65歳あたりの年齢になると、相続の問題に悩まされたという経験を持っている方、今現在悩んでいるという方もいるかもしれません。財産の相続という問題はデリケートな問題なだけに、普段は避けているという声も聞かれますが、避けているほど問題に直面したときの困難は大きくなってしまいます。
自分の子どもや孫にそういった問題を抱えさせないために、また、自分の大切な資産をできるだけ多く残すために、どういった資産運用がよいのかについて考えてみましょう。
相続税の評価額とは
相続税とは、亡くなった人の財産を相続する際にかかってくる税金のことです。亡くなった人の財産には、現金や預貯金、株券や国債などの有価証券、土地家屋などの不動産があたります。
相続税を考えるにあたってポイントになるのは、上記に挙げた財産を相続するときにその評価額が変わってくる、という点です。
つまり、同じ2000万円の価値があるものでも、現金で残す場合、土地で残す場合、マンションで残す場合で、課税についての金額が変わるのです。
土地を相続する場合
土地を相続する場合は、路線価方式、もしくは倍率方式のどちらかで評価されます。路線価は国税庁によって毎年7月に公表され、相続税はこの価格に則って評価されます。
一般的な土地の公示価格よりも低く評価されており、目安としては80パーセント程度となっています。つまり、一般的な時価が2000万円の土地は、相続税の評価としては1600万円となるわけです。
マンションを相続する場合
マンションの場合はさらに低い評価となっています。マンションを評価する場合は、建物と土地に分けられ、建物は、固定資産税評価額によって評価されます。
土地に関しては、上記で説明した評価に持分の割合が考慮されます。マンションは多くの入居者が土地を利用しているとみなされ、世帯数によって割合が異なります。
マンションでは、上記のような評価方法によって、一般的な時価の4~6割程度に抑えられます。つまり、時価2000万円のマンションの場合は、800万~1200万円が相続税の課税対象と評価されることになります。相続税対策にはマンションを相続することが効果的だと言えるでしょう。
まとめ
相続税対策を考えた場合の資産形成では、現金より土地、土地よりもマンションの方にメリットがあることがわかりました。実際の計算には個々の事情が関わるので一概には言えませんが、せっかく蓄えてきた資産が、現金であるかマンションであるかの違いで、相続税の額が変わるのですから、しっかり考えておく必要があります。
相続の問題は家族全体の問題ですから、家族でどういった資産にしておくことがよりよいのか話し合いながら有効な資産形成をしていくことが、65歳からの資産運用では大切になります。