マンションを買った値段で売れるようにする条件とは? 高く売却するためのポイントを解説

マンションを買った値段で売れるようにする条件とは? 高く売却するためのポイントを解説|株式会社イー・トラスト

一般的にマンションは、取得時の価格以上で売却できるケースはほとんどありません。しかし、不動産の市場状況や物件の条件によっては買った値段、もしくはそれ以上で売れる場合もあります。

そこで本記事では、マンションを買った値段以上で高く売るためのポイントを、具体的な条件も含めて詳しく解説します。

マンションは買った値段以上ではあまり売れない

マンションは買った値段以上ではあまり売れない

マンションをできるだけ高値で売りたいと思っても、買ったとき以上の価格で売れるケースはあまりありません。マンションの価値は、時間が経過するほど下がってるほど下がってしまうためです。

まずは、マンションの売却額を決める際のポイントとなる、相場と築年数についてみていきましょう。

売り出し価格は基本的に相場どおり

マンションの売却価格は、基本的に相場どおりに落ち着きます。相場価格は売り手と買い手の需給バランスで形成されるため、よほど特殊な事情がない限り相場を上回る高値がつくことはありません。

土地だけであれば地価が上昇するケースもありますが、中古マンションの場合は建物の価値も含めた価格となるため、地価の上昇分がそのまま反映されない可能性もあります。

築年数による価格の下落

マンションの価値は、築年数が進むにつれて徐々に下落します。建物や付随する設備は、使い始めた日から劣化が始まるためです。

また、建物には法定耐用年数が定められており、年数の経過とともに残り期間が短くなっていきます。法定耐用年数とは、法令で定められた、建物が安全に使用できる年数です。建物の構造で年数が決まっており、マンションの耐用年数は一般的に47年とされています。たとえば、築30年のマンションの場合、耐用年数の残りはわずか17年しかありません。

建物自体の価値は、基本的に下がっていくものだと認識しておきましょう。

マンションを買った値段で売るための条件

マンションを買った値段で売るための条件

マンションの価値は築年数によって耐用年数が減っていくため、購入時の価格で売却するのは困難です。しかし、売却の時期や物件の立地、条件によっては買った値段で売れる可能性もあります。

中古マンションを買った値段で売るための条件をみていきましょう。

築5年以上10年未満の物件の場合

築年数が10年未満の比較的新しい物件の場合は、買った値段で売れる可能性が高まります。新築マンションの価格が上昇傾向(2024年4月執筆時)で、築年数の浅い中古マンションの需要も高まっているためです。

一方で、新築で購入したマンションで売却による利益が見込める場合は、5年以内の売却はあまりおすすめしません。マンションを売却して得た利益には譲渡所得税が課せられますが、5年を超えると住民税も含めてほぼ半額になるためです。ただし、譲渡所得税は、売却益が出た際にしかかかりません。購入した金額以下になる見込みの場合は、納得のできるタイミングで売却しましょう。

不動産所得の譲渡税率は以下のとおりです。

  所得税 住民税 復興特別所得税 合計
長期譲渡所得(5年超) 15% 5% 0.315% 20.315%
短期譲渡所得(5年以内) 30% 9% 0.63% 39.63%

立地が良く開発も進んだ場合

立地が良い人気地区で、さらに周辺環境の開発が進んだ場合もマンションを買った値段で売りやすくなります。建物の価値は年数とともに下落しますが、土地の価格上昇があれば物件そのものの価値が維持されるためです。

新築当初から需要が変わらなければ、建物の価値下落の影響でマンションの値段は下がってしまいます。しかし、利便性や住環境が良くなると、一気に需要が高まるケースも少なくありません。

マンションを購入する際は現在の立地や需要だけではなく、将来の開発計画を見込んで選定することが重要です。

部屋の条件が良い場合

階層や間取りといった部屋の条件も、マンションの売却価格に大きく影響します。マンションを購入する人にとって、部屋の住み心地は重要なポイントです。同じ物件であっても、部屋によっては需要が高くなるケースもあります。

角部屋や高層階からの眺望、日当たりの良さ、間取りの広さなどが一般的に人気のある部屋の条件です。また、デザイナーズマンションや管理の良さといった付加価値がある場合、部屋だけではなく物件そのものの価値も高くなる傾向があります。

買った値段に近づける売却方法

買った値段に近づける売却方法

マンションを買った値段で売るためには、注意すべき点がいくつかあります。高く売却できる条件の整った物件でも、不用意に売却すると損をしてしまいかねません。

マンションの売却価格を、できるだけ買った値段に近づけるためのポイントをみていきましょう。

ゆとりをもって売却を進める

ゆとりをもって買い手を探せば、より好条件での売却が期待できます。不動産の売却価格は、買い手にも大きく左右されるためです。

マンションの価格はある程度相場で決まってくるものの、買い手のニーズは同じではありません。駅までの距離や物件の設備、部屋の間取りや階層などに大きな価値を感じる買い手が見つかれば、相場以上の価格で売却できる可能性が高まります。

目の前に現れた買い手に焦って売るのではなく、理想的な買い手をじっくりと探すこともマンションを高く売却するコツです。

需要の高い時期に売却する

需要の高まった時期にうまく売却すれば、実際の価値以上の価格がつくこともあります。マンションの相場は、季節的要因や経済状況などで上下動を繰り返すものです。売却する際は、時期を慎重に検討しましょう。

季節要因は、年間を通じてのマンション相場の変動です。たとえば、年度替わりの3〜4月は、異動や新生活などで住宅の需要が高まります。その手前の1月前後からが、売却の狙い目となる時期です。

一方で、経済状況の判断は、季節要因ほど簡単ではありません。相場が上昇傾向でも急落する可能性はありますし、下落トレンドだからと売却を迷っている間に相場がさらに下がることもあり得ます。専門家である不動産業者に相談しつつ、必要以上に利益を求めないことも大切です。

部屋をきれいな状態に保っておく

マンションの売却価格を買った値段に近づけるためには、部屋をきれいな状態に保っておきましょう。購入希望者が物件の価値を判断する際には、内覧時の印象が大きく影響します。売却を検討しているのであれば、購入時からできるだけ部屋をきれいに使うことが大切です。

傷や汚れ、設備の故障といった箇所は、売却前に修繕しておくことをおすすめします。ただし、修繕費用のすべてを売却価格に反映できず、損をしてしまうケースもあるため注意が必要です。

【まとめ】買った値段でマンションを売るのは簡単ではないが焦らないことが大切

【まとめ】買った値段でマンションを売るのは簡単ではないが焦らないことが大切

中古のマンションを、買った値段以上で売るのは簡単ではありません。しかし、焦らずにいくつかのポイントに気をつけることで、できるだけ高い価格で売却できる可能性が高まります。

少しでも高い値段で売れるようにするために、購入前、入居中、売却時のそれぞれで注意深く検討、行動することが大切です。不動産業者にじっくりと相談しながら、納得のいく価格でマンションを売却してくださいね。
 
 

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