マンション経営は、節税に有利な資産運用です。しかし、節税ばかりに気を取られるとマンション経営本来の目的を見失うことになりかねません。
このコラムでは、なぜ節税だけを目的としたマンション経営はおすすめできないのか、その理由について詳しく解説していきます。
もくじ
節税にとらわれすぎるとこんな弊害が
節税だけを目的したマンション経営には、どんなデメリットがあるのでしょうか? その例を挙げてみました。
デメリット1:相場より割高な物件を購入させられて損をする
悪質な不動産会社は、少しでも利益を出そうとあえて相場より割高な物件をすすめてくることがあります。
表向きは「家賃収入が建物の減価償却を上回るため、赤字となりそれが節税になる」とおいしいことを言いますが、こうした口車に乗せられてはいけません。なぜなら、いざ売却して換金しようしても、他の中古物件と同じ相場価格でしか手放せないからです。そうなると、元の仕入れ値が高い分、損失も大きくなってしまいます。
仮に、多少の節税ができたとしてもこのときのマイナスが大きいので意味がありません。
デメリット2:高い金利で物件を購入するため結果として損をする
一方、節税効果があるからと、わざわざ金利の高い融資先でローンを組ませようとする販売会社もいますが、これにも注意が必要。
一般に投資用物件のローン金利は2%前後ですが、その倍の4%で借り入れするようすすめられることもあります。
確かに金利が高い分、毎月の返済額は多くなり、収支を赤字にできるので節税になるという理屈はその通り。しかし、金利の違いは総返済額に大きく影響します。たとえば35年ローンで2000万円を4%で借り入れた場合、2%の場合と比べ約900万も多く支払わなければなりません。ここまでくると節税効果などあってないのと同じです。
デメリット3:無暗に節税を図ろうとすると税務署からマークされる
また、節税になるからとなんでもかんでも経費として計上して、収支を赤字にしようとすると、後で手痛い思いをすることも。コンサルティングと称して、この赤字作戦を積極的にプッシュする販売会社もありますが、それを真に受けて実践した結果、税務署からチェックを受けて脱税と見なされるケースも少なくありません。
家賃収入を上げることがマンション経営本来の目的
いくら節税になるからといって、前述のような行き過ぎた対策は損を生むだけで、オーナー様にとって何の利益にもなりません。
それ以上に問題なのは、帳簿上とは言え、赤字続きの経営を続けること。マンション経営本来の目的はやはり家賃収入の道を確保し、人生を豊かにすることです。節税効果を除外しても、ビジネスとして成立するのがやはりマンション経営があるべき健全な姿なのです。
まとめ
今、不動産投資、とりわけマンション経営による資産運用が注目されています。それだけ、人生設計や老後に不安を抱えている方が多いという証拠でもあります。
しかし、なかにはそんな心理に漬け込んで、割高な物件や、高利な融資を押し付けてくる悪質な業者が跡を絶ちません。
一生を支える財産になるかもしれない家賃収入の道だけに、投資用マンション購入の際は慎重に業者を選びたいところです。