不動産投資は資産形成と同時に節税対策が図れる優れた手法です。ただ、気を付けておきたいのは、ただ闇雲に始めても想定したような節税効果は得られないということ。要は、不動産投資による節税効果をしっかりシミュレーションしておくことが大切です。
今回は、マンション経営に着手した場合を例にとって、どの程度の節税が可能かを実際にシミュレーションしてみました。
不動産所得で赤字を出せば節税になる
経費をいかに多く計上して、帳簿上の利益を圧縮してみせるかが節税対策の基本。とくに経費のなかでも大きな割合を占める減価償却費を支出として計上すれば、会計上で赤字にすることが可能となり、結果として収入(給与所得+家賃収入)が減って、住民税や所得税を節約できます。
しかし、赤字はあくまでも数字の上だけなので、ローンの返済額を家賃収入が上回って実際の収支が黒字になっていてもOK。この知識があるかないかで、不動産投資の成果に大きな差が生じるのでよく勉強しておきたいところです。
1,000万円の中古マンションで投資した場合のシミュレーション
では、マンション経営でどの程度の節税効果が得られるのでしょうか。下記では仮に600万円の年収がある30代のサラリーマンが、築年数10年で1,000万円の中古物件を購入した場合のシミュレーションです。
シミュレーション条件
人物像 | 年収600万のサラリーマン・妻・子ども2人 |
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物件価格 | 1,000万円(都心のワンルーム) |
ローン利子 | 3% |
物件想定利回り | 4.5% |
物件構成 | 土地20% 建物80%(建物本体75%・付帯設備25%) |
建物構造 | 鉄筋コンクリート造 |
築年数/償却率 | 10年(法定耐用年数:残り37年として)/0.067 |
節税シミュレーション
家賃収入 | 45,000円 |
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不動産取得税 | 50,000円 |
諸経費 | 300,000円 |
ローン金利(建物) | 240,000円 |
固定資産税 | 28,333円 |
一般管理費 | 67,500円 |
減価償却費 | 617,400円 |
損益通算(給与所得との合算) | 1年目:5,146,767円 2年目:5,496,767円 |
当初納税額 | 367,877円 |
損益通算後納税額 | 1年目:220,628円 2年目:297,200円 |
節税額 | 1年目:147,249円 2年目:70,677円 |
※なお、このシミュレーションではおおよその目安を算出するため細かなパラメーターは無視して計算しています。より厳密な結果を求める場合は、さらに詳細なシミュレーションが必要です。
誰にでもわかりやすく、安心してトライできる不動産投資
たとえば、不動産投資。購入したマンションを賃貸し、そこから月々の家賃収入を得るというごくシンプルな仕組みは誰にでもわかりやすく、資産運用としてはとっつきやすいもののひとつでしょう。しかも、毎日の市場相場で大きく価値が変動する株やFXとは違い、マンション相場は長期にわたって安定しているのでこの点も安心材料に違いありません。
不動産投資に難しい理論武装は一切不要。「都心部の優良中古物件を購入し、賃貸に出すだけ」というわかりやすさもマンション経営の魅力です。何しろ、人口の流動性が高い都心部なら、マンション市場も活発なので入居者も定着しやすく、空室リスクも気になりません。しかも、築10年程度の中古マンションなら新築とそん色ない内外観、設備でありながら、購入価格も手ごろ。人気も高いので家賃の維持もしやすく、高利回りでの運用が期待できます。
さらに、ローンを組んで購入しても、完済まで家賃収入を充てられるので家計に負担をかけません。これなら、今まで投資に今ひとつ踏み込めなかった方でも安心してトライできるはずです。
まとめ
不動産投資、とりわけマンション経営のわかりやすさ、安全性の高さがおわかりいただけたでしょうか。貯蓄で資産形成を図るのはもはや現実的ではありませんが、不動産投資ならそれも決して夢ではないということ。
また収入が途絶えれば貯蓄はできませんが、マンション経営による家賃収入は定年退職後も長きにわたって人生を支え続けます。「貯蓄から投資へ」のシフト、ぜひ、皆さまも検討してはいかがでしょうか。