不動産投資の「家賃保証」の仕組みとは? リスクがあるって本当?

不動産投資の「家賃保証」の仕組みとは? リスクがあるって本当?|株式会社イー・トラスト

リスクとリターンのバランスを常に考える必要のある投資において、空室は不動産投資の大きな課題です。不動産投資を始めようと思っている方の中には、家賃保証でメリットある投資ができるかどうか不安になっている方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、不動産投資の家賃保証の仕組みやリスクについてご紹介します。家賃保証は、仕組みを理解していないと損することもあるサービスです。仕組みやリスクを正しく理解することで、不動産投資を成功に導くことができるでしょう。

不動産投資の家賃保証とは?

不動産投資の家賃保証とは?

不動産投資は家賃収入で利益を得る投資ですが、賃貸の入居率は流動的です。そのような不動産投資で、月々の収入が安定すれば多くの方が魅力的に感じるでしょう。家賃保証は、不動産投資家の家賃収入を保証するサービスです。ただし、家賃保証を受けられる期間は条件などによって異なります。まずはサービスの仕組みを理解しましょう。

家賃保証の仕組みとは?

家賃保証は、不動産管理会社とサブリース契約することで一定の家賃収入が保証される仕組みです。不動産管理会社が賃貸物件をオーナーからまとめて借り上げ、その物件を転貸します。

入居者がいない状態や家賃滞納があったとしても、オーナーの物件は不動産管理会社が借り上げていますので、不動産管理会社が賃料をオーナーに支払います。入居者の募集や家賃の回収なども不動産管理会社で行います。

家賃保証の一般的な契約期間

不動産管理会社とのサブリース契約期間は、2年~35年です。ただし、物件の条件などによっても契約期間は変わります。契約期間に影響を与える物件の条件は立地や構造、戸数などです。そのため、契約期間を2年~10年としている会社もあります。

「20年~30年にわたって安定した家賃収入を受け取れる」とサービスの魅力を語る会社もあるでしょう。しかし、不動産物件は生ものなので築年数が経つと劣化してしまい資産価値が下がっていきます。数年に1度家賃の見直しがあるため、長期契約でも同じ金額を収益として受け取れるかどうかは保証されていない点に注意しましょう。

不動産投資で家賃保証はリスクがある?

不動産投資で家賃保証はリスクがある?

毎月一定の家賃収入が受け取れると、投資プランも立てやすくなるので精神的に気が楽になるでしょう。滞りなく安定した収入は、利益につながります。しかし家賃保証のリスクを考えずに契約することは危険です。家賃保証でも変わらない空室リスクがあることを覚えておきましょう。家賃保証のリスクを6つご説明します。

家賃保証で家賃収入は減る

家賃保証の契約を結ぶと、さまざまな理由で収入が減ることになります。まず、契約時には高い家賃収入を手にできても「契約満了まで同じ金額を得られる保証はない」という点に注意しましょう。数年に1度家賃の見直しがあり、入居率の悪化や経年劣化によってどんどん価値が下がります。価値が下がる分、家賃も下げる必要があります。

家賃を下げる必要がない場合でも、入居者が支払う家賃の全額を受け取ることはできません。物件管理の手数料として、家賃の10%~20%は不動産管理会社の分です。一般的にオーナーが受け取れる敷金・礼金も、不動産管理会社が受け取ります。オーナー自ら家賃の金額を決められないため、自己管理よりも収入が減るリスクがあることを覚えておきましょう。

家賃保証をしても空室リスクは変わらない

家賃保証は、空室の有無に関わらず収入が入ります。しかし、家賃保証があるからといって空室リスクがないとはいえません。空室が増えると不動産管理会社にとってもメリットがないので、家賃を下げて入居率を上げるのが一般的です。

家賃が値下げしても、不動産管理会社は収益を差し引いてオーナーに残額を支払います。そのため、空室が多いとオーナーの収入減少につながります。また、長期にわたって空室が続けば契約自体が見直されることになります。家賃保証があったとしても、賃料が減額されるリスクがあることを覚えておきましょう。

免責期間は家賃が受け取れない

家賃保証には免責期間があり、該当期間は家賃収入を受け取れません。免責期間とは、新築と入居者の入れ替え時期に適応されます。この期間は、不動産管理会社にも収入がないことからオーナーへの家賃保証が免除されます。

新築の場合は、新規で入居者を募集し始めた直後の入居率が安定しないことから免責期間が設定されています。家賃保証を受けていると、最初の数か月間は収入にならないのが新築物件です。

一方、入居者の入れ替え時期の場合は、次の入居が決まるまでにある程度の時間が必要であるという点で免責期間が設定されています。一般的には1か月ほどが入れ替え時の免責期間ですが、管理会社によって異なります。回転率がよい物件は、収入にならない期間が多く訪れることも覚えておきましょう。

修繕費用はオーナー負担

不動産管理会社とサブリース契約すると、修繕費用で損をするケースがあることも把握しておきましょう。契約内容にもよりますが、リフォームや修繕費用は基本的にオーナーが負担します。長い年月が経過すると建物や室内が劣化するので、中古物件は注意が必要です。

オーナーが不要だと感じても、不動産管理会社が手配して修繕を行うことがあります。劣化具合や設備の耐用年数・修繕頻度などは、契約する前にお互いの認識を合わせておくことが大切です。

家賃保証付きの物件は売りづらく解約も難しい

物件を探す際は、売却時のことも考える必要があります。売却しやすく高値で売却できるのが物件の理想でしょう。しかし家賃保証付きの物件は、基本的には簡単に売却できません。解約にも制約がともないます。

家賃保証付きの物件は、一定期間売却できないという契約があり、自分の思いどおりのタイミングで売却できません。どうしても売却したい場合は、解約金を支払います。そのため、売却で得る収益が減ってしまうリスクがあります。さらに手間と時間もかかるため、家賃保証付き物件は売りづらいといわれています。

家賃保証に騙されて投資失敗の可能性もある

家賃保証は、不動産投資にとって安心感のあるサービスです。安易に契約した結果、収入がなく投資失敗に追い込まれるケースも少なくありません。

前述でも説明してきたように、家賃保証は金額保証ではなく継続した収入保証です。金額が保証されていると勘違いしたまま契約すると、後に空室リスクや修繕費などで苦しい思いをすることになります。

特に月々のローン返済の負担が大きい場合、家賃収入が減ると返済が難しくなります。サブリース契約は敷金や礼金を受け取れなかったり免責期間があったりするので、思うように資金回収できないこともあります。ローンの返済が滞った場合、物件を手放してローンを支払い続けるか、最悪自己破産をすることになるでしょう。

また、なかには条件が悪い物件を紹介したにも関わらず、何もサポートしてくれない悪質なサブリース会社もいます。不必要な修繕を繰り返して負担をかけてくるような悪質行為もありますので、サブリース会社の見極めが重要です。

不動産投資の家賃保証よりも大切なこととは?

不動産投資の家賃保証よりも大切なこととは?

不動産投資をするうえで家賃保証は魅力的ですが、家賃保証よりも大切なポイントあります。たとえば、立地条件がよい居住区域なら入居者が集まりやすので家賃保証は必要ありません。資産価値が下落しづらい場所を選べば、継続した高家賃も期待できます。ここでは、不動産投資をする際に押さえておきたいポイントをご紹介します。

保証があるなしよりも「物件力」が大事

家賃保証はあくまでも物件力を補うものなので、物件力があれば保証の有無を考える必要はないでしょう。物件力で大事なことのひとつが立地条件です。駅やバス停からの距離や、周辺に商業施設があるかなどで物件自体の魅力が変わります。ファミリー世代向けの物件を探す場合、学校や公園が近くにあるとよいでしょう。

ほかに物件力を左右するのは建物の耐久性です。耐久性が高ければメンテナンスの頻度や費用を抑えられます。

回る(賃貸がつく)物件なのかどうか

空室が出てもすぐに入居者が見つかれば安定した収入を得られるため、家賃保証は必要なくなります。立地条件は入居者が重視するポイントですが、時代に合わせたリフォームを行うことで入居率を高められるでしょう。

インターネット回線や無料Wi-Fiなどの通信サービスは入居者に人気です。オートロックや防犯カメラ、テレビモニター付きインターフォンなどを重視する方も増えてきています。入居者が喜ぶ設備があれば、家賃設定を上げられるチャンスです。

管理会社の評判を大切にする

不動産投資でよりよい成果を収めるには、物件だけではなく管理会社も慎重に選ぶ必要があります。オーナーと接するときの誠実さや入居者の募集を行うときの積極性によって、不動産投資の結果に違いが出てくるでしょう。

まとめ

まとめ

不動産管理会社とのサブリース契約で家賃保証を受けられます。収入が安定するだけでなく、面倒な入居者との手続きや物件管理も含まれているサービスです。しかし、空室による収入が減るリスクは残ります。免責期間や修繕費用負担などのデメリットもあるので、契約内容をしっかり確認しましょう。

安定した収益を獲得するには、立地条件や設備など資産価値を落とさない方法に注目する必要があります。資産価値が維持できれば、家賃保証に頼らない不動産投資ができるでしょう。

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