不動産投資を始めたいと思っても、「知識も資格もないから無理だろう」と諦めてしまっている方もいるのではないでしょうか。結論からいうと、不動産投資を始めるのに資格は不要です。数ある不動産投資に関連した資格の中で、不動産経営をしながら知識が役立つ資格も中にはあります。
不動産投資を成功に導くためには経験を積むことも必要ですが、資格取得をして損をすることはありません。そこでこの記事では、不動産投資を始めるうえでおすすめの資格をご紹介します。時間や費用を考慮しながら必要な資格を選択すれば、効果的に資産運用できるでしょう。資格以外の実用的なポイントも合わせ解説いたします。
もくじ
不動産投資を始めるのに資格は不要
「不動産投資をするなら専門的な知識や資格が必要なのでは」と始めることに対して漠然とした不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。不動産投資を始めるのに資格は必要ありません。無資格でも十分始められます。
資格の取得よりも経験を積むことが求められる不動産投資は、特別な資格はもっていなくても問題ないということです。それを理解したうえで、不動産投資をする中で役立つ資格を選んで取得しておけばさまざまな面でプラスになります。資格は必須ではありませんが、知識を深めるために役立つといえるでしょう。
不動産投資の資格取得をするメリット・デメリット
不動産投資についてより理解を深めるためにも、資格を取得しようか迷っている方もいるでしょう。取得する資格の種類を決めるために、資格取得をするメリットデメリットをご説明します。最善の選択ができるよう、ぜひ参考にしてください。
メリット:知識が身につき勉強になる
不動産投資に関連した資格取得をすれば、専門的な知識が身につきます。資格をもっていない方に比べると、不動産投資について詳しくなれるでしょう。不動産投資の一環としてマンション経営を行う場合、専門的な知識を身につけていれば成功に一歩近づけるマンション経営の方法を実践できます。これは不動産投資の資格取得をする大きなメリットです。
「実践よりもまずは知識を得たい」「もともと勉強が好き」という方は、不動産投資をする前に資格取得を考えるとよいでしょう。不動産投資をする中で判断に迷った場合も、役立つ資格を取得していれば物件をよい経営状態に導くための方法を自分で考えやすくなります。
デメリット:時間や資金がかかる
不動産投資に関連した資格取得をするには時間や資金がかかります。資格によって取得にかかる時間や資金はさまざまです。
資格取得するためには、受けるまでに勉強時間を確保しなければいけないものもあります。国家資格ともなれば、さらに時間を費やす必要性も出てくるでしょう。資格を取得するにはテキスト代などの費用だけではなく、試験を受験する際に支払う受験料も必要です。
考え方にもよりますが、資格取得に向けて勉強する時間や費やすお金があれば、その時間とお金を別で活用したほうが不動産投資のノウハウを効率的に身につけられることもあります。具体的には不動産投資に関連した企業が開催しているセミナーを受講したり、専門家に相談したりする方法のほうが有意義でしょう。
不動産投資に役立つおすすめの資格
「せっかく不動産投資をするなら役立つ資格を取得したい」と考える方もいるでしょう。資格の中には一見関係しそうな名前の資格でも、直接的な知識として役立たない資格もあります。ここからは、不動産投資に役立つ資格を確認しましょう。
金融の知識が身につく「ファイナンシャルプランナー」
「ファイナンシャルプランナー」の資格を取得すればお金の知識が身につくため、家計を管理しやすくなります。ライフプランを立てる際に自分でお金の使い方などを設計できるのがメリットです。民間資格であり、1級~3級までありますが2級程度の資格を取得すれば概要はおおむね理解できるでしょう。
学ぶジャンルは幅広く、税金・年金・生命保険・相続・金融・投資・不動産・住宅ローンなどがあります。資格取得のために必要な勉強時間は、2級の場合は300時間程度必要です。この資格を取得すれば、不動産投資を行うにあたり必要な資金計画書を自分で作れます。さらに税金関係の知識も身につくため、資金管理にも役立つでしょう。
お金の出入りを記録する「簿記」
「簿記」とはお金の出入りを記録する資格をいいます。1級を取得するのは難易度が高いため、3級や2級程度で十分理解できるでしょう。
簿記を勉強すれば損益計算書や貸借対照表を作成できるようになるため、確定申告を行う自営業者やフリーランスには直接的に役立ちます。2級の資格を取得するにはおおむね200時間の勉強時間が必要です。ただし、独学なのか講座を受講するかによって勉強時間は変わるでしょう。
不動産投資にも簿記の知識は役立ちます。マンション経営をする場合は、経営状況を分析したり日々のお金の出入りを自分で記録したりすることが可能です。
不動産の法律知識が身につく「宅地建物取引士」
「宅地建物取引士」は不動産の法律知識が身につく資格で、取得すれば独占業務ができます。国家資格であり、資格取得するにあたり難易度が高いことで有名です。資格取得をするためには少なくとも200時間の勉強時間が必要となります。需要が高い資格のため、不動産に関わる場合は取得するとよいでしょう。
勉強をする中で不動産取引について深く学べるため、もっているだけで業者に不当な扱いをされる可能性が低くなります。ただし、この資格を取得しても直接的に不動産投資に役立つわけではありません。法令や税制について学ぶため、不動産投資をする中で間接的に役立つ資格だととらえましょう。
不動産の価格のプロ「不動産鑑定士」
「不動産鑑定士」とは不動産がもつ価格を評価し、業者へ売買するにはどれくらいの価格が適正なのかを判断する資格をいいます。ほかにも、不動産を担保に銀行から融資を受ける場合に鑑定する役割も担っている資格です。
国家資格でも最難関に位置づけられる資格のひとつといえます。資格取得までには少なくとも2,000時間は勉強しなければなりません。多くの時間を勉強にあてる必要があることを把握しておきましょう。
この資格を取得すれば、不動産投資で投資先の物件を購入・売却するときに提示された金額が不当ではないか自分で見極められます。
マンション経営向きの「マンション管理士」
「マンション管理士」とは、マンションの管理や維持を行うコンサルティング系の資格です。国家資格ではありますが、この資格をもっているからといって独占業務はできません。資格を取得するには500時間ほどの勉強時間が必要です。
この資格を取得していれば、マンションごとに設置されているマンションの管理組合の担当者に対し、マンション内で発生したトラブルへの的確な助言ができます。
不動産投資の中でも、マンション投資を考えている場合は自主管理の面で知識が直接的に役立つでしょう。これから築年数を経たマンションも増加傾向にあるため、マンション投資をする機会も増えることが予想されます。その際にマンション管理や維持の専門家として重宝されるでしょう。
不動産購入前に問題がないか分かる「ホームインスペクター」
「ホームインスペクター」とは、住宅の欠陥や改善箇所などがあるか診断する資格をいいます。民間資格であり、住宅診断士とも呼ばれる資格です。
この資格を取得していれば建物のどこに欠陥があるのか、改善すべき部分を発見しやすくなります。管理会社に意見する際も、無資格の方が欠陥や改善箇所を指摘するよりも、資格取得者が指摘したほうが信用されやすいでしょう。
購入を検討している物件を確認するときに、欠陥があったり購入前に修繕してもらうべき箇所があったりすれば気づきやすくなるのがメリットです。役立つ可能性はありますが、プラスで知識が身につく程度であることも頭に入れておきましょう。
不動産投資がよりうまくいくポイント
不動産投資をこれから始めるとなれば、「物件購入後はできるだけよい経営状態にもっていきたい」というのが正直な気持ちではないでしょうか。不動産投資を成功に導くためには、知っておくとよいポイントがいくつかあります。その中でもおすすめのポイントを解説するのでご覧ください。
安定した収入があることが大条件
自己資金が膨大にあれば話は別ですが、そうでない場合は金融機関の融資を受けることが前提となります。安定した収入があれば、融資の審査で承認を受けやすいでしょう。また、年収が高ければ高いほど借入額も高く設定できる傾向にあります。
投資家として経験が浅いうちは、金融機関も年収を融資の審査項目に入れる場合が多々あるようです。それに加え、職業や勤続年数なども審査項目に入ります。大手企業に勤めていたり警察官や看護師であったりと、安定した収入が得られることが判断できる「高い属性」であれば融資を受ける際も有利になるでしょう。
人気がある土地は入居率の高い立地
不動産投資を始めるには物件を購入する必要があります。そこで気をつけたいのが物件の立地条件です。「できるだけ空室を出したくない」というのは不動産投資をする方に共通する希望ではありますが、それを叶えるためには物件選びを慎重に行う必要があります。
共通していえるのは、「高い入居率を維持する土地は人気がある」ということです。入居率が高ければ、毎月安定した収入が得られるため利益率も高くなります。
物件購入後もよい経営状態が保ちやすい物件は、人気がある土地に位置していることがほとんどです。賢く不動産投資を行うには日ごろから情報のアンテナを張り、さまざまな人から情報を得られるよう人脈作りに力を入れることも大切だといえるでしょう。
購入時に費用を細かく計算する
不動産投資を始めるにあたり必要な費用には大きく分けて2つあります。それは頭金や仲介手数料などの費用と、固定資産税やリフォーム費用・保険料(火災・地震)などの諸費用です。頭金や仲介手数料などの初期費用のみを購入費用としてとらえてしまうと、購入後のキャッシュフローがうまく回らなくなるため注意しましょう。
経験が浅いうちは、物件を運営するのにかかる費用を細かく計算する必要性をあまり感じないかもしれません。しかし、不動産投資には突発的な出費がつきものです。さまざまな事態を想定して費用を計算しておけば、長期的な不動産投資がしやすくなります。
不動産投資をするために知識をつけるための勉強法
不動産投資をする前に勉強したいからと、資格取得を検討するのは悪いことではありません。ただし資格取得には勉強時間を確保したりお金がかかったりするため、時間や資金が必要です。「不動産業界で働きたい」といった希望があれば別ですが、そうでない場合は資格取得よりも知識を身につけることに専念したほうがよいでしょう。
直接的に不動産投資に役立つ知識を身につけるには、不動産投資について学べる本を読んだりセミナーに参加したりする方法があります。不動産経営に慣れている専門家に相談するのもおすすめです。専門家に相談することで、不動産投資業界の最新の情報を得られるでしょう。
まとめ
不動産投資を始める場合、難しそうなイメージから「資格取得が第一歩なのでは」と考える方もいるでしょう。しかし、不動産投資を始めるだけであれば資格は不要です。資格で得た知識を活かせる場合もありますが、資格取得よりも不動産投資の知識を身につけたほうが実践的といえます。
不動産投資を勉強するおすすめの方法は、不動産経営に慣れている専門家に相談することです。実践に役立つ的確なアドバイスを受けられるでしょう。