サラリーマンにとって節税対策は実質給与アップ?! 税金を減らす方法を詳しく紹介

サラリーマンにとって節税対策は実質給与アップ?! 税金を減らす方法を詳しく紹介|株式会社イー・トラスト

サラリーマンが手取り額を増やす方法としてわかりやすいのは給与アップです。しかし、給与は本人の努力以外にも、会社の業績や景気に左右されるため簡単にはあがりません。

実は給与があがらなくても、節税によって手取り額を増やせる可能性があります。節税は、給与として「もらう額」を増やすのではなく、税金として「支払う額」を減らすことで手取り額を増やす方法です。

この記事では、サラリーマンができる節税方法を詳しく解説します。利用できる制度をしっかりと把握して、かしこく節税してくださいね。

1.サラリーマンが節税をするとはどういうことか


多くのサラリーマンは確定申告をおこないません。各種税金の計算と支払いは、会社側でおこなったうえで給与が支給されるためです。しかし、サラリーマンにこそ、積極的な節税対策をおすすめします。

なぜサラリーマンにとって節税対策が大切なのか、順を追って解説します。

サラリーマンの給与に課せられる税金

会社員や公務員、いわゆるサラリーマンの給与に課せられる税金は、所得税と住民税の2つです。多くの場合、所得税と住民税は会社側が代わりに納付し、残金が給与として振り込まれるため、普段はあまり意識していないでしょう。

所得税は、所得に応じて課税される税金です。税率は5〜45%と一定ではなく、所得が大きくなるほど税率のあがる累進課税制度を採用しています。

一方で住民税の税率は、所得にかかわらず一律10%です。所得に応じて課税される所得割と、課税対象者に定額で課せられる均等割との合計金額が住民税となります。

節税対策は実質給与アップ

会社から受け取る給与は、税金や社会保険料が差し引かれた後の金額です。この手取り収入のことを、可処分所得といいます。税金を抑えられれば、その分可処分所得は増加します。つまり節税は、実質的に給与アップと同じことなのです。

節税が実現すれば、そのまま受け取れる金額の増加に直結します。給与自体があがる場合は、その分天引きされる税金も増えるので、額面がアップした分の金額を実際に受け取れるわけではありません。給与アップよりも節税のほうが、金額によっては、より多くのお金を受け取れる可能性があるでしょう。

控除をうまく利用する

具体的に節税をおこなうには、各種控除について把握しておくことが重要です。サラリーマンは、自営業者のように経費を積み上げて節税することはできません。税制として用意されている制度をうまく利用して、課税所得を減らしましょう。

2.生活に必要な費用の控除を受ける


控除をうまく利用することで、サラリーマンでも節税対策が可能です。保険料や医療費、住宅ローンなどの生活にかかる費用は、控除に必要な手続きを確認しておきましょう。また、条件はありますが、サラリーマンでも自営業者のように控除対象となる経費もあります。

ここでは、生活に密接した5つの控除対象についてご紹介します。

家族がいれば受けられる配偶者・扶養控除

配偶者や扶養している家族がいる場合、状況に応じて所得控除を受けられます。控除対象者がもれなく申請されているか、再度確認してみましょう。

配偶者控除は、年間の合計所得額が48万円以下(給与所得者は103万円以下)の配偶者がいる場合に適用される所得控除です。納税者が年収900万円以下で配偶者の年齢が70歳未満の一般的な家庭では、38万円の控除を受けられます。ただし、納税者本人の年収や配偶者の年齢によって、控除金額は13万円から最大48万円まで幅がある点には注意しましょう。また、年収1,000万円以上の場合は控除を受けられません。

扶養控除は、一緒に暮らす16歳以上の子どもはもちろん、同一生計の両親や兄弟姉妹などの親族も対象となります。配偶者控除と同様に、年間の合計所得額が48万円以下であることが条件です。控除金額は原則38万円ですが、対象者の年齢や納税者との関係によって38万〜63万円と幅があります。

生命保険料や地震保険料も控除対象

万が一に備えて加入している、生命保険や地震保険の保険料も所得控除対象です。加入している保険はもれなく申請しておきましょう。

生命保険料控除は、生命保険や個人年金、介護医療などの保険料を支払っている人が受けられます。控除額の最高は12万円です。

地震保険料控除の最高額は5万円で、支払った保険料分が所得から控除されます。

ケガや病気をした際は医療費控除とセルフメディケーション税制

年間10万円以上の医療費を支払った場合は、医療費控除を受けられます。納税者本人の医療費だけではなく、同一生計の配偶者や扶養家族の医療費も控除対象です。

また、セルフメディケーション税制を申請できる場合もあります。セルフメディケーション税制とは、定期的に健康診断などを受けている人が、特定の成分を含む市販薬(OTC医薬品)を購入した際に所得控除を受けられる医療費控除の特例です。納税者本人または同一生計の家族が購入した市販薬の合計金額が、年間1万2,000円を超えた場合に適用されます。

ドラッグストアなどで普段購入している薬の代金が控除対象となるため、購入時の領収書は必ず保管しておきましょう。ただし、医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できず、いずれか一方を選択する必要があります。

住居を購入した場合は住宅ローン控除

住宅ローン控除は、住宅ローン残高によって受けられる税額控除です。「税額控除」であることがポイントで、課税される所得税と住民税から控除額がそのまま差し引かれます。

控除額は、40万円を上限額とした年末時点でのローン残高の1%です。(2022年1月1日以降に住宅の取得をした人は0.7%)たとえば、年収500万円(課税総所得額が約200万円)で住宅ローン残高が4,000万円の場合、控除額は40万円となります。10万円前後となる所得税については、全額支払う必要がありません。所得税から引き切れない分は、住民税から控除します。住民税の住宅ローン控除の上限額は「所得税の課税総所得金額等の合計額の7%」までか、13万6,500円のどちらか低いほうです。(2022年1月1日以降に住宅の取得をした人は5%か9万7,500円)課税総所得額200万円の7%は14万円となるため、上限の13万6,500円が住民税から控除されます。

住宅ローン控除は、控除できる金額計算や条件などがやや複雑です。必ず事前に細かい点を確認しておきましょう。また、初年度はサラリーマンでも確定申告が必要となります。

条件を満たせば受けられる特定支出控除

特定支出控除とは、サラリーマンでも自営業者のように、仕事に関連した支出を必要経費として控除できる制度です。自分で確定申告をおこなえば、業務のために使用した費用を経費として申請できる仕組みになっています。

特定支出として認められるのは、通勤費・職務上の旅費・転居費・研修費・資格取得費・帰宅旅費・勤務必要経費(図書費・衣服費・交際費)の全7種類です。ただし、業務のために使用した費用のすべてが控除されるわけではありません。給与所得控除額の2分の1を超える部分について、最高125万円まで控除対象として認められます。

3.メリットを得ながら受けられる控除


所得や税額の控除を受けながら、別のメリットも得られる制度もあります。老後など将来のための資産形成につながるものもあるので、積極的に利用しましょう。

ここでは、資産形成に有効なNISA・iDecoとふるさと納税についてご紹介します。「ふるさと納税」は節税にはなりませんが、返礼品を受け取れるお得な制度です。

資産形成に有効なNISA

NISAとは、2014年に始まった少額投資非課税制度のことです。イギリスのISA(Individual Savings Account)という制度を参考に創設され、NIPPONの頭文字「N」をつけてNISAと名付けられました。

通常、投資によって得た運用益には課税されますが、NISAを利用すると、一定額まで投資して得た利益を一定期間は非課税で受け取れます。年間の投資限度額は、現時点で一般NISAは120万円、つみたてNISAは40万円までです。ただし、同一年で一般NISAとつみたてNISAの併用はできません。少しずつコツコツと非課税で積み立てできるNISAは、資産形成に有効です。

老後資金になるiDeCo(イデコ)

iDeCoは、20歳以上60歳未満のすべての方が加入できる運用型の年金です。iDeCoとは「individual-type Defined Contribution pension plan」の略で、個人型確定拠出年金とも呼ばれます。

毎月掛け金を積み立て、60歳以降の受け取り開始年齢になった時点で運用益とともに年金として受け取れます。iDeCo最大のメリットは、積み立てた全額が所得控除の対象となる点です。また、運用益は非課税で、給付時にも一定額まで優遇税制を受けられます。

返礼品がお得なふるさと納税

ふるさと納税とは、自分で選んだ自治体に寄付をすると、その分所得税の還付や住民税の控除を受けられる制度です。多くの自治体では返礼品を用意しているため、実質税金の支払いで返礼品を受け取れることになります。

ただし、本来納めるべき税金を、寄付金という形で前もって支払うだけなので、節税効果はありません。また、自己負担分として2,000円が必要です。

4.不動産投資や副業によって節税する


不動産投資や副業をおこなっている場合、給与所得の節税につながる可能性もあります。とくにサラリーマンが不動産投資をする場合は、節税対策になる物件を選ぶことが大切です。

不動産投資や副業によって、節税になる仕組みを詳しく説明します。

なぜ不動産投資や副業で節税できるのか

不動産投資や副業によって節税ができるのは、確定申告の際に損益通算という税法上のルールを適用できるためです。不動産投資や副業が赤字の場合、黒字の給与所得と通算することで、課税所得額を減らせます。

ただし、すべての所得が損益通算の対象となるわけではありません。損益通算が可能な収入は、不動産投資や一部の副業など条件が限られています。

不動産投資なら節税しながら資産形成ができる

不動産投資は、取得時にかかる多額の費用を減価償却費として経費計上することで、見かけ上赤字収支にできる場合もあり、節税対策につながります。収支が赤字であれば、損益通算によって給与所得分の節税が可能です。

また、長期間安定した家賃収入を得られるうえ、ローン完済後には実物資産が手に入るため、不動産投資は資産形成にも向いています。

5.【まとめ】利用できる制度をしっかりと確認してかしこく節税


サラリーマンは支給される給与が増えなくても、節税対策によって可処分所得を増やせる可能性があります。さまざまな制度を上手に活用して、最大限の節税効果を狙いましょう。利用できる制度は個人の状況によって異なるため、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。

また、不動産投資や副業であれば、収入そのものを増やしつつ節税効果が期待できます。とくに不動産投資は資産形成にもなるため、サラリーマンで安定収入のある方は一度検討してみてはいかがでしょうか。

 

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