外貨預金には税金がかかるって本当?基本的な仕組みや国内預金との違いを解説

外貨預金には税金がかかるって本当?基本的な仕組みや国内預金との違いを解説|株式会社イー・トラスト

外貨預金は手軽な資産運用方法の一つですが、一般的な投資のように税金がかかるのでしょうか。また、同じ「預金」という名称をもつ国内預金との違いも気になるところです。

そこで、外貨預金の基本的な仕組みや課税されるポイントなどを、リスクも含めてわかりやすく解説します。

外貨預金が課税されるポイントは2つ

外貨預金が課税されるポイントは2つ

外貨預金は「利息」と「為替差益」の2つのポイントで課税されます。利息は、預けた金融機関の運用収益から支払われるものです。一方の為替差益は、為替レートの変動によって生じる利益のため、必ずしも課税されるとは限りません。

まずは、2つの課税されるポイントを、課税方法も含めてみていきましょう。

源泉分離課税が適用されるケースもある利息

外貨預金の利息は、所得税法上の利子所得に該当します。日本国内の金融機関に預けた外貨預金の利息は、利子所得として源泉分離課税が適用されます。

源泉分離課税とは、該当の所得に対してのみ直接税率を適用して税額を計算する方法です。株式投資や為替取引といった、他の所得とは合算されません。また、源泉分離課税が適用されると、利息を受け取る際に税額が源泉徴収されます。

ただし、海外に本店がある金融機関や、国内の金融機関の海外支店などの口座に直接入金した場合の利息には、源泉分離課税が適用されません。見かけ上は利子所得ですが所得税法では雑所得扱いになるため、ほかの雑所得と合算して税額を算出する必要があります。

雑所得になる預金元金の為替差益

預金の元金に為替差益が生じた場合は、所得税法上の雑所得となります。為替差益とは、預入時よりも引出時のほうが円安になった場合に生じる利益です。外貨預金をすると、為替レートに応じて円と外貨が交換されるために発生します。

例えば、為替レート1ドル100円で預け入れた1万ドルを、1ドル110円のタイミングで全額引き出したとします。預け入れた際の日本円は100万円ですが、引き出す金額は110万円です。差額の10万円が雑所得となり、所得税が課税されます。

一方で、引出時の為替レートが円高になって購入時よりも低くなった場合には、損失となるため課税されません。

外貨預金の基本的な仕組み

外貨預金の基本的な仕組み

外貨預金は、日本国内よりも利率の高い国にお金を預けて資産を増やす資産運用の手法です。また、為替相場の動向次第では、為替差益を得られる可能性もあります。

外貨預金の基本的な仕組みと特性、リスクについて詳しくみていきましょう。

外貨預金は為替投資に近い

外貨預金は単なる現金の預金ではなく、為替投資に近い資産運用方法です。多くの預金者は為替市場の動向を注視し、円安になって為替差益が出るタイミングでの払い出しを狙っています。

一方で、預け入れる際は、為替市場円高になったタイミングがもっとも大きな利益を得られます。価値の高い円で外貨を獲得して、外貨の価値があがった、つまり円安になったタイミングで引き出すことで利益を最大化できます。

また、国内より高い利率も外貨預金の魅力です。利息についても円安時に引き出したほうが、当然利益は増えます。為替の動向が影響する点が、外貨預金は為替投資に近いといわれる理由です。

基本的に日本の金融機関を通じて預ける

外貨預金を始める際には、基本的に日本の金融機関で預入契約をおこないます。外貨で預金するからといって、海外の金融機関に直接口座を開くわけではありません。国内の多くの金融機関では外貨預金を取り扱っており、ネット銀行であればさらに手軽に始められます。

外貨預金を始めるには、外貨預金専用口座の開設が必要です。取り扱っている外貨は金融機関によって異なるため、目的の通貨を取り扱っているところで口座を開きましょう。また、金融機関や預金商品によっては、手数料が発生する場合があります。

外貨預金にはリスクもある

外貨預金には「為替変動」という大きなリスクがある点に注意が必要です。為替の変動によっては、預金元本が目減りする可能性があります。例えば、1ドル100円のときに、1万ドル分のドル建て預金をするには100万円が必要です。しかし、1ドル90円になってしまうと、円換算では90万円まで預金が目減りしてしまいます。

また、外貨預金は「預金」という名前のため誤解されがちですが、預金保険制度の対象外です。国内の普通預金であれば、万が一金融機関が破綻しても元金が保証されます。しかし、外貨預金は、預け入れ先の金融機関が破綻した場合でも保護されません。

円建てでの元金が変動する点が国内預金と異なる

外貨預金は、円建てでの元金が変動する点が国内預金と異なります。国内預金の場合、預けた元金は常に一定です。しかし、外貨預金は、為替レートの変動と連動して円建ての元金が変わります。

預金というよりも投資の性格が強いため、資金管理には十分注意が必要です。他の投資方法と同様に、余剰資金で運用することを心がけましょう。

確定申告と適用される税率

確定申告と適用される税率

外貨預金をしているすべての人が、確定申告が必要なわけではありません。ただし、外貨を円建てで引き出した際には、条件によっては確定申告が必要です。

確定申告が必要なケースと、適用される税率について詳しく解説します。

元金の為替差益は原則確定申告が必要

外貨預金を円建てで引き出した際に為替差益が生じると、確定申告が必要となる可能性があります。為替差益は所得税法上雑所得となり、他の雑所得と合算した金額に課税されるためです。確定申告が漏れると追徴課税されるおそれもあるため、課税対象の場合は漏れなく申告しましょう。

ただし、外貨預金の為替差益も含めて雑所得の合計が20万円以下の場合には、確定申告の必要はありません。課税対象になるかの判断がつかない場合は、税理士に相談するか、管轄の税務署に問い合わせることをおすすめします。

為替差益は雑所得のため累進課税

為替差益に課税される場合は、金額が大きいほど税率が高くなる累進課税が適用されます。また、税率の算出時には、給与や事業所得など他の所得と合算される点にも注意が必要です。為替差益が申告の必要な20万円を超えそうであれば、課税額を予測して事前に準備しておきましょう。

所得税の税率は、所得金額によって5〜45%までの7区分にわかれています。ほかの所得と合計して、どの税率が適用されるのかを確認しておくことが大切です。なお、外貨預金の手数料については、経費として為替差益から差し引けます。

利息分の税率は一律

外貨預金の利息は利子所得のため、税率は一律20%(国税15%・地方税5%)です。また、分離課税のため、為替差益の雑所得のようにほかの所得と合算されません。税率が一律で、利回りの予測が立てやすい点も外貨預金のメリットです。

さらに、利息に関しては、確定申告をする必要は原則ありません。源泉分離課税という制度があり、口座振り込み時に税額が金融機関によって徴収されるためです。

確定申告が不要なケースもある

外貨預金の為替差益は、引き出して利益が確定しない限り確定申告をする必要はありません。ただし、物理的に口座からお金を引き出していなくても、外貨から円建てに戻した場合に20万円以上の差益が得ていれば確定申告が必要です。

また、為替差損が生じた場合には、他の雑所得と通算できます。例えば、外貨預金の為替差損が20万円、他の雑所得の合計が20万円だった場合、差し引きすると所得がなくなるため確定申告は不要です。

【まとめ】外貨預金をする際は正しく税金を納めることが重要

【まとめ】外貨預金をする際は正しく税金を納めることが重要

外貨預金を検討する際には、課税の仕組みをしっかりと把握しておくことが重要です。申告の義務があるのに確定申告をしないままでいると、通常より税率の高い重加算税が課税されるおそれもあります。

また、基本的に源泉分離課税となっていて確定申告が不要な利息についても、海外口座を直接開いた場合などは雑所得扱いになる点に注意が必要です。利用する外貨預金のサービス内容を十分に確認して、漏れなく納税しましょう。
 
 

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