2009年に初めて取引されたビットコインの価格は、1BTC =約0.07円でした。その後、2度にわたるバブル期とその崩壊、下落や低迷期などを乗り越えて、2023年3月の時点で1BTC=300万円前後まで上昇しました。
特定の管理者に依存しない仮想通貨は、インターネットを通じて簡単に取引できることが魅力です。今後も価格上昇が予測されており、投資対象として注目を集めています。
そこで今回は、仮想通貨の価格が上がる理由と、取引をおこなう際の注意点やリスクを解説します。また、仮想通貨の代表格であるビットコインの将来性についても紹介しますので、仮想通貨投資に興味がある方はぜひ参考にしてみてくださいね。
仮想通貨(暗号資産)の価格が上がる4つの理由
仮想通貨の価格は、もっとも有名なビットコインの登場時と比べて、信じられないほど高騰しています。相場の変動によって上下動はあるものの、長期スパンでみると価格は上昇傾向です。
仮想通貨の価格が上がる4つの大きな要因を解説します。市場はさまざまな要素で動くため一概にはいえませんが、今後の価格動向を考える際の参考にしてください。
1:将来的な需要の高まり
仮想通貨の将来的な需要の高まりは、価格上昇の要因です。新たな投資対象として注目を集めることで大きな資金が流入し、需要が高まっています。
また、単純に投資対象としてだけではなく、決済手段として注目されている点も、仮想通貨の将来性が期待できる大きな理由です。近年では、仮想通貨を使って買い物ができる店舗やショッピングサイトも増えてきました。
2:大企業の市場への参入
大手企業の仮想通貨市場への参入は、ますます活発化しています。たとえば、世界的に有名なフェイスブックは、2021年に社名を「メタ」へ変更し、仮想通貨による取引がおこなわれるメタバース事業に参入しました。
こうした大企業の市場参入がメディアで取り上げられ認知度が上がると、今後の需要増への期待から仮想通貨の価格は上昇するでしょう。
3:供給量の減少
すべての仮想通貨ではありませんが、4年に一度を目安に通貨の供給量を抑える設定がなされていることも、価格高騰につながる理由です。供給量の抑制は「半減期」と呼ばれています。
「マイニング」というコンピューターの計算によって、市場に供給され続ける点が仮想通貨の特徴です。供給量が減少すると、希少性が高まるため価格が高騰します。
4:大型アップデート
仮想通貨は、アップデートによって常に新しい機能が実装されています。なかでも、大型アップデートでは大幅な機能向上が見込まれるため、期待度の高まりから需要が集まり、価格上昇につながります。
多くの仮想通貨は、大型アップデートのたびに価格を大きく上昇させてきました。ただし、価格が一気に高騰したあとは、利益確定売りによって下落することも少なくありません。
大型アップデートがおこなわれたあとは、その後の値動きを注視する必要があります。
仮想通貨(暗号資産)市場をけん引するビットコイン(BTC)
ビットコイン(BTC)は、仮想通貨市場をけん引する存在です。仮想通貨の将来性を考えるうえで、ビットコインの動向は無視できません。インターネット上に1,000種類以上存在する仮想通貨のなかで、もっとも歴史が長く、時価総額の高い仮想通貨がビットコインです。
ビットコインの基本的な情報を紹介します。投資をしない方でも、ニュースなどで目にする機会が多いため改めて確認してみてくださいね。
ビットコインとは?
ビットコインとは、全世界の取引所でもっとも多く取引されている仮想通貨です。インターネット上にのみ存在する通貨で、現物はありません。世界中に存在する多くの仮想通貨(アルトコイン)は、ビットコインの考え方をもとにつくられています。
ビットコインは、サトシ・ナカモトという匿名の人物が、2008年にインターネット上で公開した論文をきっかけに開発されました。政府や中央銀行のような管理・運営者が存在しない、発行枚数が2,100万枚までに限定されている点が大きな特徴です。
高度に暗号化されたブロックチェーン技術を基盤としたビットコインの取引は、第三者による不正や改ざんがほぼできません。世界中に広がる分散ネットワークによって、取引情報の記録・保存が安全におこなわれています。
ビットコインのメリットは、両替が不要で、インターネットにつながっていれば世界中のどこでも利用できることです。国内外を問わず、安い手数料でスムーズに送金できます。
ビットコインの将来性
ビットコインの価格は、ビットコイン決済の拡充やETF承認が加速している背景もあり、今後さらに上昇していくと予想されています。
アメリカのビットコイン投資家1,000人におこなったアンケート調査によると、約18%の投資家が「今後10年で5万ドルを超えるだろう」と回答しました。専門家や金融機関の関係者たちもビットコインの成長に期待しています。
また、ビットコインキャッシュ(BCH)やビットコインSV(BSV)といった派生通貨も誕生しています。今後も、ビットコインの動向からは目が離せません。
仮想通貨(暗号資産)取引のリスク
新たな投資対象として注目されている仮想通貨ですが、世界情勢の変化などにより大きな価格下落に見舞われるケースもあります。
値動きが激しい仮想通貨に対して投資戦略を立てるためには、リスクを正確に把握しておくことが重要です。仮想通貨取引のリスクについて詳しく解説します。
国による規制強化や国際情勢の変化
仮想通貨には、国単位の規制や国際情勢の影響を受けやすい弱点があります。たとえば、2021年9月には中国の中央銀行である中国人民銀行が、仮想通貨の関連サービスを全面的に禁止すると発表し、ビットコインの価格が約9%も下落しました。
また、仮想通貨は米国経済にも足を取られやすく、2022年5月に大暴落した要因はアメリカの金融引き締めによる市場の冷え込みといわれています。
仮想通貨の価格は世界情勢に大きく左右されるため、あらゆる方向にアンテナを張って値動きを注視することが大切です。
大企業による大量売却
大企業による大量売却がメディアやSNSなどで報じられると、仮想通貨の価格が一気に下落することもあります。たとえば、2022年7月に電気自動車メーカーのテスラが、保有する75%のビットコインを売却した際は、1BTC=約320万円から約290万円まで下落しました。
流通量が国際通貨と比べてまだまだ少ないこともあり、ちょっとしたきっかけで相場が大きく動きます。また、大量保有する一部の資産家の動向が市場価格に直結することもあるため、価格の安定性は低い点を理解しておきましょう。
【まとめ】仮想通貨(暗号資産)の価格を予想することは困難
新たな投資対象として注目の仮想通貨。ビットコインを筆頭に、数多くの仮想通貨がインターネット上で取引されています。将来的な需要の高まりや大企業の参入により、仮想通貨の価格は現在も上昇傾向です。また、4年に一度といわれる半減期のタイミングや大型アップデートなど、仮想通貨特有の要因でも高騰します。
ただし、価格の安定性が低く、取引リスクが大きい点は十分に理解しておきましょう。流通量が少ない仮想通貨の場合は、ごくわずかな投資家の動向で大きく価格が上下することもあります。仮想通貨に投資をする際は、十分なリスクヘッジをしながら安全な取引を心がけてくださいね。