資産運用や老後の資金確保などの理由で、マンション経営を検討している方もいるのではないでしょうか。マンションオーナーになるとさまざまなメリットが享受できる一方、経理や住人とのやりとりなど、マンションオーナーならではの仕事も発生します。
そこでこの記事では、マンションオーナーになることで得られるメリットと、マンション経営で知っておくべきポイントをご紹介します。メリットを知るだけでなく、オーナーが抱えやすい悩みを解決する参考になるでしょう。
もくじ
マンションオーナーになるメリット
近年、サラリーマンが投資用マンションを購入してサラリーマン大家になるなど、マンション経営のハードルが下がりつつあります。マンション経営にはメリットが多く、興味をお持ちの方も多いでしょう。
マンション経営では、すぐに安定収入が得られるだけでなく、生命保険の代わりになるなど長期的なメリットもあります。ここではマンションオーナーになることで得られる4つのメリットについて解説します。
安定した収入を得られる可能性があること
投資用のマンションを所有し賃貸として貸し出すことで、安定した収入を得られます。賃貸物件の場合、入居者がいる間は家賃が毎月振り込まれるのは大きな魅力です。適切な管理会社に管理を任せれば、自分で細かい雑務を処理せずにいわゆる「不労所得」を得られます。
また、家賃収入以外にも、マンション内や土地内に自動販売機を設置したり、月極駐車場を用意したりすれば家賃以外の収入も期待できます。入居者が便利だと思える設備を用意しておくことで、より安定した収入へとつながるでしょう。
税金対策
マンション経営で得る不動産所得は税金対策にも有効です。給与所得と不動産所得の両方がある方の場合、所得を合算して納める税金の額を算出します。不動産所得は「損益通算」ができるため、給与所得のプラス分を不動産所得の赤字分で相殺して、税金の負担を軽くすることが可能です。
不動産投資を始めたばかりの頃は、物件の購入費や設備投資などにより赤字が出ることはよくあります。そのため、不動産収入分の税金を減らせるばかりか、そのほかの収入にかかる税金の負担軽減にもつながります。
また、マンション経営は相続税対策にも効果的です。現金を相続する場合は、相続した額をもとに相続税の金額を算出します。しかし、不動産を相続する場合は固定資産税評価額を元に評価されるため、現金で相続するよりも大幅に課税対象額を抑えることが可能です。
少ない自己投資で始められること
投資用マンションの購入では、購入物件を担保にローンを利用できます。ローンを組む場合は、頭金として5~10%ほど用意すれば足りるため、初期投資を抑えられます。もちろん購入後はローン返済がありますが、適切な家賃を設定しておけばローンを返済しながらも利益が上がるでしょう。
しかし、少ない自己投資で始められるとはいえ、入居者が集まらなかったり家賃をローン返済額よりも低くしか設定できなかったりすれば、利益の確保が難しいケースも考えられます。そのため、入居者が決まりやすく収益性の高い物件を購入することが大切です。購入前に信頼できる不動産会社に相談しながら進めましょう。
生命保険代わり
マンションの所有は生命保険の代わりにもなります。ローンを組む際に「団体信用生命保険」に加入すれば、借りている人に万が一のことがあったときに支払いが免除されます。遺族が代わりにローンを支払う必要がなく、家賃収入も遺族が受け取れます。遺族に負担をかけずに財産を残せるのもマンションオーナーになるメリットです。
また、借りている人が病気や大きなケガを負った場合、マンションは収入保障保険の役割も果たします。会社員が病気になると仕事ができなくなり、休職期間が一定以上になると退職を考える必要が出てきます。しかし、マンションオーナーの場合は、家賃の入る仕組みを確立しておけば、自分自身が働けなくても安定した収入を得られるでしょう。
マンションオーナーになる上で押さえておきたいもの
マンションオーナーになることにはさまざまなメリットがあるとはいえ、どのような物件でもよいわけではありません。メリットを最大限に享受するには、需要と収益性の高い物件を選ぶことが大切です。
ここからは、マンションを購入するときに見ておきたいポイントと、マンションオーナーになる上で押さえておきたいポイントを解説します。ひとつのマンションだけを見て決めるのではなく、複数の物件を比較してベストな物件を見つけましょう。
立地
マンション経営で毎月安定した収入を得たいのであれば、立地のよいマンションを選ぶことが重要です。まずは賃貸需要の高い駅やエリアを探しましょう。賃貸需要は人口が多いほど高まるため、郊外より都市部のほうが条件がよいとされています。
また、駅やバス停から近い立地は人気が高く、入居者が決まる可能性が高まります。一方で、交通の便が悪い場所や周辺にコンビニやスーパーなどの店舗がない立地は、人が集まりにくいかもしれません。
毎月の家賃
毎月の家賃は、適正な額を設定することがポイントです。利益を上げるために家賃を高く設定しがちですが、立地や物件の条件と家賃設定が釣り合っていなければ入居者も現れません。入居者が少なく空室が増えると安定した収入を得にくいため、高すぎる設定は避けたほうがよいでしょう。
一方で、マンションの空き室を埋めることを優先して低い家賃設定にすると、本来得られる利益よりも低い収益しか上げられません。家賃は自分自身で決められますが、立地や設備などを考慮して適切な金額を見極めるのは難しいケースが多いといわれています。
家賃設定に迷う場合や空き室が埋まらない場合は、信頼できる不動産会社に相談してアドバイスをもらってはいかがでしょうか。
ローン
投資用のマンションを購入する際、多くの方がローンを利用します。ローンは毎月支払っていくもののため、無理のない返済額を設定することが大切です。しかし、あまりにも返済額が低すぎると、元金が減らずローン返済期間が長くなってしまいます。
借り入れする方の年齢によっては返済の継続が難しくなる恐れがあるため、何歳までにローンを完済したいかを考え、それにあった毎月の返済額を設定しましょう。いつもより多めの収入が期待できるボーナス月は多めに返済するなど、計画的に繰り上げ返済をするのもおすすめです。
フットワークの軽さ
条件に合うマンションに巡り合いたいのであれば、フットワークの軽さも重要です。気になるマンションを見つけたら、物件の閲覧とは別にマンション周辺の環境を自分の目で確認しましょう。治安はどうか・近隣にコンビニなどはあるか・騒音問題はないかなど、実際にその場所に行ってみないとわからない点はいくつもあります。
フットワークが軽い人は購入前に何度も現地に足を運ぶことができるため、需要の高い良質な物件に出会える可能性が高まります。
トラブルを解消できるだけの柔軟さ
物件トラブルにきちんと対処できる柔軟さも、マンションオーナーに求められるポイントです。騒音や設備の故障、マンション共有部分でのクレームなど、マンション経営をしていると数々のトラブルが発生します。マンションオーナーになると、クレームやトラブルの内容を確認し、どうすれば入居者が納得するかを考えて行動に移す必要があります。
設備の故障などでは1日でも早く復旧できるよう管理会社や修理業者と調整しなければなりません。マンションオーナーには、トラブルを先延ばしにせず柔軟に対応し、住民の満足を高めるよう努める姿勢が求められます。
管理会社
マンションオーナーになった後は、物件の管理を任せている会社とこまめにコミュニケーションをとりましょう。投資用のマンションの場合、物件の細かな管理をオーナー自身が行うケースは少なく、管理会社に任せることが多いようです。
マンション設備の故障や住人同士のトラブル、入居者からのクレームはオーナーではなく管理会社に入ります。管理会社が逐一報告してくれればよいですが、任せっぱなしにしていると報告が遅れ、問題が深刻化する恐れもあるでしょう。信頼できる管理会社を見つけた後も、定期的に問題が発生していないか確認することが大切です。
マンションオーナー特有の悩みを解消する方法
マンション経営を始めると、予想外の悩みに直面します。身近にマンション経営をしている方がいれば相談できますが、周囲にいなければ自分ひとり解決することは難しいかもしれません。ここではマンション経営特有のお悩みを解決する4つの方法についてご紹介します。
不動産経営の本
マンションオーナーに興味を持ったら、不動産経営の全体像について学べる本を1冊読んでおきましょう。マンションオーナーの悩みを解決するには、一般的な不動産投資や経営に関する知識が必要です。
全般的な知識を得た後に自分の悩みに特化した専門書を読むと、基礎知識がある分スムーズに理解がすすみ、悩みを解決するヒントを発見しやすくなります。本屋や図書館に行けば不動産経営に関する書籍はいくつも見つかります。書評や口コミを参考にしながら探すのもおすすめです。
別のマンションオーナー
知人にマンションオーナーがいない場合は、新たな人脈を作るという方法もあります。長くマンション経営をしている人は、いくつものトラブルに遭遇しているでしょう。実際に解決したトラブル内容が、今持っている悩みと合致するかもしれません。同じようなトラブルをどう対処したかを聞くことで、問題を解決する参考にできます。
不動産セミナー
全国各地で開催している不動産セミナーに参加し、不動産コンサルタントに相談することも可能です。不動産コンサルタントは、多種多様な不動産ニーズに対応するべく、不動産に関する豊富な知識と経験を持っています
不動産に関する悩みや解決法を熟知しているため、解決の糸口が見つからない悩みがあれば相談してみてはいかがでしょうか。不動産セミナーへの参加は人脈作りにもつながります。最寄りのセミナー開催予定を確認してみましょう。
税理士
税金関係の悩みの相談相手は、税理士が最適でしょう。税金の仕組みを自分で学ぶことも大切ですが、自分で判断できない場合は税のプロである税理士が頼りになります。税金の問題を曖昧にすると、税務署から指摘を受ける可能性もあります。追徴課税や加算税を課せられるケースもあるでしょう。
また、税理士は税金対策に関する知識も豊富です。どこまで経費を計上するか、どのような節税対策があるのかなど、専門的なアドバイスを得られます。確定申告の前には、プロに相談して悩みを解決しておきましょう。
マンションオーナーになる際は業者のサポートを受けるのもひとつの選択肢
マンションオーナーとして成功できるか不安な方は、専門の業者にサポートを依頼するとよいでしょう。マンション経営について熟知している業者と連携すれば、スムーズな経営が可能です。不明点もその都度相談できるため、知識を身に着けながら着実な経営が叶います。
まとめ
マンションオーナーになるメリットは非常に大きなものですが、メリットを存分に得るにはどのようなマンションを購入するかが重要となります。ここで紹介したポイントを踏まえた上で複数のマンションを検討し、最も条件に近いマンションを選びましょう。
マンション経営に関する不明点のある方は、専門の業者に相談することをおすすめします。収益物件の紹介だけでなく、経営後に発生した悩みについても相談できるため、安心してマンションオーナーになることができるでしょう。