LTVは不動産の投資判断基準の1つ! 基本的な考え方や目安を詳しく紹介

LTVは不動産の投資判断基準の1つ! 基本的な考え方や目安を詳しく紹介|株式会社イー・トラスト

不動産投資をする際には、多くの人がローンを利用します。しかし、ローン割合が増えると、大きなリスク要因になりかねません。そこで、LTVという指標を利用して、借入金の割合から不動産投資の妥当性を判断することが大切です。

LTVの基本的な考え方や目安、活用方法について詳しくご紹介します。

不動産投資をする前にLTVを確認

不動産投資をする前にLTVを確認

LTVは、不動産投資計画の健全性を判断できる指標の1つです。不動産投資をする前には、必ずLTVの妥当性を確認しておきましょう。

まずは、LTVの基本的な考え方について解説します。

不動産投資のLTVとは借入金の割合を示す指標

不動産投資で使用するLTVとは「Loan to Value」の略語です。日本語では「総資産有利子負債比率」といい、物件の価格や評価額に対する借入金の割合を示します。合計の借入金(負債額)を不動産の価値(物件価格)で割って算出するLTVの計算式は以下のとおりです。

LTV= 負債額÷ 物件価格(評価額)

現物投資だけでなくREITや不動産クラウドファンディングでも利用される

LTVが利用されるのは、投資物件を直接購入する現物投資だけではありません。REITや不動産クラウドファンディングといった不動産投資でも、物件の健全性を確認する指標として利用可能です。

魅力的な利回りの商品でも、LTVが高いと想定通りの利益を受け取れないリスクが高まります。例えば、空室率が高まって収益性が落ちた場合、借入金の割合が高いと受け取れる利益が減るばかりか元本割れを起こしかねません。

最終的な投資判断をする前に、LTVによって安全性を確認しましょう。

LTVの目安と考え方

LTVの目安と考え方

一般的に、LTVは低いほうが安全性が高いといわれています。しかし、実は購入する物件によっては、LTVが低ければ良いわけではありません。

適切なLTVの基準と見極め方について、詳しくみていきましょう。

80%までを目安にするのが理想的

不動産投資をする際のLTVは、80%以下が理想的といわれています。例えば、評価額が5,000万円の物件を購入する場合、借入金4,000万円、頭金1,000万円だとLTVは80%です。

4,000万(借入金)÷ 5,000万円(物件価格)= LTV80%

LTV80%を目安に投資物件を選ぶと、借入金という視点でのリスクを減らして安定性の高い運営を図れます。

LTVが低ければ良いとは限らない

LTVが低いほど自己資金比率が高く、安定性のある投資といえます。しかし、LTVが低いからといって、妥当な投資先とは限りません。LTVを極端に抑えてしまうと、投資先の選定に制限がでて、資金効率が悪くなるためです。

自己資金を5,000万円用意できた場合を想定して、以下2つのパターンで投資総額を確認してみましょう。

・LTV50%の場合の投資総額: 1億円
  5,000万円÷ (1-50%)= 1億円

・LTV80%の場合の投資総額: 2億5,000万円
  5,000万円÷ (1-80%)= 2億5,000万円

つまり、LTV80%であれば、50%のときの2.5倍もの投資金額を確保できることになります。LTV80%で2物件以上に分散投資したほうが、物件によってはリスクヘッジになるかもしれません。

LTVによって借入金という観点では安全性を確認できますが、最終的な投資判断は物件の立地や利回りも含めて総合的に確認することが大切です。

LTVテストで妥当性を判断

LTVテストとは、自己資金力やローンの返済能力に問題がないかを確認して、投資先の不動産の妥当性を評価するものです。主に、ローンの審査をする際に、金融機関でおこなわれます。

LTVテストに使用する計算式は「返済予定のローン残高 ÷ 不動産評価額」という単純なものです。数字が小さいほど、リスクが低いという判断になります。ローン審査前には、自身で簡易的にLTVテストをしてみるといいでしょう。

LTVを利用する際の注意点

LTVを利用する際の注意点

LTVは、自己資金力に適した投資物件を取捨選択するために欠かせない指標です。しかし、LTVばかりに頼りすぎても、最適な投資計画は立てられません。

そこで、LTVを利用する際に注意しておきたいポイントをご紹介します。

LTVには簿価と時価の2種類ある

LTVには簿価と時価の2種類があり、目的に応じて使い分けることが大切です。算出の際に利用する、不動産の評価額によって異なります。

<簿価評価を採用したLTV>
簿価LTV= 有利子負債÷ 不動産簿価× 100

<時価評価を採用したLTV>
時価LTV = 有利子負債 ÷ (不動産時価+ 含み損益) × 100

簿価評価は単純に会計帳簿に記載されている価格で、購入後の価格変動は反映されません。一方、時価評価には、算出時点での市場価格の変動による含み損益を反映させます。

LTVだけで判断せず実績を重視

不動産投資の目的は収益化のため、LTVのみで妥当性の判断はできません。いくら借入金割合が低くても収益性が悪ければ、利益を得られないばかりかリスクも高まります。

不動産投資の最終的な判断をする際は、必ず実績をしっかりと確認しましょう。中古物件であれば過去の運用実績、新規物件であれば同地域や類似物件の実績から投資判断をおこないます。空室率が低い場合や利回りが高い場合、LTVが高くてもトータルでのリスクは少なくなる可能性もあります。

LTVテストに使用する評価額は金融機関によって異なる

投資物件の健全性を数値化できるLTVテストは、主にローン審査をおこなう金融機関で利用されます。しかし、LTVテストに利用する評価額は、一定ではありません。評価額の算定方法はやや複雑で、考慮する条件も金融機関によって異なります。評価額の算定に利用する主な条件は以下のとおりです。

  • 立地条件:人気エリアにあるか駅から近いかなど
  • 施設の用途:住居、店舗、事務所など
  • 建物のグレード:建物の耐震性や設備のグレードなど
  • 不動産の管理状況:メンテナンス、衛生面の管理など
  • 権利関係:所有権、借地権などが絡んでいないか
  • 入居テナントの質:店舗の種類、従業員の質など

<LTVテスト>
返済予定のローン残高÷ 不動産評価額

【まとめ】不動産投資の判断に利用するLTVはあくまでも指標の1つ

【まとめ】不動産投資の判断に利用するLTVはあくまでも指標の1つ

借入金と自己資金のバランスを可視化するLTVは、不動産投資の健全性を見極めるための指標です。しかし、不動産の価値は立地や間取り、将来性などさまざまな要件で決まってくるため、LTVのみで投資判断はできません。

LTVはあくまでも指標の1つとして、適切に利用することが大切です。評価額の算定方法だけでも多岐にわたるため、多くの指標から多角的に分析して投資判断をするようにしましょう。
 
 

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