国民年金をクレジットカードで支払うと、さまざまなメリットがあります。また、クレジットカードで国民年金をまとめ払いすることで、保険料の割引を受けられるほか、利用額に応じたポイントも獲得できます。
ただし、国民年金をクレジットカードで支払う際には、いくつか注意点も確認しておきましょう。クレジットカードでの支払い方法や、口座振替との割引比較も併せてご紹介します。少しでも安く国民年金を納めたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
もくじ
国民年金はクレジットカードで支払いができる
国民年金の支払いは、現金払いや口座振替のほか、クレジットカード払いも利用できます。国民年金のクレジットカード払いには多くのメリットがありますが、納付書をコンビニなどにもっていっても利用はできません。事前に申請をおこなう必要があります。
国民年金をクレジットカードで支払うメリットや、手続き方法を詳しくご紹介します。
国民年金をクレジットカードで支払う4つのメリット
クレジットカードを利用すると得られる、4つのメリットをご紹介します。
支払い忘れを防止できる
国民年金のクレジットカード払いは、1度申請すれば自動で毎月納付されるため、支払い忘れを防げます。あわててコンビニへ支払いに行ったり、忘れないようスケジュールに控えておいたりする手間がなくなるため便利です。
国民年金は未納が続くと督促状が届き、さらに支払いが滞ると延滞金が発生してしまいます。
手元に現金がなくても支払える
国民年金をクレジットカード払いとして登録しておけば、手元に現金がなくても納付できます。カード利用額の請求日までにお金を準備しておけばいいので、すぐに現金を用意できなくても安心です。
クレジットカードのポイントがたまる
国民年金をクレジットカードで支払う最大の魅力は、利用額に応じたポイントがたまる点です。たとえば、令和5年度の1年間の国民年金保険料194,720円に対して、ポイント還元率が1%のクレジットカードで支払った場合、1,947円分のポイントが付与されます。
ただし、ポイントの還元率はカード会社によって異なります。利用するカードによってはポイントが付与されない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
支払い明細書で家計の管理ができる
支払い明細書が発行される点も、クレジットカード払いのメリットです。支払い記録をWEB上で閲覧できるサービスもあるため、納付時の領収書を紛失しても納付の履歴を手軽に確認できます。
国民年金をクレジットカードで支払うための手順
国民年金をクレジットカードで支払う際は、事前の手続きが必要です。手続きには2ヶ月程度かかるため、余裕をもって申請しましょう。
手続き方法は、「国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書」に必要事項を記入し、郵送または窓口で提出するだけです。「国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書」は窓口で入手できるほか、日本年金機構のホームページからダウンロードもできます。
クレジットカードでの納付開始日が記載された「国民年金保険料クレジットカード納付開始(変更)通知書」が届いたら、手続きは完了です。
国民年金がクレジットカードで支払われるタイミング
国民年金がクレジットカードで支払われるタイミングは、登録手続きが完了した月の翌月からです。
納付方法を「毎月」に設定した場合は、納付該当月の月末にカード決済がおこなわれます。6カ月前納の場合は4月および10月の月末、1年前納と2年前納は、どちらも4月末日がカード決済日です。
クレジットカード払いと口座振替の割引額を徹底比較
国民年金保険料は、前納することで割引を受けられます。保険料は1ヶ月分で16,000円以上と高額なため、できるだけ安く済ませたいところです。
国民年金の支払い方法による割引額の違いについて詳しく紹介します。
国民年金の割引額はカード払いよりも口座振替が大きい
国民年金を前納した際の割引額は、クレジットカードよりも口座振替のほうが大きくなっています。
1ヶ月分のみ支払う場合は、どちらの支払い方法でもほとんど差はありません。しかし、納付する月数が大きくなるほど差額が大きくなります。
なお、現金払いもカード払いと同じ割引額で、口座振替の割引額がもっとも高くなっています。
カード払い前納 | 割引額 | 口座振替前納 | 割引額 | |
---|---|---|---|---|
1か月 | 16,520円 | - | 16,740円 | 50円 |
6か月 | 98,310円 | 810円 | 97,990円 | 1,130円 |
1年 | 194,720円 | 3,520円 | 194,090円 | 4,150円 |
2年 | 387,170円 | 14,830円 | 385,900円 | 16,100円 |
ポイント重視派ならクレジットカード払いがおすすめ
国民年金の前納時の割引額だけを比較すると、口座振替のほうがお得です。しかし、ポイントを加味するとクレジットカードのほうがお得になる場合もあります。
たとえば、口座振替との差額が最大となる2年分を前納する場合、割引額の差額は1,270円です。しかし、クレジットカードのポイント還元率が1%であれば、納付額387,170円に対して3,871円分のポイントが得られるため、口座振替よりもさらにお得になります。
知っておくと安心!国民年金をクレジットカードで支払う際の注意点
国民年金をクレジットカード払いにする際には、いくつかの注意点もあります。すべてのクレジットカードを使用できるわけではないうえ、条件を満たしていないとそもそもカード払いを申請できません。
国民年金をクレジットカードで支払う際は、事前に細かい点を確認しておきましょう。
国民年金の支払いができるカード一覧
国民年金をクレジットカードで支払うためには、以下の国際ブランドの付帯するカードが必要です。これらの国際ブランドのマークが付いていないカードでは支払えないので注意しましょう。
- VISA
- MasterCard
- ダイナースクラブ
- JCB
- アメリカン・エキスプレス(アメックス)
申請に時間がかかる
国民年金をクレジットカード払いにする手続きは時間がかかります。クレジットカード払いを希望する納付開始日に間に合うよう、余裕をもって申請しましょう。
たとえば、4月分から9月分までの6ヶ月前納を希望する場合は、2月末日までに申請が必要です。手続きが間に合わなければ、10月分からの扱いとなってしまいます。
保険料の一部免除者は利用できない
所得が少ないなど、さまざまな事由で国民年金の支払いが困難な状況の方には、国民年金保険料の一部を免除する制度があります。一部免除の制度を利用している場合、クレジットカードでの支払いはできません。
一括払いのためカードの利用限度額に注意
国民年金を前納する場合は、大きな金額になります。とくに年単位で前納する場合は、クレジットカードの利用限度額を確認しておきしましょう。
別で大きな買い物をしていると、利用限度額を越えてしまうかもしれません。また、光熱費などの固定費を支払っている場合、クレジットカードを使った意識がなくても利用可能額が少なくなっているおそれがあります。
ポイント付与対象外のカードもある
国民年金をクレジットカードで支払っても、ポイント付与の対象とならないカードもあります。
また、利用するカードによってポイントの還元率が異なる点にも注意しましょう。口座振替よりも割引額を大きくするためにクレジットカード払いを利用しても、ポイントの還元率によっては口座振替のほうがお得になるケースもあります。
国民年金の支払いをすでに滞納している
滞納している国民年金保険料の追納は、クレジットカードではできません。まずは未納分の国民年金を支払ってから、クレジットカード払いの申請をおこないましょう。
クレジットカード払い利用開始後の手続き
国民年金のクレジットカード払いの利用開始後に必要となる手続きを紹介します。クレジットカードの変更などをおこなう場合は、決済日までに確実に手続きをしておきましょう。
なお、手続きに必要な書類は、日本年金機構のホームページでダウンロードすることもできます。
クレジットカードの変更
支払いに利用するクレジットカードを変更したい場合は、「国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書」に記入して年金事務所へ提出します。クレジットカード紛失によるカード番号の変更も、同様の手続きが必要です。
また、変更するカードの名義が被保険者またはその配偶者以外の場合は、「国民年金保険料クレジットカード納付に関する同意書」の提出も忘れないようにしましょう。
なお、カードの有効期限が切れた場合の変更は、以下の指定代理納付者であれば手続きは不要です。
- イオンクレジットサービス株式会社
- 協同組合エヌシー日商連
- SMBCファイナンスサービス株式会社
- 株式会社オーシー
- 株式会社オリエントコーポレーション
- 株式会社クレディセゾン
- 株式会社ジェーシービー
- 三井住友トラストクラブ株式会社
- 株式会社ジャックス
- 東急カード株式会社
- トヨタファイナンス株式会社
- 株式会社日専連
- 三井住友カード株式会社
- 三菱UFJニコス株式会社
- ライフカード株式会社
- ユーシーカード株式会社
- 株式会社UCS
- 楽天カード株式会社
- アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッド
クレジットカード払いの停止
クレジットカードによる国民年金の支払いをやめたい場合は、停止の手続きが必要です。「国民年金保険料クレジットカード納付辞退申出書」に記入して申請しましょう。手続きがおこなわれた翌月から停止されます。
【まとめ】クレジットカードを上手に使って国民年金を支払おう
国民年金のクレジットカード払いには、ポイントの還元や支払う手間の軽減など、さまざまなメリットがあります。
ただし、国民年金保険料の割引額だけを見ると、口座振替のほうがお得です。納付金額を抑えるためにクレジットカード払いを選択する場合は、ポイント還元率や条件をしっかりと確認しておきましょう。
また、クレジットカード払いに変更する際は、事前の申請が必要です。希望する納付開始日に間に合うよう、余裕をもって申請しましょう。