資産形成を20代から始めるメリット！ おすすめの方法や注意点も詳しく解説

資産形成を始めるのに早すぎることはありません。実は、早めに始めたほうが有利な仕組みとなっています。自分でお金の管理を始める20代は、資産形成をスタートするのにとてもいいタイミングです。

この記事では、資産形成の重要性や、20代から資産形成を始めるメリット、注意点について解説します。おすすめの資産形成方法も紹介しているので、資産形成を始める際の参考にしてください。

将来を考えて資産形成をおこなう重要性

20代で資産形成を始めるのは、まだ早いと感じる方も少なくありません。しかし、将来を考えると、資産形成はなるべく早い段階で始めることが大切です。資産形成の重要性について解説します。

年金の受給額や条件は厳しくなっている

年金の受給額や、支給開始年齢などの条件は年々厳しくなっています。2022年度の年金受給額は、前年度比0.4%引き下げられました。また、老齢年金の繰下げ年齢の上限は、70歳から75歳に引き上げられています。

年金を支える現役世代の人数は、少子化によって減少傾向です。今後さらに厳しい条件になると考えられるため、公的年金だけではなく自分で老後資金を確保しておきましょう。

不確定要素の多い時代

資産形成の重要性は、ここ数年で一層高まっています。安定した収入や高収入が見込めない時代になりつつあるためです。

終身雇用はもはや崩壊し、AIの台頭など新しい技術が次々と生み出されるなど、今の仕事を今後も続けられるかが不透明な時代です。また、「リモートワーク」「フリーランス」という働き方が一般化し、働き方そのものがすでに変わってきています。

予測できない将来に備えて、しっかりと資産形成をおこなうことが大切です。

20代から資産形成を始めるメリット

収入のまだ少ない20代では、将来に向けた資産形成は後回しになりがちです。しかし、早期に始めることで、多くのメリットを得られます。

20代のうちから資産形成を始めるメリットをみていきましょう。

長期間かけて大きな資産を形成できる

資産形成にはさまざまな方法がありますが、基本的には運用期間が長くなるほど有利です。たとえば、最終的に同じ金額を運用するとして、期間が長ければそれだけ毎月の支出額は少なくてすみます。単純に老後に必要といわれる2,000万円を貯蓄することを考えても、10年であれば年間200万円が必要ですが、20年に伸ばすと年間100万円、月間では10万円を切る金額です。

また、多くの資産形成方法は複利となっており、、運用期間が長いほど生み出される利益額は大きくなります。運用に回せる資金がわずかでも、数十年運用すればまとまったお金になるため、少しでも早く資産形成を始めましょう。

万が一リスクを負っても取り返す時間がある

貯蓄以外の資産形成方法のほとんどが、大きく分類すると「投資」です。投資にはリスクがともない、必ずしも思ったとおりの結果になるとは限りません。しかし、20代の若いうちに失敗しても、その後の期間が長いため十分損失を取り返せるでしょう。

投資は基本的に、リスクとリターンが比例します。運用期間が短い場合は、できるだけリスクを抑えるために、大きなリターンを見込めない手堅い方法を選ばざるを得ません。ある程度リスクを許容できれば、それだけリターンの見込める投資方法を選択できるため、より大きな資産を形成できる可能性が高まります。

20代では、「リスクの高いもの」「安定したもの」と目的に応じて投資でき、幅広い資産形成プランを立てることが可能です。

資産運用の経験を積める

20代に資産形成をスタートすることで、資産運用に関する経験を積んでいけます。若い頃から投資への知見や理解を深めれば、自分に合った投資商品を見つけやすくなるでしょう。

たとえ運用に回せる資金がたくさんあっても、資産運用に関する知識がなければ効率よく運用できません。20代のうちから運用を始めて経験を積み、30代以降の収入が増えたタイミングでしっかりと運用できるようにしておきましょう。

20代におすすめする資産形成方法

まだ収入の少ない20代だと、あまり多くの資金は用意できません。また、経験や知識もあまりないため、どの資産形成方法が最適かの判断は難しいものです。

そこで、20代にもおすすめの資産形成を4つご紹介します。無理なく始められる方法もあるので、資産形成に回せるお金が少ない方もぜひ参考にしてくださいね。

つみたてNISA（ニーサ）

国の制度である「つみたてNISA」は、初めての資産形成としておすすめの方法です。つみたてNISAはその名の通り、積立投資に特化しており、少額からでも始められます。金融機関によっては、数百円程度からの積立も可能です。

つみたてNISA最大のメリットは、非課税で運用できる点です。通常の投資では運用益に対して課税されるため、運用益のすべてが手元に残るわけではありません。しかし、つみたてNISAであれば、運用利回りがそのまま利益となります。

ただし、つみたてNISAにはいくつか制約がある点に注意が必要です。まず、年間の投資限度額は40万円に制限されています。さらに、運用期間も25年までとなっており、あまり大きな金額の運用はできません。2024年には新しいNISAも登場するので、詳しい制度設計を調べてから利用しましょう。

iDeCo（イデコ）

iDeCoも、20代の方におすすめしたい資産形成方法の一つです。iDeCoとは「individual-type Defined Contribution pension plan」の略で、日本語に訳すと「個人型確定拠出年金」になります。iDeCoもNISAと同様に国が設けている制度で、掛金の全額が所得控除されるうえ、運用益にも課税されない点がメリットです。

加入する年金制度によって掛金の上限金額は異なりますが、最低掛金は5,000円と少額から始められるので、20代の方でも始めやすいでしょう。ただし、「年金」という名の通り、積立金と運用益の受け取りには年齢制限が設けられており、現在の制度では60歳まで資産を引き出せません。

投資信託

20代の方には投資信託もおすすめです。投資信託では、プロの専門家が投資家の代わりに資産運用をしてくれます。投資の知識があまりなくても、安心して資産形成を始められる方法の一つです。

また、投資信託は数百円程度の少額から始められるサービスも数多くあるため、無理なく投資を始められます。

不動産投資

不動産投資も、実は20代から始める資産形成の方法としておすすめです。収入や貯蓄の少ない20代には向かないと思われがちですが、不動産投資は長期運用したほうが有利なので、できるだけ早い時期に始めることで安定した利益につながります。

不動産投資にかかる費用の全額をローンでまかなう人も少なくありません。ローン金利以上の利回りを出せば、十分利益をあげられます。20代前半の場合、勤務年数や年収の問題からローンに通りにくい面もありますが、20代後半からは不動産投資も資産形成の方法として検討してみてはいかがでしょうか。

20代で資産形成を始める際の注意点

資産形成をする際はいくつか注意点があります。とくに、運用期間を長く取れる20代から始めるのであれば、無理せず注意しながら着実に資産形成をしていきましょう。

資産形成を始める際の注意点をご紹介します。

資産形成の目的とゴールを決めておく

20代に限りませんが、資産形成を始める際は目的とゴールを決めておきましょう。具体的な数値を設定することで、投資に必要な資金が明確になります。

目的がないまま積立や貯蓄をしていても続きにくく、資金を気軽に使ってしまう可能性があります。とくに、多くの資金を用意できない20代のうちは、なかなかまとまった資金にならないため、途中でやめてしまう人も少なくありません。明確な目的意識をもって、少額でもコツコツと資産形成をしていきましょう。

無理のない金額で始められるものを選ぶ

20代でとくに気をつける点は、無理なく資産形成をすることです。大きく資産形成をしようと、生活に支障が出るほどの金額で計画を立てると長続きしません。また、20代でしか経験できないこともあるので、老後の資金ばかりに目を向けず、今あるお金を有効に使うことも大切です。

さらに、結婚や出産、マイホームなど大きな金額が動く場面も多くあります。ライフプランを考えながら、長期間途切れずに運用できるように計画しましょう。

投資だけに集中しすぎない

資産形成を始めても、投資だけに集中しすぎないようにしましょう。20代で資産形成を始めると、初めての投資ということで値動きについ一喜一憂してしまうものです。しかし、投資ばかりに集中すると、本来すべき仕事がおろそかになったり、今しか経験できないことを逃してしまったりするかもしれません。

また、資産形成はあくまでも長期的な視点でおこなうものです。小さな値動きはあまり気にせず、長期的に余裕をもって管理していきましょう。

【まとめ】資産形成は早く始めたほうが有利

資産形成は早く始めるほどリスクを抑えて、大きな資産を得られる可能性があります。先行きが不透明な時代だからこそ、20代から資産形成を考えていくことが重要です。また、20代のうちから資産形成を始めれば多くの経験を積めることも、資金を増やせるタイミングでいきてきます。

20代は収入の少ない方が多く、つい後回しにしてしまいがちですが、将来の計画をしっかりと立て、少額からでもコツコツと資産形成を始めましょう。