50代で直面する家の建て替えへの対処方法とは? 築30年問題やローンについて徹底解説

50代で直面する家の建て替えへの対処方法とは? 築30年問題やローンについて徹底解説|株式会社イー・トラスト

50代は家の建て替えに直面する年代といわれています。定年退職後を見据えてのリフォームだけではなく、実は家の建て替えを考えざるを得ないタイミングがちょうど50代前後なのです。

50代で家の建て替えを検討すべき理由と資金の調達方法、さらに注意点や解決策まで徹底的に解説します。

50代で家の建て替えを検討する人が増加する理由

50代で家の建て替えを検討する人が増加する理由

50代は、家の建て替えを検討する人が増加する年代です。子どもの独立といった大きなライフスタイルの変化が起こりやすい時期であるほか、実はもっと切実な理由もあります。

家の築年数が大きくかかわる、50代で家を建て替えるべき理由を詳しくみていきましょう。

50代になると直面する築30年問題

50代で建て替える人が増加する理由の1つは、住宅の耐用年数です。一般的に、日本の木造住宅の寿命は30年といわれています。20〜30代までに家を建てた場合、ちょうど節目の30年を迎えるのが50代前後です。築30年を超えると、老朽化に伴う住宅の不具合が目立ち始めます。

傷んだ箇所だけをメンテナンスする方法もありますが、修繕範囲が広い場合や難易度が高い場合は、かえって費用が高くつくおそれがあるので慎重な検討が必要です。また、新築時と部材の規格が変わっていると、そもそも修理ができない場合もあります。

築30年は住宅の総点検が必要な時期ととらえ、建て替えの検討を始めましょう。

ライフスタイルの変化と老後の計画

築30年前後となる50代になると、居住する家族構成やライフスタイルが少なからず変化しているはずです。また、体力の落ちる老後に向けて、生活動線を見直すタイミングでもあります。現在の状況と、10〜20年後を見据えた住宅のリフォームが増加する時期が50代です。

建て替えをしなくても、これまでどおりに生活すれば不便には感じないかもしれません。しかし、家族が減って使っていない部屋があると、メンテナンスが行き届かず住宅の老朽化が加速する原因にもなるので注意が必要です。また、不必要に間取りが広いと、冷暖房を始めとした光熱費が無駄になってしまいます。

建て替えの資金調達にローンを利用する

建て替えの資金調達にローンを利用する

住宅の建て替え時には、多くの人がローンを利用します。一方で、50代は既存の住宅ローンや完済時の年齢制限も気になる年代です。

建て替えに必要な費用の目安と、ローンの選び方や返済計画について詳しく解説します。

建て替えに必要な費用とローンの基本

国土交通省「令和4年度・住宅市場動向調査報告書」によると、建て替え費用の平均は4,487万円です。土地を購入する新築時の平均5,436万円と比べて、わずか1,000万円しか変わりません。多額の費用が必要であることから、住宅を建て替えた世帯の55.1%が住宅ローンを利用しているようです。

建て替えをする際は、新築時には不要だった費用がかかります。現在の家を解体する解体費用や仮住まいの費用などです。ただし、金額は建て替える範囲や内容によって大きく異なるので、慎重に計画を立てましょう。

建て替え費用にはローンを利用できますが、50代という年齢を考えて、できるだけ自己資金も用意しておくことをおすすめします。建て替え時の自己資金比率は新築時の30.6%に対して、46.7%と高くなっている点が特徴的です。現役の残り年数も少なくなってきているので、自己資金比率を高めることを意識しましょう。

ローンの選び方と返済計画

現在の住宅のローンを完済していれば、新たに通常の住宅ローンを組めます。一方、住宅ローン残高が残っている場合、建て替え費用も含めた形で新たにローンを組み直すことになるので注意しましょう。一般的に住宅ローンは、対象の住宅を担保にしますが、ローン残高と担保価値によっては建て替え費用分として希望額を借りられないこともあります。

また、ローンの返済期間についても、事前にしっかりと計画を立てておくことが重要です。たとえば、25歳であれば35年ローンを組んでも完済時に60歳ですが、50歳では現役を65歳まで続けたとしても15年しかありません。さらに、金融機関や商品によって異なりますが、住宅ローンの完済年齢を80歳未満としているサービスがほとんどです。定年退職後の収入減も加味して、無理のない返済計画を立てましょう。

50代で家を建て替える際の注意点

50代で家を建て替える際の注意点

50代で建て替えをする際は、新築時とは違った視点での検討が必要です。住宅ローンの融資額や返済期限、ライフスタイルの変化といったさまざまな観点でじっくりと考えましょう。

50代で家を建て替える際の注意点を3つご紹介します。人生最後の大きな出費となりうる住宅の建て替えだけに、失敗をしないように綿密な計画を立てましょう。

本当に必要なポイントを絞る

新築時と違って、長年居住してきた経験があるので、建て替え時にはポイントを絞った計画を立てましょう。必要なポイントを絞ることで、全体の予算を抑えられると同時に、もっとも重視する機能や間取りを実現しやすくなります。

建て替えとなると、「これもあったほうが便利かも」とすべてにこだわりたくなるものです。しかし、50代にもなると、将来子どもが何人になるかといった不確定要素は少なくなります。これまでの経験をいかして、できるだけ具体的に生活をイメージしながら取捨選択をしましょう。

老後も見据えてリフォーム計画を立てる

50代以降の建て替えやリフォームでは、老後の生活を見据えた計画にすることが絶対条件です。とくに建て替えの場合は、現在の住宅の構造や間取りに左右されることなく自由に設計できます。階段の昇降や食卓と台所の距離、玄関からの動線など、体力が落ちても快適に暮らせるように検討しましょう。

ただし、まだ訪れていない老後については、想像が及ばないこともあります。そこで、設計時には専門家に助言をもらうことも、より住みやすい住宅を作るためのポイントです。また、両親の介護をする可能性がある場合は、本人たちの意見も取り入れると問題が起こりにくくなります。

無理のないローンを組む

50代は、老後資金の準備もラストスパートに入る時期です。建て替えに投入する自己資金やローン金額は、老後資金に影響のない範囲で計画を立てましょう。とくに住宅ローンを利用する場合は、現役中に払い終えるのか、定年退職後も返済が続くのかによって毎月の生活費が大きく変わってきます。

50代では35年といった長期ローンは難しいため、借入期間や融資金額が限定されるケースにも注意が必要です。家の建て替えに踏み切る際は、事前に資金計画を立てておきましょう。

新築の検討も解決策の1つ

新築の検討も解決策の1つ

築30年代問題の解決方法は、建て替えだけではありません。思い切って新築住宅を建てることも検討できます。場合によっては、建て替えよりも新築のほうが費用は安くつきます。

新築するメリットとデメリットを詳しくみていきましょう。

新築するメリット

新築する大きなメリットは、引っ越し回数を最小限にできる点です。建て替えの場合は、工事中に仮住まいへ引っ越し、完成後に再度引っ越しをする必要があります。新築であれば、完成後に1度引っ越すだけで済むので、手間がかかりません。

さらに、実は費用面でも、新築のほうが有利となる可能性があります。50代になると、子どもが自立して家を出るケースも多く同居人数が減るので、一般的に現在より狭い間取りでも十分便利に暮らせます。また、若い頃は都市部のほうが便利に感じていても、50代になるとやや静かな周辺地域に引っ越したくなるかもしれません。現在の住宅の立地条件が良い、土地が広いといった場合は、売却金額が新築金額を上回ることもあります。

新築するデメリット

新築するデメリットは、住宅ローンの一括返済を求められたり、融資金額が限られたりする場合がある点です。現在の住宅ローンに残債があると、抵当権の抹消ができないので売却が難しくなります。また、売却せずに貸家などにしてローンの返済を続ける場合、新たな住宅のための融資金額が限られてしまうおそれもあります。

さらに、違う地域に新築する場合は、住み慣れた土地から離れて生活を再構築する必要がある点もデメリットといえるでしょう。

【まとめ】50代での建て替えはライフスタイルを検討して決める

【まとめ】50代での建て替えはライフスタイルを検討して決める

50代は、築30年問題により住宅の建て替えを迫られる年代です。家の建て替えをする際は、単に不具合の解消ではなく、将来的な生活を見越して計画を立てるようにしましょう。

子ども夫婦との同居はないのか、体力が落ちた老後でも快適に暮らせるかといった今後のライフスタイルの変化を考慮することが重要です。場合によっては今よりも狭い土地に、新築住宅を建てることも視野に入れるといいでしょう。

また、ローンを利用する際は現役の残り年数や老後資金も含めて、無理のない返済計画を立てることが大切です。今よりも快適な生活を手に入れるための建て替えで、ローンによって苦しい生活になっては本末転倒です。資金状況によってはリフォームにとどめるなど、最適なプランを十分検討してくださいね。
 
 

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