産投資には資金が必要であり、失敗すると生活資金に手を出すことにもなりかねません。
不動産投資は、他の投資と比較すると初期費用がそれなりに必要になるので、最初の物件に関しては慎重に決定する必要があります。
株式の場合は投資する銘柄を分散して購入することができますので、リスクを分散することが可能です。売買を即座に行えるため、資産状況に応じたリスク回避ができます。
一方で不動産投資の場合、賃貸需要の予測や利回り計算などを誤ると赤字になることもあり、ローン金利の返済に苦労するケースも起こりえます。生活資金からローン金利の返済をすることを避けるためにも、事前の勉強は大切なのです。
その代わり、しっかりと運用することができればさまざまな恩恵を受け取ることができるので、勉強する価値の高い投資になっています。
日本や海外の経済情勢に関する情報を集める
不動産投資を行うのであれば、日本だけでなく海外の経済情勢にも目を向けてみるのも良いでしょう。特に海外の経済情勢に目を向けた方が良いのは、不動産価格が安いときに購入し、高くなったときに売却して利益を得る「キャピタルゲイン」を行う方です。
世界の経済と日本の経済は繋がっています。例えばアメリカが日本車に対しての関税を上げた場合、日本の自動車関連会社の株価は下落します。そうなると日経平均株価も下落し、連鎖的に日本全体の経済情勢が悪化することも考えられます。
日本の経済が悪化すると、不動産の需要が下がり、不動産価格も下落してしまいます。世界の経済情勢に関する情報を常に集めておくことで、景気変動への対応が遅れず、損をするのを回避できる可能性が高まります。
税金に関する知識を学ぶ
不動産投資でより利益を出すには、税金に関する知識を学ぶことも必要です。不動産投資と税金は密接な関係にあります。
サラリーマンの方の場合、不動産投資を行うことで節税効果を得られることがあります。会社からの給与所得と不動産投資で得た所得を合算して所得税や住民税が計算されます。その際、建物の減価償却費やその他の経費とできるもの全てを計上することで、不動産投資での所得を赤字にできます。
不動産投資が赤字の場合、給与所得から不動産所得の赤字を差し引いた値が課税対象所得となります。課税対象所得が減れば所得税や住民税も減り、結果的に節税効果を生むことになります。
経験者から成功談と失敗談を聞く
経験者からの話を聞くことで、不動産投資者の生の声を聞くことができます。
実際に不動産投資を行っている方の成功談を聞くことで、自分が行っていることと比較ができます。成功している方の行動は、実際に運用がうまく回っていることから説得力がありますので、まねをすることも有用な手段です。
また、失敗談を聞くことによって失敗するリスクを回避することができます。自分が行っていることと同じようなことを行って失敗しているのであれば、失敗する前に投資方法を修正することが可能です。
もちろん、成功談も失敗談も自分と全く同じ物件におけるケースではないので、全てを同じにした方が良いとは限りません。しかし、さまざまな体験談を聞いておくことで今後起こり得るリスクに備えておくことができ、慌てずに対応できます。
不動産投資初心者かどうかに限らず、業者とのコミュニケーションが大切
自分で知識を深めたり学んだりすることは非常に重要です。実際に不動産投資を行っている方の経験談を聞くことも、将来起こり得るリスクの回避や成功への道筋を探るためには有用です。
加えて、最終的に不動産投資を業者に依頼するのであれば、投資を行う業者とのコミュニケーションを取ることもおろそかにしてはいけません。
不動産投資の業者に丸投げしないことが大事
不動産投資の業者に投資に関することを全て丸投げし、任せきりにしないことも大事です。 しっかりと知識を身に付け、ただ業者の言われたとおりにするのではなく、自分から積極的にコミュニケーションを取ることが良い物件選びのコツです。
基本的に業者は顧客のことを考えて案内をしてくれます。信頼できる業者を見つけ、情報を共有してコミュニケーションを取り、お互いが良い関係で投資を行える環境を作ることが重要です。
不動産投資に関する疑問はその度に質問しよう
もし疑問が生じた場合、後回しにせずその度に専門家や業者に質問をして解決をしていきましょう。
自分では大したことないと思っている事柄でも、実は重要な事柄であることがあります。投資において、わからないことを放置することは損失を出してしまうことに繋がる恐れがあります。
株式やFXなどを例に挙げると、投資は毎日同じ状況ではないことがわかります。「次の機会に聞けば良い」と思って無為に時間が過ごさないようにしましょう。どんなに小さなことでも気なる点があったら、その都度すぐに質問をすることが大事です。
不動産投資業者と信頼を築くためには礼節が重要
初心者・上級者を問わず、業者と良い関係性を保つためにはしっかりと礼節をわきまえることが必要です。
「親しき中にも礼儀あり」という言葉通り、相手と良好な関係性を築くのであれば礼節をわきまえて接することが重要です。
不動産投資会社で対応してくれる相手も人間です。礼節を欠いた顧客より、礼節をわきまえて良いコミュニケーションを取れる顧客の方が信頼関係を築きやすくなります。業者と信頼関係が築ければ、親身になって相談に乗ってくれたり重要な情報を教えてくれたりすることもあります。
不動産投資の初心者でも、長期的な視点で投資を考えよう
不動産投資を成功に導くには長期的な視点で物事を見ることが大切です。
株式やFXなどは短期間で売買を行って利益を出すことができます。しかし不動産投資の場合は、家賃収入での定期的な利益を得る「インカムゲイン」、価格が安いときに購入して高いときに売却する「キャピタルゲイン」ともに長期的な投資が必要となり、場合によっては数年から数十年かかることもあります。
不動産投資は短いスパンで利益を創出する投資でないので、投資を始めたときから、何十年先を見据え、長期的な視点で利益を生じられるような運用計画を立てることが必要です。
「初心者だからとりあえずは1~2年先だけを見据える」という視点では、成功にたどり着きにくいので注意しましょう
まとめ
ここまで、不動産投資初心者の方がすべきことや失敗を避けて成功するための対策などをご紹介してきました。不動産投資は長期的な運用となるので、初心者の段階から先を見越した運用を行うことで失敗するリスクを低減できます。
そのためには、不動産投資をする際に勉強を行い、業者と話し合い、知識を深めることが重要です。アドバイスをもらいながら運用を行うことで、失敗を避けて成功への道筋をたどることが可能となります。
「どの不動産会社に相談すればいいの?」「なにから始めればいいのかわからない」という人は、ぜひ一度相談してみましょう。