人生の三大支出と呼ばれるものに「生活費」「教育費」「老後費」があります。定年退職後ともなれば、お子さまもすでに独立しているケースが多いので教育費の問題は度外視できるかと思います。また生活費も、夫婦2人暮らしでは若いときほどの支出はなくなってくるでしょう。そうなると、問題はやはり老後費。なかでも医療費の占める割合は少なくありません。
このコラムでは、気になる老後の医療費負担について解説。そして公的年金をカバーする不動産投資による私的年金づくりにも触れていきます。
1年あたりにかかる65歳以上の平均医療費は72万円
厚生労働省が発表した「平成26年度 国民医療費の概況」によると、人口1人あたりにかかる年間の国民医療費は、65~69歳で72万4,400円。45歳~64歳が27万8,300円ですからその2.6倍にもなります。さらに、これが70歳代、80歳代ともなると約10万円ずつ増えていく傾向がこの調査から判明しました。
もちろん、健康状態には個人差が大きいので一概には言えませんが、若い頃に比べ医者にかかる機会は増える傾向にあるということ。それだけに、こうした現実に対処できるだけの備えも必要になってきます。
高額療養費制度を活用すれば自己負担は減らせるが…
その厳しい現実をわかりやすくご説明するために、65歳~69歳にかかる医療費を月々にならしてみましょう。
すると負担額は6万円以上。もし、加入しているのが国民年金だけの場合だと、これだけでほとんど消えていってしまいます。仮に厚生年金の支給があっても、医療費でこれだけの出費があると、日々の生活に大きなしわ寄せが来ることになるので油断はできません。
もちろん、70歳以上になれば医療機関でも窓口負担は2割に、75歳以上になれば1割になるので、8万円や9万円が額面通り出ていくわけではありません。
しかし、ひとたび大病をしたり大けがを負ったりして入院、手術ともなれば相当な額の医療費がかかることになり、家計を圧迫します。それでも、高額療養費制度を活用すれば、仮に100万円の入院治療費がかかったとしても、その月の自己負担は9万円程度に抑えられるでしょう。
ただし、その後の通院や治療は避けられなくなるので、どうしても医療費の総額は増えていくことになります。
不動産投資による私的年金づくりで老後の医療費負担をカバー
このように、高齢になればなるほど医療費負担の増加は避けられません。
こうした厳しい現実から老後の暮らしを守り、なおかつ可能な限り健康的な生活を安心して送るには、公的年金とは別の収入源が必要となってきます。そこでおすすめしたいのがマンション経営。
毎月の賃料収入が私的年金代わりになるので、仮に大病を患っても、月々の医療費負担が増えてもそれをカバーできるだけのゆとりが生まれます。
まとめ
高齢になるということは、若いときとは比べものにならないくらい健康維持にお金がかかるということでもあります。
老後に備えるなら、生活費の確保だけでなく、増え続ける医療費負担にも対策を怠らないことが大切。その意味で不動産投資、とりわけマンション経営による賃料収入の私的年金化は検討する価値が大きいと言えるでしょう。